青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 映画「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」監督インタビュー | main | 「ザハ・ハディド展」 >>

「リー・ミンウェイとその関係展」

森美術館で開催中の
「リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」に行って来ました。



ニューヨークを拠点にアメリカは元より、世界中で活躍の場を広げている現代アーティスト、リー・ミンウェイ[李明維]氏の過去20年間の代表作を紹介する美術館回顧展が森美術館で開催されています。

現代アートと聞くと、近寄りがたく、理解しがたいイメージを持たれる方も多いと思います。しかし、リー・ミンウェイの創り出す作品はどれも親しみやすく、温か味のあるものばかりです。

ここ数年(もしくは森美術館開館以来)最も居心地の良い展示空間となっています。


リー・ミンウェイ「ひろがる花園」2009/2014

どうぞお花をお持ちください。
ただし、2つのことを実行してくださるようお願いいたします。

1.ここに来たときと違う帰り道を通る。
2.その途中で会った誰か知らない人に、お花を贈り物としてわたす。


青山フラワーマーケット提供のガーベラを一本持ち帰りましょう。そしていつもとちょっとルートを変えた帰り道で出会った人にその花を渡しましょう。

自分も、いつもと違うルートで帰り、初めて入ったお店の方にお花を渡して来ました。

「花を贈る」という行為は365日の中、そう滅多にあることではありません。ましてや見知らぬ人に渡すことなんて…でも渡した人も受け取った人も笑顔になれるのですから不思議です。

森美術館で手にした一本の花で、人から人へ物を手渡すという根源的な喜び、愉しみ、嬉しさを体感出来ちゃいます。モースの『贈与論』を持ち出すまでもなく。






リー・ミンウェイ「プロジェクト・繕う」2009/2014

森美術館の会場に、もう着用しなくなった服や、帽子、はたまた子どもの頃に遊んだぬいぐるみを持っていくと、作家本人もしくはボランティアスタッフが、その場でカラフルな糸で繕ってくれます。

そしてそれらは作品の一部へと昇華します。遠目からは何がどうなっているのか分からないインスタレーションですが、ぐっと近寄ってみるとひとつひとつ手縫いで繕われています。そしてそれらは全て繋がっているのです。

リー・ミンウェイは「関係性」を具現化するこうした作品を多く手掛けています。スマホやSNSの普及をあげるまでもなく、浮薄な関係性の上で日々生活している現代人の目には、これらの細い糸が、まるでカンダタの前に現れた「蜘蛛の糸」のように映るかもしれません。


リー・ミンウェイ「プロジェクト・ともに食す」1997/2014

見知らぬ誰かと食事をしましょう。

森美術館のスタッフがお相手してくれます。見知らぬ者同士でも、「同じ釜の飯」を食べれば、いつしか気持ちも通じ話に花が咲くはずです。

個食・孤食が問題となって久しい今の時代。誰かと食卓を囲んで、身の回りに起きた些細な出来事を語り合うことの大切さをあらためて教えてくれる作品です。


リー・ミンウェイ「プロジェクト・手紙をつづる」1998/2014

一年に何回仕事以外で手紙を書くでしょうか。恥しながら5枚も書いていません。電話やメールではなく文字でしたためて感謝の言葉を表す。1000年以上に渡り行って来た大事な大事な人としての行いです。

日ごろの反省も込めて、一枚手紙を書いてみましょう。宛先を明記しておくと森美術館のスタッフが代わりに投函してくれるそうです。


リー・ミンウェイ「プロジェクト・リビングルーム」2000/2014

最後の作品はゆったりと寛いでもらうものです。

毎日誰か(リー・ミンウェイ、森美術館館長の南條史生氏や、公募によって参加が決まったホスト役の方々)がここに来て色んな話を聞かせてくれます。 このプログラム開催予定は、随時更新される「リビングルーム・カレンダー」でチェックしてみて下さい。あの人も来ますよ!

「関係性」や「つながり」を再確認するリー・ミンウェイ展をサポートすべく、白隠、鈴木大拙、ジョン・ケージ、イヴ・クライン、李禹煥、アラン・カプロー、リクリット・ティラヴァニ、小沢剛、田中功起など他のアーティストの作品も展示されています。

とりわけ、白隠、鈴木大拙、ジョン・ケージといった禅思想の繋がりには注目です。


リー・ミンウェイ「水の星座」2014

リーの祖母(日本に留学し西洋医学を学び女医として台湾で活躍した)が、実際に腰かけ日々の疲れを癒していた木製の大きな椅子。自由に座れます。

運が良いとサイドテーブルにお水が運ばれて来ます。知らない誰かからの贈り物として。

すごく良い展覧会です。こころ休まります。老若男女誰しもがあたたかな気持ちになれる稀有な現代アートの展覧会です。是非是非。

「リー・ミンウェイとその関係展」は2015年1月4日までです。


リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる

会期:2014年9月20日(土)〜2015年1月4日(日)
>>開館時間はこちら
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
主催:森美術館
共催:台湾文化部
後援:台北駐日経済文化代表処・台北文化センター
協賛:忠泰集團、財團法人榮嘉文化藝術基金會、信源企業股份有限公司、文心建設股份有限公司
制作協力:青山フラワーマーケット
協力:チャイナ エアライン カーゴ、ボンベイ・サファイア
企画:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
古美術作品担当:広瀬麻美(森美術館シニア・コンサルタント)

《トークショー》
「リー・ミンウェイと禅について考える」

仏教哲学の専門家である佐々木閑氏をお招きし、東洋的な思想、特に禅思想からリー・ミンウェイ作品について考えます。

出演:佐々木 閑(花園大学教授)、 広瀬麻美(森美術館シニア・コンサルタント)
日時:2014年11月18日(火) 19:00-20:30(開場18:00)

会場:森美術館展示室内
定員:80名(要予約)
料金:1,500 円(展覧会チケット付)、MAMCおよび年間パスポートメンバー無料
お申し込み:こちら

※プログラム開始前18:00-19:00の間、プログラム終了後20:30-21:30の間、本プログラムにお申し込みいただいた方のみ展覧会をご鑑賞いただけます。 また、お配りする展覧会チケットで、後日展覧会をご鑑賞頂けます。


台灣の近代美術−留学生たちの青春群像(1895-1945)

会期: 2014年9月12日(金)- 10月26日(日)
会場: 東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3
観覧料: 無料
主催: 東京藝術大学、国立台北教育大学北師美術館
http://www.geidai.ac.jp/museum/

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3760

JUGEMテーマ:アート・デザイン


森美術館では、2014年9月20日から2015年1月4日まで、「リー・ミンウェイとその関係展」を開催します。台湾出身、ニューヨーク在住のリー・ミンウェイ(李明維、1964年生まれ)は、1990年代後半から、さまざまな方法で観客参加型のアートプロジェクトを展開し、数々の国際展に参加してきました。本展は、リーの作品を網羅的に体験できる初めての大規模個展です。さらに、リーの作品を歴史的、文化的な文脈から読み解く鍵となる、白隠、鈴木大拙、イヴ・クライン、アラン・カプロー、リクリット・ティラヴァニ、小沢剛などの「参照作品」も同時に展示します。
リーの作品の多くは、観客のみなさんが参加することで完成します。いろいろな作品に参加して、「つながり」について一緒に考えましょう。
展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック