弐代目・青い日記帳 

  
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「岡田美術館所蔵 琳派名品展」
日本橋三越本店 新館7階ギャラリーで開催中の
「岡田美術館所蔵 琳派名品展 〜知られざる名作初公開」に行って来ました。


日本橋三越イベント情報サイト
岡田美術館公式サイト

今年(2015年)は、本阿弥光悦が徳川家康から京都の鷹ケ峰に土地をあたえられ、そこに一大工房を開設した1615年から数えて、“琳派発祥400年”という記念すべき年にあたります。

“琳派発祥400年”の節目の幕開けを飾るのに相応しい華やかな「岡田美術館所蔵 琳派名品展」が日本橋三越で開催されています。

2013年10月に箱根の地にオープンした岡田美術館。これまでに収集した琳派コレクションは80点を超えるそうです。そのほとんどは美術館・博物館所蔵や書籍にもたびたび紹介される琳派作品ではなく、個人が所蔵し表に出ることの無かったもの(秘蔵品)ばかり。

一昨年(2013)の岡田美術館開館記念展「日本・東洋 美の遺産展」で、これまで観たことも無かった琳派作品に圧倒されたことがつい先日のように思われます。


俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書「花卉に蝶摺絵新古今集和歌巻」(部分)桃山末〜江戸初期
岡田美術館所蔵

俵屋宗達下絵、本阿弥光悦書の巻物はほとんどが切断された状態(断簡)で今の世に伝わり、巻物として巻頭から巻尾まで完全に残っているものは4本しかないそうです。そのうちの1本がこの「花卉に蝶摺絵新古今集和歌巻」です。

三越の琳派展会場に足を踏み入れ作品を観ていくうちにどこか不安な気持ちにさいなまれるかもしれません。その原因は簡単です。見たことの無い作品ばかりだからです。

面白いもので、西洋絵画(例えばモネの作品)であれば初めて接するものであっても不安に打たれるなんてことないはずです。逆に知らない作品を観られてラッキー!と。

ところが、日本画特に琳派作品に関しては、書籍や他の展覧会で観たことのある作品に出逢えないと、たちまち道に迷った犬のように戸惑いを覚えてしまいます。

中には気後れを感じてしまい、「目の前にある作品は、宗達の作品らしからぬ。」などと眉間に皺を寄せ自分自身を納得させたりするまでに…もっと作品に対し正直になりましょう。


尾形光琳「雪松群禽図屏風」江戸時代
岡田美術館所蔵

それまでは、西洋美術等を集めていた岡田氏がこの「雪松群禽図屏風に出会ったことがきっかけで日本美術に目覚めたそうです。

13羽の鳥たちに触発されて蒐集を始めた岡田美術館コレクションの記念碑的な一枚です。

また展覧会入口で出迎えてくれる尾形光琳「蕨図団扇」は、対極にゆる〜い感じの一枚。たらし込みで表現された蕨たちが、まるで月夜の光の下、盆踊りに興じているかのようです。

酒井抱一も良い作品が出ています。中でも嘗て尾形光琳・乾山が出入りしていた二条家(京都の公家)の襖絵として描かれた「月に秋草図屏風」は、必見です。

中国から輸入した高価な紙を使っていながら、思い切り余白を取り抱一らしい空気感を醸し出すことに成功しています。


俵屋宗達「明石図」(源氏物語図屏風断簡)江戸時代前期
岡田美術館所蔵

さて、個人的な見どころとしては何と言っても俵屋宗達関連の作品群に尽きます。

「明石図」はぱっと見、「東下り」の一場面かと思ってしまいましたが、月も出ていますし、向きも違いますよね。この作品の源氏の顔の表情が素晴らしいんです!あんな手数少ないのに苦慮する気持ちを見事に表現しています。

もと押絵貼屏風に貼られた一枚だったと考えられる「烏図」と「白鷺図」は必見です。

とりわけ「白鷺図」は水辺で餌を探している様子が描かれているのですが、何故だか目線が合ってしまいます。それと背後にさらっと描かれたアシの描写が堪りません。

宗達作品(光悦とのコラボ含む)6点、伊年印作品2点が出ています。これだけで十分観に行く価値あります。

「岡田美術館所蔵 琳派名品展」は2月2日までです。百貨店での展覧会は会期が短いのが玉に瑕ですが、お得なこと、観やすい時間帯もあります。

今月より、集英社のアートサイトHAPPY PLUS ART(ハッピープラスアート) にゆる〜い内容のコラム「青い日記帳の予習帳」を連載することになりました。

第一回目は「岡田美術館所蔵 琳派名品展」も含めた百貨店・デパートでの展覧会攻略法です!→こちら


琳派400年記念―箱根“琳派”の誕生− 岡田美術館所蔵 琳派名品展〜知られざる名作初公開〜

会期:2015年1月21日(水)〜2月2日(月)
会場:日本橋三越本店 新館7階ギャラリー
主催:『岡田美術館所蔵 琳派名品展』実行委員会
共催:読売新聞社
後援:琳派400年記念祭委員会
開催時間:午前10時〜午後6時30分《午後7時閉場》
※最終日は午後5時まで《午後5時30分閉場》

岡田美術館
http://www.okada-museum.com/

尚、現在岡田美術館では、開館一周年記念展「大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち〜速水御舟「木蓮」 久々の公開〜」を開催中です。

NHK日曜美術館『夢の御舟 傑作10選』で紹介された、速水御舟「木蓮(春園麗華)」を3月31日まで公開しています。

御舟が描いた「木蓮」と三越の岡田美術館所蔵 琳派名品展に出ていた鈴木其一「木蓮小禽図」がそっくりなのに驚きました。3月までにまた箱根行って御舟作品観て来ようかな…


速水御舟「木蓮(春園麗華)」 大正15年(1926)

展覧会レビュー

《岡田美術館次回展》

あの歌麿が帰ってきた! ―「深川の雪」再公開―

会期:2015年4月3日(金)〜8月31日(月)

詳細は公式サイトで!http://www.okada-museum.com/

《岡田美術館所蔵の琳派作品》
岡田美術館は膨大な名品を有していますが、中でも光琳の『雪松群禽図屏風』に触発されて蒐集を始めたと言われるように、「琳派」作品を展示の重要な核としています。光悦・宗達合作の『花卉に蝶摺絵新古今集和歌巻』や、『源氏物語』をテーマにした宗達の『明石図』、光琳の大作『菊図屏風』、伊年印(宗達工房)の華やかな屏風作品など、きわめて質の高い注目すべき作品を数多く所蔵。「琳派」を広義(長谷川派や風俗画、近代の院展系の作品などを含む体系)に解釈した場合、絵画・工芸からなる琳派のコレクションは80点以上を数えます。


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年譜でたどる 琳派400年
河野元昭/監修 奥平俊六、中部義隆、玉蟲敏子、並木誠士/著

本阿弥光悦が鷹峰の地を拝領してから2015年で400年。その間、琳派の作風やデザインは、尾形光琳・乾山兄弟から酒井抱一へ私淑という形で受け継がれ、また神坂雪佳や田中一光ら近現代の作家に見直されながら生き続けてきました。各時代の年譜と多彩な作品をビジュアルに紹介しながら、江戸初期から現代へと繋がる琳派400年の系譜をたどります。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3862

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桃山時代末から江戸時代初期、日本の四季を彩る美のエッセンスを絵画・工芸・書などにとりいれ、人工的でありながらも自然以上に自然の美として蘇らせたのが、本阿弥光悦や俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一ら「琳派」の天才的クリエーターたちです。
「琳派」の大きな特徴は、華やかな王朝様式や平安期の『源氏物語』などの世界を装飾性豊かに表現するために、金・銀などの色彩を基調にしていることです。また、大胆な色面構成や墨のたらしこみなどの抽象的な描写と余白の表現、先代の詩歌や物語など古典的なテーマやモチーフを取り入れ、別次元のものに昇華させる“本歌取り”の手法も特徴としています。さらに、着物の絵柄としで“光琳模様”と名付けられた図案が普及するなど、生活を彩る"用の美"としても人々に広く親しまれてきました。
本展は、これまで一堂にまとまって紹介されることのなかった岡田美術館所蔵の珠玉の琳派コレクションを、同館のご厚意により特別に公開するものです。“琳派発祥400年”の節目の幕開けを飾る本展覧会で、ぜひ、日本が誇る琳派の美の神髄をご堪能ください。
| 展覧会 | 22:58 | comments(0) | trackbacks(1) |









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| 千尋の美術散歩 | 2015/01/31 11:32 AM |
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