青い日記帳 

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「花と鳥の万華鏡」展

山種美術館「花と鳥の万華鏡」展 ブロガー内覧会を盛況のうちに終了することが出来ました。参加して下さった皆さま、遅くまで残って下さった山種美術館のスタッフの方々、ありがとうございました。

一つの作品から興味を持ったものをどんどんと広げていくと思わぬ発見があるといった趣旨で、スライドトークをさせて頂きました。


速水御舟 《翠苔緑芝》(すいたいりょくし)

全体的にどこか現実感のない、不思議な景色が描かれているこの屏風絵。黒猫や白兎など愛らしい動物にまず目が行きますが、めぐりめぐって最後に辿りつくのはやはり紫陽花。

《翠苔緑芝》に描かれた紫陽花の花は、近寄って観るとでこぼこ、ザラザラしているのが分かります。この独特な表現を生み出す為に、御舟は薬品や重曹を使ったとか、炭で乾燥させたなど諸説あり今でも謎のままです。


《翠苔緑芝》紫陽花部分

NHK日曜美術館「夢の御舟 傑作10選」では、日本画家の中島千波先生がこの紫陽花の再現に重曹を用い、挑んでいたのも記憶に新しいところかと。

それでは、他の日本画家たちは紫陽花をどのように描いているのでしょう。比べたくなりますよね。同じく山種美術館が所蔵している山口蓬春が描いた紫陽花がこちらです。


山口蓬春「梅雨晴

御舟のそれに比べると、我々が一般的にイメージしている紫陽花にとても近い表現となっています。色の変化が楽しめる紫陽花特有の魅力も一枚の絵の中に表されています。

さらに、調べてみると与謝蕪村も紫陽花を描いていることが分かりました。


与謝蕪村「紫陽花郭公図」(部分)
愛知県美術館

いい感じの抜け感です。しかも淡い花の色を輪郭を無視して置きにいっています。岡崎京子さんもびっくりのスクリーントーンのズラシが江戸時代に行われていたのです(笑)

蕪村の場合、葉っぱの占める割合が高くなっているのも特徴的です。一見雑に描いているようですが、かなり葉っぱに対し深いこだわりがあるように見て取れます。

一気に現代に戻り、もう一枚の紫陽花は、浜口陽三の版画作品。


浜口陽三「あじさい

これもしかして、御舟の紫陽花を観ていたかもしれませんね。どこかに記録残っていないのかしら。

さて、絵画以外にも目を転じていくと、意外な場所に紫陽花を発見することが出来ます。例えばこちらなど、言われてみないと気が付きませんが、うまいこと意匠化されています。


網干菊紫陽花模様紅型衣裳」琉球王国時代 19世紀
女子美アートミュージアム

2012年にサントリー美術館で開催された「紅型 BINGATA ― 琉球王朝のいろとかたち ―」展で観た、色鮮やかな「紅型」たちの記憶がよみがえります。

どの部分に紫陽花柄が用いられているか、見えにくい方は、検索かけてみて下さい。大きな画像がヒットします。


鍋島色絵紫陽花文皿」文化庁

こちらに描かれた紫陽花も赤系の花ですね。葉っぱの色が2色あるのは、表裏でしょう。これは御舟の作品でも同じように描かれています。

サクッと調べただけですので、まだまだ他にも紫陽花を描いた作品や図案化されたもの数多くあるはずです。でもこうして一つのことに興味関心を持って調べるだけでも愉しいものですよね。

時として思わぬ作品との出会いにもつながります。

一つの作品を観て「奇麗だ〜」「良かった〜」だけで終りにしてしまうのは、ちょっと勿体ない気がします。何かと関連付けることにより、その感動がより深く記憶に刻まれるはずです。


和菓子になった紫陽花

山種美術館Cafe椿 展覧会オリジナル和菓子。これまで作ってきた特製和菓子が、こちらに全て画像と共に残されています。目の保養にもなります。

「花と鳥の万華鏡」展は、まだ始まったばかり(4月12日まで)です。是非是非!


「花と鳥の万華鏡 ―春草・御舟の花、栖鳳・松篁の鳥―」

会期:2015年2月11日(水・祝)〜4月12日(日)
会場:山種美術館
主催:山種美術館、日本経済新聞社
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日
http://www.yamatane-museum.jp/

鳥を楽しむ

講師:小宮 輝之 氏〔上野動物園 元園長〕
2015年2月22日(日)14:00〜15:30
会場:國學院大學 学術メディアセンター(AMC) 常磐松ホール


詳細及び申込みはこちらから。



落語入門供淑元討語る"江戸庶民の生活"

講師:古今亭 文菊 氏〔落語家〕
聞き手:藤澤 紫 氏〔國學院大學 教授(特別専任)〕
2015年2月28日(土)14:00〜15:30
会場:國學院大學 学術メディアセンター(AMC) 常磐松ホール


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