青い日記帳 

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「アジアのキュビスム展」

東京国立近代美術館で、2日まで開催していた
「アジアのキュビスム展」ー境界なき対話ーに行って来ました。



「ゴッホ展」のようなメジャーな作家の展覧会とは
ある意味対照的な存在の今回の展覧会。
こういったどう考えてもお客さんが集まりそうにないですが
観ておく意義のある大事な企画展を開いてくれる
そんな近美が好きです。ハート(告白か!)

好きになった大きな要因・きっかけは・・・
「ブラジル:ボディ・ノスタルジア」展や
「痕跡−戦後美術における身体と思考」展を
開催してくれたことです。これで恋に落ちました。ラブ
(やっぱり告白か!!)

渋い展覧会の合間に「藤田嗣治展」のような
大規模なメジャー回顧展も開催してしまうという
大変「メリハリ」の効いたスケジュールがたまりません。
(「藤田嗣治展」は2006年3月28日〜5月21日開催予定)

男心を手玉に取るような企画展スケジュール。
甘えに甘えた超メジャー展覧会で気分高揚させた後は
しっかりクールダウンさせてくれる展覧会もしっかり準備。
でもそれも寄せ集めのいい加減な展覧会でなく
企画としては一本きちんと筋が通っている立派なもの。

端境期にこそ注目させるキュレーターさんの力でしょうか。

さてさて、展覧会。
金曜日に4つの展覧会はしごして観てきたせいもあり
また出展リストが無かったこともあり。。。かなり記憶は曖昧です。

サイトを見ると、アジア11ヵ国(中国、インド、インドネシア、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、スリランカ、フィリピン、タイ、ベトナム)から約120点が出展展示されていました。

因みに私、何処の国へも行ったことありません。日本以外。
専らこちらは、かみさんの得意分野。
行ってみたい願望は強くあります。でもまずその前に
「終わらせるべきこと」がありますので。。。そうvermeer.

アジアの地図は参考としてパネルに記されていました。
でも、絵画は国別ではなく「テーマ別」に分けて展示してありました。
これは正直、正解だったと思います。

キュビズム」を、「1.テーブルの上の実験」、「2.キュビスムと近代性」、「3.身体」、「4.キュビスムと国土(ネイション)」の4つのテーマに分類し展示する。これも企画力の勝ちです。

絵画の中でも分かったようで、いつまでたってもしっかり分からないのが「キュビズム」などの分野です。しかし、こうして100点以上もの作品をテーマに沿ってまとめて展示してくれると、かなり理解の手助けになります。

作家名や出身国が分からなくても成立する展覧会もあるのだと感じました。

とかく普段からそれらに囚われ過ぎて自由に絵画を観ていなかったのではないかという内省まで。少々恥ずかしくなります今までの観方が。

強いて言うならば「アジア」という国の「キュビズム」という作家による展覧会とでも言えるでしょう。とすると端境期の穴埋め的展覧会なんて考えはやっぱりおかしいこと。ゴッホにも草間彌生にも、そして前回の小林古径にも勝るとも劣らないしっかりした内容の回顧展的な展覧会でした。





主催者に先日ダ・ヴィンチ展のシンポジウムでお世話になった
「国際交流基金」の名前が入っていてビックリ。
でもよく考えるとこういった仕事の方が本筋ですよね。

最後に、会場入ってすぐ右手奥に小さな展示スペースがあったの気が付かれました??ここにピカソとブラックが一枚ずつ展示してありました。共に国内の美術館からの貸し出し品でした。三分の一の方はもしかして見逃しているのではと・・・(私もかみさんに言われなかったスルーしていました)

そうそう、この展覧会で発見しました。
キュビズム絵画ってかなり離れて観るとかなり違って観えますね。
近寄ったり遠のいたり。前後移動しながら「観察」してきました。
キュビスム―――直訳すると立方体主義、でしょうか。一説によれば、1908年、ピカソのアトリエでブラックの風景画を眼にしたマティスが、幾何学的な線と面によって表現された画中の家を「小さなキューブ(立方体)」と評したのが、この名称の起こりとされています。

「存在のリアリティは、多数の視点から対象を分析し(解体)、それを一枚の画布上で概念的に再構成(総合)していくことによってこそ、十全に表現される」という認識に支えられた、キュビスムの新たな「まなざし」の発明は、同時期にアインシュタインによって提唱された相対性理論にも比されるべき、20世紀美術最大の革新とみなされています。

では、いわば西欧モダニスムの本流といえるこの「キュビスム」と、「アジア」とが出会った時、そこには何が生まれたのでしょうか。「アジアのキュビスム」、一見対極にあるようにも見えるこの二つの言葉が組み合わさると、実に不可思議な響きを帯びてきます。本展は「アジア」と「キュビスム」、両者の出会いが生み出した芸術的所産を包括的に紹介する、初めての展覧会となります。

ピカソとブラックが1910年前後のわずかな期間に生み出したキュビスムはきわめて観念的な造形実験であり、当時彼らの作品を直接見ることができたのは限られた人だけであったにもかかわらず、様式においても、芸術観においても、その後の美術の展開に地域を越えた広範な影響を及ぼしてきました。アジア諸国も例外ではありません。今回の出品作が1910年代から1980年代にまで渡ることからもわかるように、キュビスム受容の時期や内実は、当然ながらそれぞれの地域によって異なります。しかし「キュビスム=視覚の革命」というフィルターを通すことではじめてあらわになる多様性と普遍性は、個々の国家的枠組みを越えた「アジアの近代美術」の在り方を明らかにし、そしてまた「西対東」という単純な二項対立を超えたところに見出される、新たな「アジア」の輪郭を描き出すことになるでしょう。

本展は東京国立近代美術館、国際交流基金、韓国国立現代美術館、シンガポール美術館の四者による、国際的な共同企画として実施されます。
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この記事に対するコメント

最終日に行ってきました。
地味な展覧会で、最終日にもかかわらず、さほどの入りではありませんでしたが、その分、ゆっくり楽しむことができました。
学芸員の企画力が問われる展覧会でしたね。
こうしたテーマ性のある展覧会、新しい切り口で見せてくれる展覧会は大歓迎です。

じゅんは、11カ国のうち、スリランカを除く10カ国に行ったことがあります。Takさんが1つも行ったことがないのは意外です。
じゅん | 2005/10/04 10:49 PM
面白そうな企画ですね。
読んでいるとちゃんと企画されているのがわかる気がします。
ぜんぜん違うとはいえ、先日ケルンで見たキリストの肖像展なども地味ながらもキチンとしていて、こういうのは気持ちよい。”告白”してしまう気持ちがわかります(笑)
seedsbook | 2005/10/05 4:56 PM
@じゅんさん
こんばんは。

私は金曜日の夜に行ってきました。
思っていた以上にお客さんがいらして
ちょっと驚きました。
企画力を発揮すればお客さんは来ません。
メジャーであれば千客万来。
何も美術の世界だけに限ったことではないですが
考えさせられるものあります、少し。

じゅんさん海外行き過ぎ!!
私は偏り多過ぎです。。。

@seedsbookさん
こんばんは。

告白したくなる気持ち分かってもらって嬉しいです!
ケルンは乗り換えで時間があったので
外へ出て大聖堂を見てきました。
逆光で後光がさしているように見えました。
それだけでも印象的でした、とても。
Tak管理人 | 2005/10/05 9:33 PM
こんばんは。
コメントとTBをありがとうございます。

キュビズムをアジアという括りで見ると、
こんなに新鮮になるのかと感心させらることばかりでした。
たとえそれが「キュビズムのようなもの」であったとしても、
そこにオリジナリティーがあるようで、
さらに面白く見ることが出来ます。

>普段からそれらに囚われ過ぎて自由に絵画を観ていなかったのではないかという内省まで。

そうですよね。
自由に絵画を見ることの大切さ。
この点は、
美術を見始めた頃の自分を思い出さなくてはいけません。
同感です。
はろるど | 2005/10/05 10:32 PM
お邪魔します。TBありがとうございました。
国別展示にしなかったのは本当に慧眼でしたね。特に第1セクションの展示は、アジアへの伝播を解説することにより逆に西欧のキュビスムがそもそも何であるかということが浮かび上がってきていて、非常に好印象でした◎
出展リストがないのは残念でしたが、私も近美(のキュレーター氏?)に「告白」してしまいたくなりました。これからも意欲的な展示に期待します。
Sonnenfleck | 2005/10/05 10:58 PM
キュビスムって良くわからないのにTBさせていただきました。
すみません、こんな情けない内容で。
次回はもっと勉強してから行きます…(笑)
むさじん | 2005/10/05 11:34 PM
この展覧会興味があったんですが行けませんでした。残念。
美術手帖の10月号に記事が出ているのでそれで我慢します。
lignponto | 2005/10/05 11:37 PM
@はろるどさん
こんにちは。

切り口って企画展においていかに大切か
この展覧会で実感として得ることができました。
「アジア」「キュビズム」vs「ヨーロッパ」「印象派」
単純比較できませんが、後者であれば
なにもしなくてもお客さんは入ってくれそうです。

それに対して、前者を扱った今回の展覧会は
ある種冒険のようなものを感じます。
それを成功に導いたのはやはり「腕」であると思います。

近々また展覧会ご一緒しましょう!

@Sonnenfleckさん
こんにちは。

出展リストないことを初めはがっかりしながら
鑑賞していたのですが、次第にそれがプラスへ
転じているのではと思うようになりました。
と言うのも、リストから得る文字情報もない方が
絵だけに集中できる気がしたからです。
タイトルや国名から受けるイメージを極力排除して
絵のみに向かう。大切な姿勢を教わった気がします。

@むさじんさん
こんにちは。

こういったTB嬉しいです!!
私もキュビズム他人に説明なんてできません。
カクカクしている絵?!
こちらからもTBさせていただきますね。
ありがとうございました(^^♪

@lignpontoさん
こんにちは。

私も危うく行きそびれるところでした。
金曜夜が行ける最後のチャンスだったので
無理して行ってきました。芸術手帖の記事よくまとまっていますね。
Tak管理人 | 2005/10/06 7:53 AM
遅ればせながらコメントを。
この企画展、おっしゃるとおり、学芸員さん、関係者に地道な活動がもっと評価されていいと思います。
もっと美術ファンが足をはこんでほしかったな、と感じました。
自由なランナー | 2005/10/10 8:56 AM
@自由なランナーさん
こんにちは。

こういう企画展は「もうからない」ですからね。
でも単発的にでも開催してくれると有り難いです。
初めて観るもの、知るものには新鮮な感動があって
いいものだなーーと思いました。
Tak管理人 | 2005/10/10 11:44 AM
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東京国立近代美術館(千代田区北の丸公園) 「アジアのキュビズム -境界なき対話- 」 8/9〜10/2 アジアにおけるキュビズムの受容と展開を概観する展覧会です。アジア11ヶ国から集まった約120点の作品が、キュビズムというキーワードの元に展示されています。 まるで
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