弐代目・青い日記帳 

  
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「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」
サントリー美術館で開催中の
「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展に行って来ました。


http://suntory.jp/SMA/

15年ほど前に、曜変天目にいたく関心を持ち、文献を読んだり実際に実物を観たり、また再現に挑んでいる陶芸家の方たちと交流をはかっていた時期がありました。

今回の展覧会に出ている藤田美術館所蔵の曜変天目の他に、静嘉堂文庫美術館、大徳寺の塔頭、龍光院に伝わる3点のみしか現存していない(本場の中国や欧米にも絶無です)レア中のレアなまさにお宝です。

曜変天目は中国の南宋時代(12〜13世紀)に建窯(福建省)で作られた茶碗を茶碗を建盞(けんさん)の一種です。

建盞の多く無地の黒茶碗で、これを烏盞(うさん)と言います。ところが中には窯の中の偶然の変化、つまり窯変(ようへん)で釉面に 種々の美しい自然の文様が現れることがあり、茶人はこれを曜変(ようへん)・油滴(ゆてき)・禾目(のぎめ)などと呼んで特に賞美し珍重しました。


「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展での「国宝 曜変天目」展示風景

「曜変天目」の「天目」という言葉の語源はいくつかの説がありますが、鎌倉時代に中国に渡った禅僧たちが天目山から持ち帰ったことから天目の語源とされています。この地方は古来茶の名産地として知られたところで、抹茶の流行した宋代には、抹茶用の茶碗として新たに生まれた建窯で作られたものが従来の青磁に代わって使われるようになり、天目山の禅僧達の間でも盛んに使われていたようです。

この天目山には有名な禅宗の寺々があり、鎌倉時代には日本か らこの地に留学する僧も少なくありませんでした。この留学僧達が帰国の際に建窯の茶碗を持ち帰り、やがてこれを天目山にちなんで日本では天目と呼ぶようになったと言われています。つまり、天目とか天目茶碗という名称は日本でつけたものなのです。現在では、広く欧米でも使われています。

そんな知識なくても、「曜変天目」の前で動けなくなること必至です。

だって、この世のものとは思えないのですから。静嘉堂文庫美術館の「曜変天目」(淀城主稲葉家に元々あった為、別名「稲葉天目」とも言われています。)の虹彩は同じ青色を基本にしていますが、出方がまるで違います。まさに窯変です。

静嘉堂のものと比べると一見地味ですが、虹彩の奥床しさや、一部に入った筋目、虹彩のない斑文の輪郭部だけの浮かび上がりなど「稲葉天目」にはない別の魅力を持っています。「貴婦人のような優美」さがあらわれている天目茶碗という表現もまさに言い得て妙かと。

また、現存する3つの国宝 曜変天目の中で、瑠璃色の斑紋が茶碗の内だけでなく外側にも出ているのは、藤田美術館のものだけです。キラキラした内側だけでなく、外側も必ずチェックして下さい!



展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 傳三郎と廃仏毀釈
第2章 国風文化へのまなざし
第3章 傳三郎と数寄文化
第4章 茶道具収集への情熱


さて、どうしても天下の名品「国宝 曜変天目」押しになってしまいますが、藤田美術館のお宝はこの他にもまだまだ山のようにあります。

今回の展覧会は久々に(記憶にある中では都内では初めて?)藤田美術館以外で開催されるもので、国宝9件、重要文化財30件を含む絵画、彫刻、工芸品など約130件が展示されます。

明治の実業家・藤田傳三郎氏と長男平太郎・次男徳次郎両氏の2代3人による収蔵品は、観る者を驚嘆させます。何度か藤田美術館まで観に行ったことはありますが、これだけ多くの作品が観られる機会は展示スペースの関係上絶対にあり得ません。そしていつもながらサントリー美術館の照明、展示ケースの美しいこと!作品をより際立たせてくれます。


快慶「重要文化財 地蔵菩薩立像
鎌倉時代 13世紀

快慶仏の周りには「国宝 大般若経」や「重要文化財 紫紙金字華厳経」などといった仏教美術の優品が贅沢に脇を固めるように展示されています。

藤原宗弘「国宝 両部大経感得図」1136年 は前期展示だけですのでお見逃しなきように。平安時代に描かれた事がはっきりと分かる貴重なやまと絵です。この第一章の作品だけでも十分に観に行く価値あります。

それ以外の章も同じようにお宝ざくざく状態です。メモ書きがとても間に合わないほどでした。


円山応挙「蔦鴨図」明和3年(1766)
竹内栖鳳「大獅子図」明治35年(1902)頃 

これらの作品も藤田美術館所蔵です。

よく展覧会を拝見しながら、もし1点だけ頂けるとしたどれが欲しいかな〜なんて考えながら観ているのですが、今回に関してはそれは無理でした。1点だけに絞れませんとてもとても。

藤田美術館へ行ってもこれだけのもの揃って観られることありません。この千載一遇のチャンスをお見逃しなく!

「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展は9月27日までです。是非!!


「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展

会期:2015年8月5日(水)〜9月27日(日)
開館時間:10時〜18時
※金・土、および9月20日(日)〜22日(火・休)は20時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(9月22日は開館)
会場:サントリー美術館
http://suntory.jp/SMA/

主催:サントリー美術館、朝日新聞社
特別協力:公益財団法人藤田美術館、藤田観光株式会社
協賛:大伸社、三井不動産、サントリーホールディングス
協力:日本ヒューレット・パッカード




建窯瓷―鑑賞と鑑定 (中国名窯名瓷シリーズ)

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注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影されたものです。

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明治の実業家・藤田傳三郎氏(ふじたでんざぶろう・1841〜1912)は、明治維新後、廃仏毀釈によって仏教美術品が失われる危機を憂慮し、仏像や仏画などの文化財保護に尽力しました。また、茶の湯を趣味とする数寄者(すきしゃ)であった氏は、茶道具に対しても卓抜な鑑識眼をもち、「交趾大亀香合(こうちおおがめこうごう)」をはじめ、稀代の逸品を収集しました。
藤田美術館は、傳三郎氏と、長男平太郎・次男徳次郎両氏の2代3人による収蔵品を公開するために、昭和29年(1954)大阪市に開館しました。仏教美術と茶道具に限らず、絵画、墨蹟、漆工、金工、染織など多岐にわたる収蔵品は、文化国家として美術品を広く公開することを目指し、系統立てて収集を行なった傳三郎氏の高い志がうかがえます。量のみならず質的にも充実した2,111件の収蔵品は、天下の名碗「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」など9件が国宝に、52件が重要文化財に指定されています。
藤田美術館では、春と秋の年2回企画展が開催され、鑑賞者の眼を喜ばせていますが、永らく館外での公開が待ち望まれてきました。今回の展覧会は、国内有数の東洋・日本美術コレクションを誇る藤田美術館の至宝を初めて東京で一堂に公開する待望の企画展です。

| 展覧会 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(1) |









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サントリー美術館で開催中の藤田美術館の至宝「国宝 曜変天目茶碗と日本の美」
画像中:国宝 曜変天目茶碗:藤田美術館画像右:国宝 曜変天目茶碗(稲葉天目)静嘉堂文庫 内覧会の日でしたので空いてはいましたが、スライドレクチャー3回はいずれも満員とのことでした。 そもそも3時の回の公演を聞くのに何で11時に整理券を配布するので
| わん太夫の迷路 | 2015/08/15 11:00 AM |
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