弐代目・青い日記帳 

  
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「ボルドー展」
国立西洋美術館で開催中の
「ボルドー展 ―美と陶酔の都へ―」に行って来ました。


公式サイト:http://www.tbs.co.jp/bordeaux2015/

タイトルを目にして一体どんな作品が出ているのかピンとこない展覧会なので、ちょっと二の足を踏んでいる方もいるかもしれませんが、観に行かれた方が良い充実の内容です。

実際に自分も観に行く前は少々不安でしたが、行って吃驚、観て吃驚。公式サイトやチラシだけでは、展覧会の魅力が伝わらないのだな〜とあらためて知らされました。

はろるどさんのブログにとても丁寧に紹介されています。


ピエール・ナルシス・ゲラン「フェードルとイポリット」1815年
ボルドー美術館

個人的にお勧めなのが、「3章:18世紀、月の港ボルドー」及び「4章:フランス革命からロマン主義へ」で展示されているボルドー美術館の名画たちです。

Musée des Beaux ボルドー美術館

1801年に設立されたボルドー美術館にはドラクロア、ゴヤ、ルドン、ロートレックといった日本でもお馴染みの画家から、ボナ、ザッキンやデュバらほとんど目にすることのない画家まで実に多彩なコレクションを有しています。Musée des Beauxコレクションサーチしてみるだけで一日時間つぶせます。

小さな油彩画ですが、ロートレックの「くびきに繋がれた牛(マルロメの思い出)」はとても良い作品でした。自由の効かない牛の姿がロートレック自身を投影しているかのようです。(マルロメとはボルドー近郊に母親が所有していたシャトー・マルロメのこと。「シャトー・マルロメ」という名のワインもありますね)

中でも、日本の展覧会でほとんどお目にかかる機会のないフランス、ロマン主義の作品が充実しており、「ボルドー展」でもひと際目を惹く存在です。

画家の名前を知らないことが功を奏し、作品と素直に対峙できるのです。


ゴーロン印刷所「ワインのエチケット「メドック、サン・ジュリアン」
1866年
ジェローム・ヴェッテルヴァルド・コレクション(アキテーヌ博物館へ寄託)

ボルドーという街の芸術を紹介する展覧会ですので、勿論、ワインは欠かすことのできないこの地が作り出した世界一のアート作品です。

ヴェッテルヴァルド印刷所の「アール・デコのワインエチケット」やボルドー五大シャトーの「シャトー・オー=ブリオン」「シャトー・ラフィット」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ムートン=ロートシルト」「シャトー・ラトゥール」の20世紀初期のエチケットも展示されています。

どんな安いワインでも美味しく感じてしまう自分です。この五大シャトーのワインエチケットがもしあれば、それを横目で見ながら毎日美味しいワインが呑めるはずです。とは、言うものの相当高価で手が出せるレベルではなのでしょうね、エチケット一枚でも。

(五大シャトーのエチケットポストカードやグッズがショップにあったらな〜)


ウジェーヌ・ドラクロワ「ライオン狩り」1854−55年
ボルドー美術館

日本のお寺が火災に遭い、仏像を命からがら焔の中から何とか救いだした。なんて話しよく耳にしますが、西洋絵画でもそうした例があるようです。

このドラクロアの大作(175×360cm)がそれ。1870年の美術館の火災により作品上部約四分の一を損失してしまいました。ライオンの目線の先には本来であれば、白馬にまたがる勇壮な若者が描かれていたはずです。

この失われた大作を何とあのルドンが火災に遭う前に模写していたのです!その作品はオルセー美術館所蔵のものですが、現在ではボルドー美術館へ寄託となっています。オルセーGJ!!


オディロン・ルドン「ライオン狩り」(ドラクロワ作品に基づく模写)
1860−70年
オルセー美術館(ボルドー美術館へ寄託)

サイズダウンはしていますが、それでも失われた部分を知るにはあまりある秀作です。ドラクロアとルドンの関係もこうなると知りたくなりますよね。

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ―起源
1. 古代のボルドー
2. 中世から近世のボルドー
3. 18世紀、月の港ボルドー
4. フランス革命からロマン主義へ
5. ボルドーの肖像―都市、芸術家、ワイン
エピローグ今日のボルドー


めちゃめちゃ面白そうな展覧会でしょ!

しかもこれだけではないんです。エピローグと「1章:古代のボルドー」は考古学、歴史ファン感動のセクションです。会場の雰囲気も絵画を展示してある部屋と印象をがらりと変えてあります。


角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)」25,000年前頃
石灰岩 アキテーヌ博物館

旧石器時代から新石器時代までの人類の遺物(しかも世界的にも有名な)を国立西洋美術館の会場で観るという、これまたレアな体験が出来るのもボルドー展の大きな魅力のひとつかと。

それにしてもよく表現されていますよね。ヴィーナスのくねっとした身体付きや指一本一本まで。画像で観るよりも何倍も感動するものです。(もしかしてドラクロアの絵よりもこちらの方を長く観ていたかも…)

そんな、こんなで観に行って絶対損はないどころか、見逃すと後々悔やむこと必至の展覧会です。ワインだけではないボルドーという街の魅力を歴史的遺物や名作絵画を通して知る。これまでになかったアプローチの展覧会かもしれません。

「ボルドー展」は9月23日までです。是非!


「ボルドー展 ―美と陶酔の都へ―」

会期:2015年6月23日(火)〜9月23日(水・祝)
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分〜午後8時
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、7月20日、8月10日、9月21日は開館)、7月21日
会場:国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/
主催:国立西洋美術館、TBS、読売新聞社、ボルドー市
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、BS-TBS、TBSラジオ
協賛:大日本印刷、三井住友銀行協力:あいおいニッセイ同和損害保険、エールフランス航空、日本通運、西洋美術振興財団学術協力:ボルドー美術館、ボルドー装飾芸術・デザイン美術館、アキテーヌ博物館、CAPCボルドー現代美術館、ボルドー市立図書館、ボルドー市立公文書館、ワイン文明博物館

公式サイト:http://www.tbs.co.jp/bordeaux2015/

【国立西洋美術館 次回展】

黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝
会期:2015年10月16日(金)〜2016年1月11日(月・祝)
公式サイト:http://www.tokyo-np.co.jp/gold/


知識ゼロからのワイン入門
弘兼 憲史 (著)

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古代ローマ以来の伝統を誇るワインの生産と海洋貿易がもたらした富を背景に、洗練された独自の都市文化を育んできたフランス南西の港町ボルドー。大西洋のほど近く、ガロンヌ河の流れに沿って三日月のかたちに発展したことから「月の港」とも呼ばれたこの町は、18世紀に繁栄を極め、パリに100年先立って都市整備が進められ、壮麗な古典主義・新古典主義の建築が立ちならぶ景観美をつくり上げました。ボルドー市の全面的な協力を得て実現した本展は、先史時代から現代まで、ボルドーの悠久の歴史と美術を展観するものです。ドラクロワやルドン、ゴヤをはじめ、町にゆかりのある数々の画家や作品を紹介するとともに、名高い《角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)》をはじめとする貴重な考古・歴史資料から、在りし日の市民生活を物語る数々の装飾芸術品まで幅広い展示をおこないます。200点を超える多様な作品・資料を通じて、ボルドーをボルドーたらしめているワインとのつながりを道標べに、芳醇なる都市の歴史を旅します。
| 展覧会 | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) |









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