弐代目・青い日記帳 

  
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特別展「蔵王権現と修験の秘宝」
三井記念美術館で開催中の
特別展「蔵王権現と修験の秘宝」に行って来ました。


http://www.mitsui-museum.jp/

これまでも宗教美術をテーマにした、しかもかなり凝った内容の特別展を3度開催して来た三井記念美術館。

今年で開館10周年を迎えたメモリアルイヤーに相応しい特別展は、日本独自の信仰の形を創り上げてきた山岳信仰を紹介する展覧会です。

2009年
特別展 知られざるタオの世界
「道教の美術 TAOISM ART」−道教の神々と星の信仰−

2010年
特別展「奈良の古寺と仏像 〜會津八一のうたにのせて〜」

2012年
特別展「琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展」


日本橋で行われた「山伏行列」

法螺貝を吹き、錫杖(しゃくじょう)を手にし、山中での厳しい修行を重ねる山伏たちのイメージに代表される修験道の世界。

武蔵坊弁慶を先頭に関所を通り抜けようとした義経一行を物語化したお能や歌舞伎で誰しもが知る「勧進帳」。山伏姿の弁慶が富樫から疑いをかけられた義経を錫杖で打擲する場面は最大の見どころのひとつでもあります。

展覧会に山伏は登場しませんが、修験道の“総本山”である奈良吉野山地の大峯山(金峯山寺)と断崖絶壁に建つ、国宝「投入堂」で有名な鳥取県三徳山三佛寺に伝わる、仏像、曼荼羅図、経筒、鏡像、懸仏などが大集結しています。


三佛寺の蔵王権現像と諸仏【展示室7】展示風景

修験道の世界を紹介する展覧会は、関西では比較的多いそうですが、関東(東京)ではほとんど行われたことがありません。

鳥取県三徳山三佛寺の仏さまたちが東京にやって来られるのは今回が初めてのことです。

それにしても、鳥取県に突出して修験道の本尊である蔵王権現に関する文化が遺っているのは何故なのか気になるところではあります。


金峯山山頂出土遺物【展示室1】展示風景

日本古来の山岳信仰に神道、仏教、道教、陰陽道などが融合した(混淆宗教)日本独自の宗教である「修験道」の世界をまとめて観られる非常に貴重な機会です。

蔵王権現も他の仏像に混じって展示されていると、「随分と動きのあるポーズ取っている仏さんだな〜」程度にしか感じないものですが、修験道の本尊である蔵王権現をメインに、しかも何体も展示されているのを目にすると全く違った見え方が出来ます。


蔵王権現像」江戸時代
金峯山寺

仏が人々を救うべく神の姿になり現れたのが「蔵王権現」(本地垂迹による称号)です。仏像や図像とする場合はきまった姿で表現されました。

蔵王権現の姿を覚えておくと、この展覧会とても楽しめます。

右手…高く振り上げて三鈷杵(さんこしょ)を握る。
左手…剣印(けんいん)を結ぶ。(ピースサインに似ています)
右足…高く蹴り上げる。
左足…岩座上に力強く踏ん張る。
三眼…二つの目の他に額にもうひとつ目がある。



重要文化財「蔵王権現像」平安時代後期〜鎌倉時代
大峯山寺

作られた時代によって、表現が大きく変わってきます。平安時代の「蔵王権現」は今の感覚で観ると、とても緩い感じの造形であり、可愛らしささえ感じられます。

鎌倉期、慶派の手による「蔵王権現」は急に畏敬の念を抱かざるを得ない仏像へ進化。それがベースとなり江戸時代まで継承されます。


(右)重要文化財「蔵王権現像」平安時代
三佛寺

また、平安期の蔵王権現像は↑右に見られるように、ポーズが左右逆であったり(この蔵王権現だけだそうですが)、足をあげていなかったり、とまだまだ定型に収まっていないものがあり観ていて飽きません。

展示構成は以下の通りです。

金峯山(きんぷせん)山頂出土遺物【展示室1】
国宝の経筒と経箱【展示室2】
六田知弘 写真展「大峯奥駆」【展示室3】
吉野山・金峯山寺(きんぷせんじ)とその周辺【展示室4】
修験道の鏡像【展示室5】
三佛寺(さんぶつじ)の国宝 投入堂(なげいれどう)【展示室6】
三佛寺(さんぶつじ)の蔵王権現(ざおうごんげん)像と諸仏【展示室7】




途中、蔵王権現像がジョン・トラボルタのように見えてしまう幻覚に苛まれながらも、存分に修験道の世界を堪能して来ました。

特別展「蔵王権現と修験の秘宝」は、11月3日までです。
「天空の神と仏の世界」が眺望できる展覧会へ是非!!


特別展「蔵王権現と修験の秘宝」

開催期間:2015年8月29日(土)〜11月3日(火・祝)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、10月13日
開催時間:10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
会場:三井記念美術館
http://www.mitsui-museum.jp/
主催:三井記念美術館、朝日新聞社
協力:金峯山寺、三佛寺

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。


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法螺貝を吹き、錫杖を突く「山伏」の姿にイメージされる修験道は、山中での厳しい修行によって悟りを得ることを基本とし、日本古来の山岳信仰に神道、仏教、道教、陰陽道などが習合した日本独自の宗教です。主尊蔵王権現像は、髪を逆立て、三眼、左右の牙を出す怒の相で、右足を高く蹴り上げて左足で立つ、青黒色の猛々しい姿をしています。
この特別展は、修験道の根本聖地である金峯山寺ほかの、奈良県吉野金峯山修験に関わる仏像、曼荼羅図と、経筒、経箱、鏡像、懸仏など経塚遺品、そして早くから地方の山岳宗教の地で修験道の拠点となり、崖上に建てられた平安時代の「投入堂」で知られる鳥取県三徳山三佛寺の多数の蔵王権現像を一堂に展示する、まさに「天空の神と仏の世界」が眺望できる展覧会です。
| 展覧会 | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0) |









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