弐代目・青い日記帳 

  
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「琳派と秋の彩り」
山種美術館で開催中の
特別展「琳派400年記念 琳派と秋の彩り」に行って来ました。


http://www.yamatane-museum.jp/

夏に別れの挨拶をちゃんと告げられぬ間に、秋がやって来ました。ひと月前まで「暑い〜」と汗を拭き拭きしていたのがまるで嘘のようです。

秋雨前線のいたずらで、はっきりしないお天気が続いていますが、山種美術館では琳派400年イヤーに相応しい充実した内容の展覧会が開かれています。


俵屋宗達(絵)、本阿弥光悦(書)「鹿下絵新古今集和歌断簡」17世紀江戸時代
山種美術館蔵

詠まれている歌の意味や情景は分からなくても、描かれた鹿を見て「あぁ、秋だな〜」としみじみとした思いが湧いてくるのが日本人の証です。

この作品は元々は宗達のリズミカルな下絵に、『新古今和歌集』から和歌28首を選び光悦がしたためた20メートル以上の長い巻物でした。五島美術館MOA美術館にも断簡が伝わっています。

2009年にサントリー美術館で開催された「美しきアジアの玉手箱―シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展」では、「鹿下絵和歌巻」の下巻が展示されいたく興奮したこと今でも覚えています。

山種美術館が所蔵しているこの作品は、巻物だった頃の一番最初を飾っていた場面です。何事も初めが肝心とばかりに、西行法師の有名な秋の歌が選ばれしたためられています。

こころなき 身にも哀はしられけり 鴫たつ沢の秋の夕暮れ
                           西行法師

鹿下絵新古今集和歌断簡」(部分)

作品自体が素晴らしいのはあらためて言うまでもありませんが、是非注目して頂きたいのは表装です。とりわけ作品を取り囲む「中回し」部分をしっかり目を凝らして見て下さい。

驚くほど手の込んだ仕事が為されているのが一目で分かります。如何にこの絵を大事に思っていたかが伝わって来ます。表具・表装だけで今のお金で車一台買えてしまうくらいのお値段がしたかもしれません。

それにしてもこの他にも宗達の作品がずらりと並ぶ展示は圧巻です。ここ数年どうも宗達病に罹患してしまったようで、中々熱が下がりません。宗達作品と出来るだけ多く対峙してみたく気持ちがかなり前のめりになっています。


俵屋宗達「犬図」17世紀江戸時代
小林古径「」昭和24年頃
佐山富榮氏所蔵

「第2章:琳派に学ぶ」のこの展示には正直やられました。数百年の歳月を隔て受け継がれる琳派の技と心がここに凝縮されています。

俵屋宗達「犬図」の展示が9月27日までですので、その期間中に是非。「犬図」山種を後にし、箱根の山を越え、京博の琳派展へ向かうそうです。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章:琳派の四季
第2章:琳派に学ぶ
第3章:秋の彩り



酒井抱一「寿老・春秋七草図」19世紀 江戸時代

琳派を代表する絵師の中で、美しい作品を描かせたらこの人の右に出る者はいません。生まれ育ちの良さが気品となって絵に備わっています。

また抱一の作品はそれだけでなく、惜しみなく高価な顔料(絵具)を使っていたことも、平成の世であっても未だ衰えるどころか、ひと際光彩を放っています。

向かって左の秋の七草図の拡大図。朝顔の雄しべに金を使っているのが分かります。

弟子の其一の作品はまた違った良さを備えています。


鈴木其一「牡丹図」1851年
山種美術館蔵

妖艶な美しさのボタンの大輪。どの花もお互い顔を合わせることなくてんでばらばらの方向に咲き誇っている姿は、まとまりが無さそうに見え、その実全体を通して見るとスッと一本筋の通ったとても均整の取れたまとまりのある画面となっています。

牡丹は日本画というよりも中国絵画を意識したものと思われますが、それだけに終わらないのが其一です。画面左下を見ると蒲公英の花がひっそりと描き込まれているのです。


牡丹図」(部分)

偉大な中国絵画を代表する牡丹の根元に咲いた、小さな蒲公英こそ日本画の琳派を象徴しているのかもしれません。

そうそう、冒頭で俵屋宗達(絵)、本阿弥光悦(書)「鹿下絵新古今集和歌断簡」を紹介した際に、表具の素晴らしさについて書きましたが、今回展示されている琳派作品の表具でウサギをあしらった意匠のものがあります。

また、ウサギを描いた作品も数点出ています。(俳句の世界ではウサギは冬の季語です。)尚、今橋理子先生の『兎とかたちの日本文化』は必読の書です。

「琳派400年記念 琳派と秋の彩り」は10月25日までです。後半になると混雑が予想されます。なるべくお早めに!いつかいつかと思っているとあっと言う間に冬となってしまいますからね。

山種美術館を含む他の美術館・博物館でこの秋開催される琳派関連の展覧会、こちらの記事にまとめてあります。
いよいよスタート! 「琳派の秋」を楽しむぞ


【特別展】琳派400年記念 琳派と秋の彩り

会期:2015年9月1日(火)〜10月25日(日)
※ 会期中、一部展示替えを行います。
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(但し、9/21、10/12は開館、9/24、10/13は休館)
会場:山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、日本経済新聞社


「【特別展】 琳派400年記念 琳派と秋の彩り」展オリジナル和菓子


かわいい琳派
三戸 信惠 (著)

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注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
2015年は、琳派の祖といわれる本阿弥光悦が京都洛北の鷹峯に"芸術村"をひらいてから400年を迎え、記念の年として注目を集めています。このたび琳派400年を記念して、山種美術館では琳派と琳派に連なる美意識に着目した展覧会を開催します。

俵屋宗達、本阿弥光悦が創出した美の系譜は江戸時代を通じて脈々と受け継がれ、明治以降の日本画家にも多くの影響を与え続けています。豊かな自然に恵まれた日本において、古より人々は四季折々の自然の美しさを愛でる感性を培ってきました。琳派においても季節の表現が重視され、草花などの風物を繊細かつ多彩な技法で描きだしています。

宗達、光悦にはじまり、尾形乾山を経て、酒井抱一、鈴木其一などにいたる琳派特有の画題や季節感を表した作品。近代・現代の日本画において琳派に倣い、研究した成果として琳派的な特徴を表出した作品。そして琳派に通じる季節感、とりわけ琳派の造形にも多く登場する秋の情趣が感じられる作品。これら3つの切り口から本展覧会をお楽しみいただきます。

秋のモティーフである鹿が金銀泥によって装飾されている宗達(絵)・光悦(書)《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》、たらし込みによる柔らかな水墨表現による宗達《犬図(一絲賛)》、木立がリズミカルな 伝 宗達《槙楓図》、抱一の凛と咲く菊が鮮やかな《菊小禽図》、明快な色彩と簡略化された葉が印象的な福田平八郎《彩秋》、たらし込み技法で描かれた仔犬が愛らしい小林古径《狗》など、琳派とその画風に影響を受けた近代・現代の作品をご覧いただきます。加えて、身近な動植物などの小さな生命に向けられた慈愛の眼差しが感じられる竹内栖鳳《秋夕》や奥村土牛《栗鼠》、川合玉堂の描く詩情あふれる《渓雨紅樹》、奥田元宋《奥入瀬(秋)》の燃え立つような紅葉など、バラエティに富んだ秋の情景を存分に味わっていただける展示となっています。季節が変わりゆくこの時期に絵画作品の中に表現された深まりゆく秋をご堪能ください。

| 展覧会 | 22:57 | comments(1) | trackbacks(0) |
せんびゃく堂画廊(瞻百堂画廊)という無名の画廊で企画展を開く予定です。生地にしていただけないでしょうか?
内容は以下のような非営利のイベントです。
2015年企画展 −今、人はどこに向かうのか−
10月9日(金)〜18日(日)12:00-19:00 14日(水)は休み
せんびゃく堂画廊 瞻百堂画廊
東京都台東区上野6-7-18 tel: 03-3831-3516
JR上野駅<広小路口>徒歩3分、昭和通り沿い
〆邁噺津
■河齷展■オリガミックス展(上畠益雄・片桐勝利) 
■安原典子銅版画展■邵立展 
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E豕芸大油画院生展 芸大院生研究生9名
 先進的な絵画、造形、インスタレーション
| 河瀬昇 | 2015/09/12 11:34 AM |










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