青い日記帳 

  
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「箱根で琳派 大公開〜岡田美術館のRIMPAすべて見せます〜」
岡田美術館で開催中の
―琳派400年記念―「箱根で琳派 大公開 〜岡田美術館のRIMPAすべて見せます〜」展に行って来ました。


岡田美術館公式サイト:
http://www.okada-museum.com/

箱根小涌谷に新たな美の殿堂「岡田美術館」がオープンしてから早いもので、もう2年が経とうとしています。(2013年10月4日開館)。

実業家・岡田和生氏が収集した、日本・中国・朝鮮を中心とする古代から現代までの美術品を収蔵する岡田美術館。1階から5階にまたがる展示室面積は実に約5,000平方メートルにも及ぶまさに巨大な美の殿堂です。

岡田美術館開館記念展「日本・東洋 美の遺産展」

古来、日本で受け継がれてきた美術品を大切に守り、美と出会う楽しさを分かち合い、次代に伝え遺したいとの願いから、構想も含め10数年におよぶ準備期間をかけオープンした岡田美術館。新たな箱根の顔に成長しつつあります。


3階展示風景

昨年は、長らく行方不明になっていた喜多川歌麿の超大作「深川の雪」を見つけ出し、66年ぶりに公開しテレビでも取り上げられ大きな話題となりました。

今年(2015年)は、琳派400年記念にあたるという事で、岡田美術館の所蔵する琳派作品をどどーーんと公開しています。あまりにも数が多いので、会期を2部に分けての展覧会となっています。

第一部:2015年9月5日(土)〜2015年12月15日(火)    
第二部:2015年12月19日(土)〜2016年3月31日(木)


尾形光琳「雪松群禽図屏風」江戸時代
岡田美術館所蔵

そもそも、岡田美術館を作ろうと思い立ったきっかけは、今から約15年前まで遡ります。名誉館長の岡田和生氏とこの尾形光琳「雪松群禽図屏風」との出会いこそが、美術館構想の原点なのです。勿論、今回の琳派展でも展示されています。

さて「箱根で琳派 大公開〜岡田美術館のRIMPAすべて見せます〜」第一部では、琳派発祥の地である京都で主に活躍した絵師の作品をメインに展示しています。

中でも非常にレベルの高い俵屋宗達の作品が数多く観られるのが、この展覧会の大きな魅力のひとつでしょう。正しく言うなら数だけでなく、バラエティーに富んだ、非常に状態の良い宗達作品が一度に観られます。


俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書「萩下絵和歌色紙『ゆめ通ふ』」17世紀初頭
岡田美術館蔵

あの萬野美術館旧蔵の色紙。胡粉が引かれた下地の白い部分に、金で地面、銀で萩を描いています。同じく萬野美術館旧蔵で現在相国寺・承天閣美術館所蔵の俵屋宗達「蔦の細道図屏風」の地面の曲線に通じるものを感じさせます。

よく目を凝らして見ると、画面左上の金で描かれた萩の葉から地面にかけて薄らと白い点が確認出来ます。情景は秋ですが、記された和歌「ゆめ通ふ道さへ絶えぬ呉竹のふしみの里の雪の下折」に合わせ雪を舞わせています。

小さな色紙の中に破綻なく収まるダブルイメージ。心の目でながめていれば酸化し黒ずんでしまった銀の部分もキラキラと輝きを取り戻すはずです。

今回展示されている多くの宗達作品の中で、一番欲しいのがこれです。


俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書「謡本」17世紀初頭
岡田美術館蔵

画像では分かりませんが、白い部分には雲母摺文様で、藤、朝顔、ススキなどが描かれています。そこに貼り付けられた題簽(だいせん)と呼ばれる小さな絵と文字。

その美しさ、完成度の高い仕事に宗達の全ての持てるべきテクニックを見出すことが出来ます。驚きで足元がぐらつくのを覚えたほどでした。

因みにこの「謡本」は観世流のもので、「百番本」と呼ばれるものだそうです。このような状態でまとめて残っていることは極めて稀だそうです。よくぞ現代まで伝わってくれたものです。


俵屋宗達「明石図」(源氏物語図屏風断簡)江戸時代前期
岡田美術館所蔵

光悦とのコラボ作品とは別に、宗達単体(及び「伊年」)による作品も多数あります。彩色の美しい「明石図」から墨の垂らし込みで巧みに表現した「烏図」まで、まさに宗達作品の全てのバリエーションを岡田美術館で観られるのです。

忘れていました!俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書「花卉に蝶摺絵新古今集和歌巻」も部分展示ではなく全部惜しみなく公開されています。断簡ではなく。33.3×941.7cmもある「1巻もの」のその迫力たるや。

寺元晴一郎副館長のギャラリートークを拝聴し更に気持ちが前のめりになりました。オープニング展で最も心奪われた作品のひとつでしたが、その魅力は全く色褪せていませんでした。(またすぐにでも観たい!)


重要文化財 尾形乾山「色絵竜田川文透彫反鉢」18世紀
岡田美術館蔵

興奮して宗達宗達と他の琳派のスターたちを紹介すること疎かにしてしまいました…乾山のこちらの反鉢、2008年に東京国立博物館で開催された「対決−巨匠たちの日本美術」展にも出ていたの覚えていますでしょうか。

今年、晴れて重要文化財指定を受けた乾山の中でも名品中の名品です。もう一点「色絵菊文透彫反鉢」もこれまた秋にぴったりの優品です。


岡田美術館の2階と4階を使っての「琳派展」とてもとても全て紹介は出来ません。一体何点の琳派作品が出ているのかカウントするのも諦めてしまうほど、たんまり観られます。(それに加え常設展示もありますからね…)

一日かけて鑑賞するつもりでお出かけ下さい。

岡田美術館裏手には古民家を移築改築したこんな素敵な飲食施設「開化亭」もあります。その日のうちであれば美術館に再入場可能です。

最後にもう一枚だけ宗達紹介させて下さい。


俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書「柳に波下絵和歌色紙『はるのごとに』」17世紀初頭
岡田美術館蔵

近衛家旧蔵の色紙。金泥で波立つ水面を描き、上から金砂子を蒔いてあります。これに描かれた当初は柳の枝葉が白銀だったのですから、さぞかし美しかったことでしょうね。

この作品も心の目が必要ですが、更にべつの「角度」からも楽しめます。それには膝の屈伸が必要となります。軽くしゃがんで下方から見上げるように観て下さい。


俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書「柳に波下絵和歌色紙『はるのごとに』」17世紀初頭
岡田美術館蔵

まさに光のイリュージョン!日本画は下からながめてナンボです。

こんなことをいとも簡単にやってのけてしまうのが宗達という絵師です。恐るべし。琳派の絵師の中で断トツで(他の追随を許さず)文句なしに自分の中で1です。

「箱根で琳派 大公開〜岡田美術館のRIMPAすべて見せます〜」は第一部が、12月15日まで。第二部が2016年3月31日までです。

特別鑑賞会や琳派展、そして岡田美術館については公式サイト及び公式FB、Twitterで要チェックです。
http://www.okada-museum.com/
https://www.facebook.com/okadamuseum
https://twitter.com/okada_museum


琳派400年記念
箱根で琳派 大公開〜岡田美術館のRIMPAすべて見せます〜

会期:
第一部:2015年9月5日(土)〜2015年12月15日(火)    
第二部:2015年12月19日(土)〜2016年3月31日(木)
開館時間:午前9:00〜午後5:00
※入館は午後4:30まで
休館日:12/16(水)・17(木)・18(金)・31(木)、1/1(金)
会場:岡田美術館
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
主催:岡田美術館
http://www.okada-museum.com/


「失恋ショコラティエ」の監修を務めた三浦直樹シェフの新作、尾形光琳「菊図屏風」をモチーフにしたボンボンショコラ。3センチ四方のスクエアの中に開いた光琳の菊の花。5種類の味が楽しめる絶品スイーツです。

注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
美術館スタッフの皆さま特別鑑賞会では大変お世話になりました。あらためて御礼申し上げます。


俵屋宗達―金銀の“かざり”の系譜

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4090

JUGEMテーマ:アート・デザイン


金地に緑青や群青が映えるあでやかな屏風、金・銀の下絵と書が競演する和歌巻、やわらかな水墨の掛軸など、琳派の作品の数々は、古来、私たち日本人が美しい自然とともにはぐくんできた情感や美意識が見事に結晶したものといえます。桃山〜江戸初期の頃、京の本阿弥光悦と俵屋宗達が古典を大胆に翻案し、和歌の色紙・巻物などを作ったことに始まり、時を経て尾形光琳、大坂の中村芳中、江戸の酒井抱一・鈴木其一らに継承され、発展していきました。
今年は、光悦が洛北・鷹ヶ峯の地を徳川家康より拝領したという元和元年(1615)を起点に「琳派400年」が謳われています。本展は、この記念すべき年に岡田美術館の琳派の全貌を2期に分け展示するものです。当館は、10数年前、光琳筆「雪松群禽図屏風」との出会いを機に名誉館長岡田和生によって設立が構想され、蒐集においても琳派に力が注がれてきました。70件に上るその作品群は、「岡田美術館の原点」としてコレクションの中核をなしています。菱田春草・速水御舟・前田青邨らの、琳派への憧憬を色濃く示す絵画と併せ、約80件の作品をお楽しみください。

| 展覧会 | 23:10 | comments(2) | trackbacks(1) |
先日はどうもありがとうございました。
久々にお会いすることも出来てよかったです。
近くまではよく行く岡田美術館ですが、
今まで中に入る機会がなかったので
このような機会を作ってくれたこと自体、ありがたいことだと思っています。
それにしても、内容が充実しすぎていましたね。
足湯に新作チョコの試食会までついて、文字通りお腹いっぱいになってしまいました。

そうそう、この展覧会に合わせて発売された鯛めし弁当、
塔ノ沢の名店「瓔楽」特製でした。
こちらも機会があったら食べてみたいなと思いました。
| 鉄平ちゃん | 2015/09/10 10:50 PM |

Takさん、先日は「青い日記帳×岡田美術館 ブロガー特別鑑賞会」に参加させていただきありがとうございました。私も本日ブログをアップしました。この機会に私もぜひ箱根を盛り上げていきたいと思います。もちろん後期にも行くつもりです。
| ostundwest | 2015/09/11 12:40 AM |










http://bluediary2.jugem.jp/trackback/4090
【神奈川県箱根町】岡田美術館「箱根で琳派大公開」内覧会
今年は琳派400年とのことで、各地の美術館で特設展が予定されているのですが、 箱根の岡田美術館でも「箱根で琳派大公開」と銘打った展覧会が企画され、 9月5日から公開されたことに合わせて 同日夜、内覧会が行われたので参加してきました。 {{{ 金地に緑青や群
| 鉄平ちゃんの相模原ディープサウス日記 | 2015/09/10 10:45 PM |
【お知らせ】

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おかげさまで重版となりました!


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