青い日記帳 

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特別展示「ディオニュソスとペプロフォロス」

東京大学総合研究博物館本館で開催されている
特別展示「ディオニュソスとペプロフォロス ―東京大学ソンマ・ヴェスヴィアーナ発掘調査の一成果」展に行って来ました。



愛・地球博で公開展示されていたディオニュソスとペプロフォロスの像が
現在、東大博物館で公開されています。なんと無料!!グッド

東大の発掘チームがナポリ近郊ソンマ・ヴェスヴィアーナ市のローマ時代遺跡で発見したものだそうです。そういえば、これテレビで以前放送していました。「アウグストゥスの別荘」の発掘。

何でも発掘許可がイタリア政府から下りたのが2002年のことだそうです。
発掘2年目に「ペプロフォロス」(女性像)が発見!一躍注目を浴び、
その翌年に酒の神「ディオニュソス」が永い眠りから醒めたそうです。
(右肩・右腕はイタリアの考古学者により1930年代の試掘により発見済み)

イタリア政府の好意で海外へ期限付きで持ち出すことがOKとなり
愛地球博とこの東大博物館での展示となったそうです。

  

この二つの大理石の1mを超す美しい彫刻は「アウグストゥスの別荘」に
置かれていましたが、ポンペイの街を埋め尽くしたことで有名な
ヴェスヴィオ火山の噴火によって5世紀末ごろ建物もろともに
地中深くに永く横たわることになったのではないかとされています。

発見した時の様子はどうだったのでしょう?
頂いてきた資料にその当時の現場の雰囲気をリアルに伝えてくれる文がありました。
東京大学農学部の杉山浩平氏の文章の一部です。

 2003年9月8日、午後4時をすこし過ぎた頃にローマ時代の大理石製彫像(ペプロフォロス)は約2000年の時を過ぎて、南イタリアのまばゆい陽の光を再び浴びることとなった。現場にいた誰もが、彫像と出会う瞬間を経験するであろうとは彫像というものは、美術館・博物館で鑑賞するものであって、発掘現場から、ましてやローマ時代に彫像が置かれていた「その場」から出土するとは一その一瞬まで思っていなかった。
アントニオとチー口の作業員2人と壁龕の前の掘削に取りかかったとき、削岩機によって崩れ落ちた土のむこうに、白く輝くものが見えた。土石流の土に包まれている中で、その白いものは一種異様な光を放ち、私たちの注目を集めた。しかし、まだこのときは、それが彫像の一部であるとは誰しも思わなかった。
即座に掘削を中止し、刷毛でその白いものを掃いてみると、なんだか「渦」が巻いている。「これは、もしかして?」と思うものの、半信半疑の状態であった。「彫像ならばいいな」と思う気持ちと、「違うかもしれないな」という気持ちが交錯している。
小さな撥に道具を持ち替えて慎重に掘り進めてみると、その「渦」が彫像の頭部の髪であるとわかることに、そう時間は要らなかった。ローマ時代の彫像が現れた瞬間であった。彫像が出てくれたらという稀望が現実となって目の前に現れた瞬間であり、全身身震いのする感動の瞬間でもあった。


読んでいるだけで、ワクワク・ドキドキしてしまいますね〜
そんな気持ちを抱きつつ、実物の大理石像に対面することが出来ます。タダで!


左が「ディオニュソス」(145cm)右が「ペプロフォロス」(108cm)

「ディオニュソス」は中性的な美しい顔立ちをしています。
その目線の先は左手に抱えた豹に向けられています。
優しいお顔です。特に上から見た写真だと特に女性的な優しさが感じられます。
(でも、男です。)
豹の下には豊饒を表す葡萄が一房。この葡萄にせよ豹にせよよく原形を保っていたなーと感心してしまうばかりです。そして何と言ってもこのディオニュソスの高い鼻が欠落していないのも最大の魅力です。

一方の「ペプロフォロス」は、この手の彫刻にしては大変動きが
表現されているなーと感じました。
両手は欠損していますが、何かをしていたであろうことは明らかです。
ミロのヴィーナスも両手が無いですが、同じように無限の想像が
この像の前に立つと可能です。左脚が半歩前に出ているのも見逃せません。
まだ土に埋もれている時の写真がありましたが、それがまた変に魅力的でした。
自分の中に眠っている違う趣味を呼び起こす危険性があります。

もうこれを逃すと多分国内では観る事できないであろうということなので
この特別展のこと以下に詳しく載せさせてもらいますね。
お時間あれば、是非。

会期:10月15日(土)〜11月13日(日)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し翌日休館)
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
会場:東京大学総合研究博物館本館(本郷キャンバス内)
入館料:無料
主催:東京大学総合研究博物館 + ソンマ・ヴェスヴィアーナ発掘調査団 +
   科研特定領域「火山噴火罹災地の文化・自然環境の復元」研究チーム
企画:青柳正規(元東大教授、現国立西洋美術館館長)+
   西野嘉章(総合研究博物館教授)
後援:イタリア文化財省+ナポリ・カセルタ考古文化財監督局+イタリア文化会館
協力:2005年日本国際博覧会協会+前田建設工業株式会社+
   東京大学人文社会系研究科次世代人文学開発センター(先端構想部門)


そうそう、東大の構内にドトールがオープンしていました!
ローソンが出来た時もビックリしたけど・・・

酒の神ディオニュソス―放浪・秘儀・陶酔
酒の神ディオニュソス―放浪・秘儀・陶酔
楠見 千鶴子
東京大学の海外学術調査隊がイタリアのナポリ近郊ソンマ・ヴェスヴィアーナ市のローマ時代遺跡「アウグストゥスの別荘」(通称)で、ローマ時代の「ディオニュソス」と「ペプロフォロス」の彫刻二体その他の古代ローマの遺物を発掘したことは、時代を画する大きなニュースとして世界各地に伝えられています。

本展は、上記の彫刻二体が、愛知万博に出品するため、イタリア政府の特別の計らいで国内に招来されている機会を利して、ソンマでの東大調査隊の発掘成果の一端を学内外に広く紹介しようとするものです。

二体の彫刻を東京一円において一般に公開するのは、もちろん初めてのことであり、また、きわめて貴重な古代遺産であり、今後二度とイタリア国外へ貸し出しされる可能性がないと考えられることから、大学博物館で特別展示を行う意義は充分にあると考えられます。学内での研究成果を社会一般に向けて公開することは、まさに総合研究博物館の使命そのものでもあり、東京大学全体にとっても意義深い展覧会になるに違いありません。

ヒョウを抱えるディオニュソス像
ギリシァ神話に現れる酒神であるディオニュソスの大理石像。ギリシァ古典期の男性裸体像をモデルとし、端正さと優美さを併せ持った作品である。その様式から紀元1世紀前半のローマ彫像とみられ、ナポリ西に所在するバイアにあった皇帝直轄の彫刻工房で作られた可能性が高いものと考えられるが、バイアでの作品とされる約25体の彫刻の中でも、芸術的にきわめて価値が高いものであると言える。
展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

東大博物館って、本郷にあるんですね?すごく興味あるけれど・・・入るのなんだかドキドキしますね。
Emmy | 2005/10/21 4:23 PM
@Emmyさん
こんばんは。

本郷にあります。
赤門くぐって右手奥です。
入るの簡単です。
国立ですから堂々と入りましょう!!
東大の中も色々面白いですよ。
Tak管理人 | 2005/10/22 1:58 AM
Takさん、ありがとうって言いたいです
ここで知って観てきました
いつも彫刻を作品として観る気分とは違い、ローマ人がとても身近に感じられました

記事の中でのリンク、トラックバックもさせていただきました
えみ丸 | 2005/10/23 8:26 PM
@えみ丸さん
こんばんは。

私もたまたま知りました。
知るといてもたってもいられなくなり
すぐに行ってきてしまいました。
あれだけのものがよく・・・と帰りのバスの中でも
反芻してしまいました。

リンク&TBありがとうございます。
Tak管理人 | 2005/10/23 10:20 PM
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 ナポリに近いイタリア南部で、東大が発掘したギリシャ神話に登場する酒神ディオニュ
イタリアで東大が発掘、酒神などの大理石像を公開 | RAN Blog | 2005/10/19 9:05 PM
   東大前案内 「ディオニュソス」東京大学ソンマ・ヴェスヴィアーナ発掘調査隊の一成果 私はこういう展覧会があることを知らなかったのだが、Takさんの記事を読みどうしても行きたくなった 今まで、ミロのビーナスもロダンもマイヨールの女性たちも私にとっては
先日ご紹介しました「南イタリア・旅フォーラム」に引き続き、 2月には、ギリシア文明や文化に関する著書でも有名な楠見千鶴子氏を お招きして、「神々の国・ギリシア世界への誘い」を開催します! 旅行は今すぐという方でなくても、お気軽にご
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