青い日記帳 

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「ゆかいな若冲・めでたい大観」

山種美術館で開催中の
「伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ― HAPPYな日本美術 ―」展に行って来ました。


http://www.yamatane-museum.jp/

伊藤若冲(1716年3月1日〜1800年10月27日)生誕300年目にあたる今年2016年。若冲イヤーの幕開けにふさわしい展覧会が山種美術館で開催されています。

山種美術館所蔵の伊藤若冲「伏見人形図」以外にも主に個人所蔵の若冲作品10点(合計11点!)が広尾で観られるとあらば何が何でも行かねばなりません。

しかもそのうち、5点はどの展覧会や印刷物、webにも出たことのない初モノです。


伊藤若冲「河豚と蛙の相撲図」18世紀 江戸時代
個人蔵

こちらの作品は先日ご紹介した安村敏信先生の新著『若冲BOX FIVE COLORS』でも取り上げられている大変ユニークな一枚です。

安村節で語るとこんな調子になります。
一見すると、フグの背鰭に手を掛け、がっぷり四つに組んだカエルが優勢。しかし、フグはこれからさらにお腹を膨らませれば、がぶり寄りで勝つかもしれない。そんな想像も楽しい、珍品中の珍品だ。
今年は例年に比べあたたかい冬となっていますが、それでもこんな絵を観ているとフグの鰭酒を飲みたくなるものです。丁寧にしかも大きく描かれた若冲フグの鰭酒。果たしてお味はいかに。


伊藤若冲「亀図」18世紀 江戸時代
個人蔵

フグとカエルの相撲でも若冲の墨テクニック冴えわたっていましたが、こちらはさらに凄いことに。カメの甲羅の文様を筋目描きで表現しています。近寄って見て驚いてしまいました。その細やかな仕事に。

着彩はもちろんですが、水墨でも手を抜かず、ウィットに富んだ表現を優れた技巧により織り込んできます。それがいやらしくないのが若冲のよいところ。「どうだ俺の技すごいだろ〜」なんて微塵も感じさせません。


そうそう、このカメの尻尾、ミモザの花の咲き始めに似ていますよね。そしてこの足裏描写の可愛らしさ。く〜ニクイね!!


伊藤若冲「仔犬に箒図」、「大根図」18世紀 江戸時代
個人蔵

二股大根の根先に二匹の蝶が仲よく舞っています。若冲作品からほとんど男女関係を連想させられることはありませんが、この作品だけ妙に色香が漂っています。そう思い始めると大根の葉っぱまでハート形に見えてくるから不思議です。

仔犬に箒図」はキャプションが無ければこちらも大根を描いた作品に見えかねません。



一度ダイコンに見えてしまうと、もう二度とイヌには見えないかも…

ただし、こちらの作品単に箒に寄りかかって眠る大根じゃくて仔犬を描いたわけではなさそうです。日本画で箒が画中に描かれているということは…そう!「寒山拾得」が頭に浮かんで来るはずです。


都路華香「寒山拾得」明治〜昭和時代
山種美術館蔵

さり気なくこうした展示配慮をしてくれる山種美術館さんも、若冲に負けず劣らず見せ方が「上手い!」です。(都路華香「寒山拾得」奥に見えるのが伊藤若冲「仔犬と箒図」です。)

若冲がそれを意図してこの作品を描いたかどうか定かではありませんが、この展示会場の作りを見るとやはりそうなのかな〜と。


狩野一信「七福神図」、「布袋唐子図」安政3〜文久2年頃

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 愛でたい、めでたい、HAPPYな日本美術
長寿のシンボル ― 鶴と亀
縁起物のマルチプレーヤー ― 松竹梅
幸運をもたらす神 ― 七福神
聖なる山 ― 蓬莱山と富士山
くらしに息づく吉祥
生きものにこめられた吉祥
新春を寿ぐ ― 愛されキャラクター・干支の動物

第2章 HAPPYになる絵画
笑い・ユーモア
幸福な情景


若冲を中心に紹介しましたが、他にも山種美術館所蔵作品であるにも関わらず、初めて展覧会に出ている柴田是新による「鍾馗図」や、狩野一信の最高潮時に描かれた大幅「七福神図」などなど、見逃せない作品が多く出ています。

混雑する前に是非!

「ゆかいな若冲・めでたい大観」展は3月6日までです。


特別展「伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ― HAPPYな日本美術 ―」

会期:2016年1月3日(日)〜3月6日(日)
※会期中、一部展示替えを行います。
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(但し、1/4・1/11は開館、1/12は休館)
会場:山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、朝日新聞社

山種美術館 (@yamatanemuseum)
山種美術館Facebook


ミュージアムショップには若冲「伏見人形図」をもとにした新たなグッズも。そして何より一番連れて帰りたかったのがこの子!!

毎回恒例のカフェ椿の展覧会オリジナル和菓子5種類ある中から選んだのはこちら。


「招福」と名付けられたこちらのオリジナル和菓子のモチーフは布袋さんが持っている袋!若冲が描いた「布袋図」の袋を観た後は、カフェ和菓子をパクリ。珍しい栗餡でした。

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 2016年に開館50周年を迎える山種美術館では、新春にふさわしく、幸福への願いが込められためでたい主題や、思わず笑みがこぼれる楽しいモティーフを集めた展覧会を開催いたします。

 日本美術において、祭事・婚礼などの慶事や節句、あるいは日常の営みの中で用いる図様として、さまざな吉祥画題が表現されてきました。本展では、その中から長寿や子宝、富や繁栄などを象徴する美術に焦点をあて、おなじみの鶴亀、松竹梅、七福神など現代人からみてもラッキーアイテムとなる対象を描いた絵画をご紹介します。さらに、ユーモラスな表現、幸福感のある情景など、HAPPYな気持ちをもたらす作品も展示します。

 本展でまず注目すべきは、初公開作品を含む伊藤若冲の墨画です。おどけた様子の七福神《布袋図》や《恵比寿図》、表情豊かに動物の姿を描いた《河豚と蛙の相撲図》、押絵貼屏風《群鶏図》など、大胆なデフォルメと機知に富んだ表現をお楽しみください。また、歌川国芳のユーモアあふれる猫や金魚の戯画(会期中、展示替え有り)、鮮烈な色彩と滑稽さが魅力の吉祥画・柴田是真《円窓鐘馗》、重厚感のある筆力が際立つ河鍋暁斎《五月幟図》など幕末・明治時代の作品も見逃せません。そして、日本を象徴する霊峰富士の堂々たる姿を描いた横山大観《心神》、陰影や立体感を意識し、近代的な人物表現を取り入れた下村観山《寿老》など、伝統的な画題を土台としながらも、時代に即した新しい表現を試みた近代の画家たちの優品も見どころです。江戸時代から近代・現代まで、「HAPPY」を切り口に日本美術をたどる、縁起のよさ満載の展覧会です。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

先日はどうもありがとうございました。
若冲が11点も出ていて、しかも個人蔵の初公開作品が多いだけに
どうしてもそちらに目が向きがちでしたが、
新春を飾るにふさわしい、文字通りHappyな気持ちになる展覧会でしたね。

それにしても、和菓子はやっぱり招福を選びましたか。
若冲フリークとしてはそこは外せないところでしたね(笑)。
館長は「白い袋になった」なんておっしゃっていましたが。
鉄平ちゃん | 2016/01/18 11:30 PM
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新春早々、美術展のブロガー内覧会があったので行ってきました。 会場は広尾の山種美術館。 ここは日本画の素晴らしいコレクションで知られています。 「ゆかいな若冲・めでたい大観―HAPPYな日本美術―」というタイトル通り、 お正月にふさわしい、おめでたい