青い日記帳 

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「浦沢直樹展」

世田谷文学館で開催中の
「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」に行って来ました。


http://www.setabun.or.jp/

単行本をはじめ、アニメ、映画化された作品を含めると、普段あまり漫画と縁遠い人でも、浦沢直樹氏の作品は一度は目にしたことがあるはずです。

その大きな理由のひとつとして、浦沢作品のテーマが実に多岐に渡っている点があげられます。

元傭兵の活躍を描いた『パイナップルARMY』、柔道少女が主人公の『YAWARA!』、ミステリー長編漫画『MONSTER』、そしておなじみの『20世紀少年』に『MASTERキートン』などなど。


『YAWARA!』©浦沢直樹・スタジオナッツ/小学館

コメディーからスポーツ、SF、歴史、ミステリーetc…そしてどの作品も物語世界へ一気に惹き込まれる魅力をそれぞれ湛えているから驚きです。

展示会場には菱形の「BOX」と称される大きな展示スペースにこれでもか〜と直筆原稿がびっしりと展示されています。

建築設計やインテリアデザインの他にも、舞台美術、プロダクトデザイン、インスタレーション制作など幅広く手掛けるトラフ建築設計事務所が設計した展示空間。思う存分浦沢作品に接してもらおうという意図からこのBOXを作り上げたのでしょう。


「浦沢直樹展」展示風景

「BOX」は全部で3つあり、BOX1には『YAWARA!』と『20世紀少年』がそれぞれ4話ずつ。BOX2には『MONSTER』第18章「終りの風景」が、そしてBOX3には『MASTERキートンReマスター』、『PLUTO』、『パイナップルARMY』、『Happy!』の原画が惜しみなく展示されています。

BOX2『MONSTER』第18章「終りの風景」は単行本を持っていて何度も読んだことがあるにも関わらず台詞の一言一言からDr.テンマの一挙手一投足に至るまで、丹念に目で追ってしまいます。周りの目を気にすることなく。もう夢中です。


『MONSTER』©浦沢直樹・スタジオナッツ/小学館

一般的に漫画やアニメの展覧会ですと、原画がメインとなりますが、その数はある程度セレクションされ限られたものとなってしまいます。原画が散逸してしまって揃わないケースもあるものです。(これについては椹木野衣氏も憂いておられます。)

しかし、幸いなことに、現在でも第一線で活躍されている浦沢作品原画はしっかりと管理保存されているため、今回の展覧会では思う存分展示可能。それでも何百分の一に満たないというのですから一体今までどれだけ描いてきたのか考えただけでも気が遠くなります。

まさに「描いて描いて描きまくる」です。



展示壁BOXの上から下までびっしりと原画を展示することも考えたそうですが、それだと見えにくい部分が生じてしまい、せっかく観に来てくれた方々に失礼にあたると、なるべく観やすい位置にまとめたそうです。

浦沢直樹氏自身が展覧会オープンの前日まで展示について色々と思案を重ねたそうです。世田谷文学館と浦沢直樹氏との固い信頼関係なくして実現しなかった展覧会です。


『20世紀少年』

さて、原画だけが「浦沢直樹展」の見所ではありません。スケッチ、ラフデッサンや設定資料といった作品が生まれるきっかけとなる絵の数々も驚くほど充実しています。

そして、圧倒的な量と高い質の前に軽い眩暈を…

漫画家なんて絵がちょっと描ければ誰でもなれる。なんてこと口が裂けても言えません。

もし、これから浦沢氏のような漫画家になりたいと思っている人は観に行かない方が逆に良いかもしれません。努力に培われた天才の作品と対峙し絶望感を味わうだけかと。



その昔、小さい頃、漢字や英単語は書いて書いて体に覚え込ませなさい!と言われたものですが、中々実行出来ず今に至っています。

手塚治虫に憧れ4歳の時から誰に言われたわけでもなく、ペンを握り絵を描き続けてきた浦沢直樹氏。継続という努力に裏打ちされた天才です。

漫画家を扱った展覧会、ここ数年多く開催されるようになりましたが、副次的な要素には一切手を借りず、「絵の力」だけで直球勝負で挑んで来ています。唯一無二の作家だからこそ、それが出来てしまうのです。


浦沢直樹氏

連続するコマが生み出す、極上のドラマの数々。
演技、表情、アングル、カット割り、光と影、時間を操る―


好き嫌いは抜きにして、同時代を生きる天才漫画家の仕事を是非その目に焼き付けて来ましょう。世田谷文学館がまたひとつ伝説を作りました。

「浦沢直樹展」は3月31日までです。是非是非!


浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる

会期:2016年1月16日(土)〜3月31日(木)
開館時間:午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:月曜日
※ただし3月21日は開館し、翌22日休館
会場:世田谷文学館
http://www.setabun.or.jp/
主催:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館、読売新聞社
協力:スタジオ・ナッツ、小学館、講談社、ニンポップ、常盤陽
特別協力:長崎尚志、工藤かずや、勝鹿北星、手爛廛蹈瀬ション
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
助成:芸術文化振興基金


撮影コーナーもあります。「ともだち」と一緒に記念写真を!


浦沢直樹 描いて描いて描きまくる (原画集・イラストブック)

デビュー32年、単行本150冊、合計3万ページ、累計1億2662万部。大ヒット作を次々と世に放ち、常に漫画界の最先端を走り続ける漫画家・浦沢直樹。
初の本格個展開催を記念して、その半生と制作の舞台裏について、合計12時間38分、14万5千字にのぼる超ロングインタビューを敢行!

画集『漫勉』に未収録のイラストを中心に、制作の過程がわかる秘蔵カットや名場面などをB5サイズで多数収録。漫画家・浦沢直樹とその作品の魅力を正しく理解するための、公式ガイドブック決定版!


Twitterやってます。
@taktwi

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4233

JUGEMテーマ:アート・デザイン


注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
凄まじい原稿量、圧倒的な画力、比類なき物語性――
現役漫画家の最高峰・浦沢直樹のペン先のすべてがここに!

鬼才・浦沢直樹。『パイナップルARMY』『YAWARA!』『MASTERキートン』『Happy!』『MONSTER』『20世紀少年』『PLUTO』『BILLY BAT』――発表してきた作品すべてを「代表作」と呼べる、稀代のヒットメーカーである。
本展では、単行本一冊丸ごと分の原稿展示をはじめ、ストーリーの構想メモ、ネーム、秘蔵のイラストやスケッチ、少年時代の漫画ノートまで、浦沢直樹のペン先の熱量に触れることができる膨大な手稿を公開する。
「描いて描いて描きまくる」浦沢直樹の創作の全貌を、是非目撃していただきたい。
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27日のことですが、「浦沢直樹展」に行ってきました。 世田谷文学館にて 大好きな漫画家である、浦沢直樹の初の展覧会 私的に漫画で1番好きというか、衝撃を受けたのが「MONSTER」だったりするので まず入口で こういう所から遊び心を感じられ その他に入り口付近
浦沢直樹の世界 | 笑う社会人の生活 | 2016/04/22 12:22 AM