青い日記帳 

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『MIZUMA 手の国の鬼才たち』

求龍堂より刊行となった『MIZUMA 手の国の鬼才たち』を読んでみました。


MIZUMA 手の国の鬼才たち
三潴 末雄 (著)
求龍堂

ミヅマアートギャラリー所属のアーティストは皆、寡作な作家ばかりです。

三潴氏自身本書で「残念ながら、現在ではこうした作家たちの作品は市場では高い評価を受けられない。半ばコモディティ化された画一的な大量生産の作品がもてはやされる時代なのだ。」と述べている通り、資本主義経済の鬼子のような現代アートマーケットにはミヅマ所属のアーティストは確かに不向きであることは間違いありません。

しかし、それでも「手の仕事」にこだわるアーティストだけ(青山悟は足踏みミシンだが)が自然とミヅマアートギャラリーには集う。その理由が一通り読むとすーと理解出来ます。



そんなミヅマ所属のアーティストの作品を紹介しつつ、三潴氏自身が作家ひとりひとりに対し思いを語ります。賑やかで華やかな個展のオープニングでは中々聞くことのできない「本心」が読めた気がしてなりません。

現在のようなアート物質主義の世界では、作品を多く売る(お金儲け)ことの出来ない、ミヅマの作家たちは「落第者」ばかりです。

ただ、そんな時流に軽々に乗ることなく、自分の信じた(または好きな)「手の仕事」にこだわるアーティストたちに対する言葉の端々には尊信の念があふれています。

【掲載作家】

会田誠、青山悟、池田学、O JUN、ジュン・グエン=ハツシバ、棚田康司、天明屋尚、宮永愛子、山口晃、山本竜基、天野喜孝、アルベルト・ヨナサン、宇佐美雅浩、岡田裕子、岡本瑛里、金子富之、熊澤未来子、近藤聡乃、筒井伸輔、堀浩哉、真島直子、松蔭浩之、森淳一、山口藍、山本昌男、米谷健+ジュリア、インディゲリラ、スーザン・フィリップス、杜昆(ドゥ・クン)、ナジルン。
ギャラリスト三潴末雄氏が見出した彼らに共通するのは、日本という土壌を意識し、寡作と言われようともみずからの手を動かし、黙々とひとりで制作する姿勢。

彼ら「手の国」ニッポンの鬼才たちと、どのようにして出会い、どこに注目し魅かれているのか、三潴氏みずから所属作家30名を語る。
シンガポールにもMizuma Galleryを開廊した三潴氏。今回刊行された『MIZUMA 手の国の鬼才たち』も日本語と英語のバイリンガル表記となっています。

紹介されている30名の作家に130点ものカラー図版。残念ながらまだ一度もお目にかかったことのない作品もチラホラ。極細付箋を未見の作品に貼りつけながらページをめくる楽しさも。



現代アート作品はどうも好きになれないという方にもお勧めの一冊です。居丈高な表現を用いないのが三潴氏のテキストの特徴のひとつでもあります。

ちょっと距離を置いていたアーティトもぐっと身近に感じるはずです。そして何より彼らの色々な意味で用意周到な作品制作の一端を垣間見られます。

是非、手にとってみて下さい。画集でもない展覧会図録とも違う、これまでになかったタイプの美術書です。そして「手の仕事」職人集団を紹介するだけあり、高いデザインセンス印刷技術が用いられた一冊でもあります。


MIZUMA 手の国の鬼才たち
三潴 末雄 (著)
求龍堂

【朗報】
ミヅマアートギャラリーの作家30名との出会いや魅力を三潴末雄さんが語る『MIZUMA 手の国の鬼才たち』(求龍堂)の刊行を記念し、美術史家の山下裕二氏を招き、トークショーが青山ブックスクールにて行われます。

三潴末雄連続トーク「日本再再再発見」番外編
『MIZUMA 手の国の鬼才たち』(求龍堂)刊行記念

山下裕二 × 三潴末雄
鬼才に迫る 手の国再再再発見


日程:2016年2月11日 (木)
時間:18:00〜20:00+サイン会
開場:17:30
定員:110名様
会場:青山ブックセンター本店内・大教室

詳細・お申込みはこちらから。
http://www.aoyamabc.jp/culture/rerere-japan-discover-kisai/

自分も早速申し込んじゃいました!
三潴さんと山下先生のダブルサインもらうぞ!!

会田誠、青山悟、池田学、OJUN、天明屋尚、宮永愛子、山口晃など、三潴さんはギャラリストとして、日本の現代美術を語る上で欠かすことのできない名だたる作家たちを見出してきました。三潴さんのもとに集まってきた作家たちはもくもくと手を動かし、ひたむきに制作を続け、その技術力と情熱、そして美学をもって人々を圧倒します。

三潴さんは作家たちとの出会いを通じ、「日本や東南アジア(中略)、このアートの辺境の、その地層の中に、欧米が作り出した現代アートをひっくり返す程のエネルギーが潜んでいる(本書8頁)」と「手の国」の「鬼才」たちの力を確信されています。そして今もなお、作家の魅力を発信するとともに、まだ見ぬ才能に出会うために、日本とアジアを中心に世界中を駆け回り、挑戦し続けています。

今回は、古今の壁を飛び越えて日本美術の魅力を発信し続ける美術史家の山下裕二さんをお迎えし、三潴さんと作家の出会いをお話しいただきながら、古の日本美術を参照することでミヅマアートギャラリーの作家の魅力、そして手の国の底力を掘り下げて考えていくとともに、鬼才を見出してきた三潴さんの審美眼、先見力にも迫ります。



アートにとって価値とは何か
三潴 末雄 (著)

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