青い日記帳 

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ゴッホが愛した・・・

今日発売の雑誌「AERA」に
「ゴッホが愛したちりめん絵」と題したカラー2ページの記事があります。

ゴッホが残した作品の中でも有名な「タンギー爺さん」

タンギー爺さん」(Portrait of Pere Tanguy)
1887-88 Oil on canvas 92 x 75 cm
ロダン美術館所蔵(Musee Rodin, Paris)

この絵の背景として描かれている「浮世絵」についての記事です。
6枚の浮世絵が描かれているのが分かります。
このうち5枚は誰のどんな作品なのか判明しているそうです。

左上の雪景色の絵だけまだ実際に確認が取れていないとか。
何も手がかりが現在でもないのだそうです。

ところがこの謎の一枚を解く鍵となるのが左下の朝顔の絵。
この絵は長いこと二代広重の「三十六花撰 東都入谷朝顔」ではないかと
されていたそうですが、1999年にフランスの画商、ヤン・リュールの発見により
これは「浮世絵」ではなく「ちりめん絵」だということが分かったそうです。

「ちりめん絵」??詳しくは↓こちらで。
クレポン-ちりめん絵

ちなみにくだんの「AERA」にはちりめん絵は「名もなき絵師の作品が大量生産されて欧米に輸出され、主にナプキンなどの消耗品として使われた」との解説が紹介されています。

貧しかったゴッホが入手できたのは浮世絵ブームで値が高騰した北斎や広重でなくこうした名も無き絵師達のちりめん絵や浮世絵が多かったとのこと。
参考:ゴッホとクレポン

そして最後に今でも謎の「雪景色」はこのような無名の浮世絵師によるものか、あるいはゴッホが似た構図の浮世絵をもとに創作したものだと結論付けています。

「雪景色」の原本もきっとどこかにあるはず。という浦上記念館の学芸員さんの言葉を紹介しつつ、「創作だとしたらそれはあまりにも象徴的過ぎるのでは」と最後にこの記事をお書きになった編集部の浜田奈美さんは締めくくっています。

興味のある方、ゴッホファンの方は必見かと思います。

で、ここからが本題
まず「AERA」の記事のタイトル『ゴッホが愛したちりめん絵』ですが、これってこの本のタイトルを意識したものですか??
ゴッホが愛した浮世絵―美しきニッポンの夢
『ゴッホが愛した浮世絵』
NHK取材班

今、手元にありますが、まずこの『ゴッホが愛した浮世絵』を開くと
なんとなんと「ゴッホ作品と浮世絵」と題して今回の主役「タンギー爺さん」の絵について14ページにわたりカラーで紹介されています。どーんと最初に。

背景に使われている6枚の浮世絵についても一枚一枚丹念に原本の浮世絵を紹介しながら解説がなされています。

右下から渓斎英泉『雲龍打掛の花魁』(「ゴッホ展」に模写が来ていましたね)
右上が歌川広重『五十三次名所図絵 石薬師
真ん中も歌川広重『富士三十六景 さがみ川
左側中央が三代歌川豊国『三世岩井粂三郎の三浦屋高尾

そして左下の朝顔の絵を二代広重の『三十六花撰 東都入谷朝顔』と解釈しています。因みにこの本が出版されたのが昭和63年ですから当時としては定説だったわけですね。ヤン・リュールさんが発見する前です。

お待たせしました。最後の一枚。問題の一枚「雪景色」ですが、
これは歌川広重の『江都名所 吉原日本堤』もしくは渓斎英泉『江戸八景 吉原夜の雨』などの浮世絵にゴッホが雪を描き加えたとの解釈をしています。

尾根の上に描かれた黒い点は、消火用の桶を置くための棒ではないだろうか。長屋風の建物に天水桶といえば、吉原だ。手前の道は本堤、遠景に兄える町まで続く空間は吉原田圃とすれば、浅草の方から吉原を左前方に見て描いた構図かと思われる。今回、雪の吉原の浮世絵は探し出せなかったが、あるいは、日本の四季によせるゴッホの思いが、吉原に雪を降らせたのかもしれない。

ロマンチックですね〜なんとも。
こう説明されるとこの絵だけゴッホが雪を本当に描き加えたように思えてきます。

今回の「AERA」の記事『ゴッホが愛したちりめん絵』は明らかにこのNHK取材班の『ゴッホが愛した浮世絵』という本を意識して、というかこれを参考に、元にして書かれていますね。明らかに。

タイトルも誰でも分かるようにきっとわざと似せたのでしょう。
これなら「参考文献」として書き入れなくてもすぐに分かりますからね。
(週刊誌の記事って参考文献をいちいち書き入れなくていいのかな?)

NHKさんと朝日さんは仲直りしたのかな??
ゴッホとゴーギャンのように個性の強い二人だから喧嘩しないでね。また。


追記:忘れていました…明日から東京国立博物館で「北斎展」スタートですね!
   ゴッホも観たかったでしょうね〜  公式サイト
その他 | permalink | comments(9) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

Takさん、こんにちわ。

ゴッホの絵は、いつも迫力が凄いと思います。
NYで沢山見て感じました。
で・・・
ブログバトン。
よろしくお願い致しますね。(^^)/
http://marilyn2.blog3.fc2.com/blog-entry-480.html
マリリン☆ | 2005/10/25 10:31 AM
Takさん、TBありがとうございます。あの記事は私のブログの中でも大ヒットで、あらためてゴッホの人気のすごさを感じました。AERAは読んでいないのですが、ちりめん絵の本物、見てみたいです。でも、人間って、小さなつまらないものになぜか強く引かれることがあります。ちりめん絵もそんな存在だったように思えます。
| 2005/10/25 9:25 PM
へぇ〜
一枚の絵にいろいろなストーリーがあるんですね。
絵の見方が変わりますね。
やす | 2005/10/25 10:17 PM
@マリリン☆さん
こんばんは。

NYで結構観られますよねーゴッホも。
懐かしいなー今となっては。。。
で・・・
バトン受け取りました。
早速annexの方でupしました。
ありがとうございました!!ご指名!!

@郁さん
こんばんは。

ちりめん絵の存在を私もこの雑誌で知ったので
それはとても大きな収穫でした。
私も同じようにつまらないもの、どうでもいいものに惹かれます。
いつのまにかコレクションしてしまっていたりします。
整理整頓ままならない状態です。

@やすさん
こんばんは。

面白いですよね。とっても。
ゴッホはあれこれ話題に事欠きません。
注目度が高い証拠でもありますね。
Tak管理人 | 2005/10/25 11:05 PM
Takさん 興味深く読ませていただきました。>>名も無き絵師達のちりめん絵や浮世絵が多かったとのこと>>なるほどです。個人的に、タンギー爺さん、大好きです!ゴッホに親切だったからです。2枚ありますよね(かわいいのと、普通の。こちらは普通のです)。
「北斎と広重展」に、「タンギー爺さん」の写真がありましたね(本物のゴッホの作品が観れると思っていたので、がっかりでした)。
私の持っているゴッホの画集を調べてみましたが、背景の浮世絵の説明まで載っていませんでした。。。何だか、とても気になってしまいます、「雪景色」。
朝日がゴッホで、NHKがゴーギャンかな??
Yuko | 2005/10/25 11:29 PM
わぁ・・・早速AERA買ってみまーす♪
ゴッホって本当にもてもてですけど、
わたしも大好き!
ゴッホが浮世絵、ちりめん絵を愛したということは
日本人として誇りに思えます。
左上の絵、雪景色だったのですか。。
ゴッホの例の糸杉シリーズでも似たようなのがあったので、
一瞬その絵かと思いました。。

それにしてもこのオチ、
>NHKさんと朝日さんは仲直りしたのかな??
いいですねえ。
笑っちゃった☆
はな | 2005/10/26 12:52 PM
@Yukoさん
こんばんは。

ゴッホ好きのYukoさん、さすがによくご存知ですね。
「かわいい方のタンギー爺さん」って言い方ナイスです。
これからそう呼びます。もう一枚を。
タンギー爺さんが子供みたいな絵ですよね。
確かに可愛い(^^♪
「北斎と広重展」…懐かしいですねーー
ちょっと前の展覧会ですが、あれは見応えありました。
びっくりでした。
「雪景色」の解釈はどう決着するのでしょうね。
発見されるのか、それとも空想の産物なのか。
ゴッホのことを思うと後者を支持したい気持ちになります。
>朝日がゴッホで、NHKがゴーギャンかな??
どっちもどっちですね。これは。

@はなさん
こんばんは。

雪景色の絵だけ分からないそうなんです。
ちりめん絵にもしかしてあるのかな?
それとも空想か・・・
紹介してある本には参考としたであろう
吉原の風景を描いた浮世絵がありますが
構図的には同じでした。
糸杉はゴッホの絵で覚えました。
初めてヨーロッパを旅行して
本物を観た時はちょっとした感動でした。

落ちてました?ちゃんと。
良かった良かった。
webですべると救いないです。。。
(^_^;)
Tak管理人 | 2005/10/26 9:41 PM
Takさん、おはようございます。
先日、コメントした件はこちらの記事でした。
この本の画像付き紹介サイトがないか検索していて、辿り着きました。
それにしても「AERA」の記事、2005年のゴッホ展(主催NHK、東京新聞他でした)の関連かなと思ったら、終わった後の発行でした。
なぜ「AERA」が取り上げたのかが気になるところです。
ほんのわ | 2008/07/17 6:17 AM
@ほんのわさん
こんにちは。
TBありがとうございました。

AERAさん、たまに美術ネタ取り上げてくれるのですが
どうもね。。。いまいちパッとしないとうか
何と言いますか、、、

この号、もう一度観てみようと思い探しましたが
見つかりませんでした。あれれ??
捨てたはずはないのですが。
Tak管理人 | 2008/07/17 3:37 PM
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え(絵?)ブログ 第10作でございます。 葛飾北斎の展覧会「北斎展」が開かれているそうです。 北斎の名前は知らなくても、富士山の風景を描いた絵は一度は見た事があるでしょう。 日本の浮世絵って海外でも評判が高く、歴史的に有名な画家も収集していたり
北斎展 やっていますね。 | え (絵)??ブログ | 2005/11/05 8:58 PM
昨日08/07/16の記事のつづきです。 作者名、作品名は、すべて引用先に準じています。 きょうは、左下の朝顔の絵についてです。 1988年発行の『ゴッホが愛した浮世絵  ──美しきニッポンの夢──』 (NHK取材班 日本放送出版協会)では、取材の結果と
ゴッホの『タンギー爺さん』と浮世絵 4 | ほんのわの読書日記                        本を読んでいるときが一番幸せ | 2008/07/17 5:52 AM