青い日記帳 

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「馬鑑 山口晃展」

馬の博物館で開催中の
根岸競馬場開設150周年記念・(公財)馬事文化財団創立40周年記念 企画展「馬鑑 山口晃展」に行って来ました。


http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/uma/

これまで幾度となく「山口晃展」を観て来ましたが、その中でもこれだけ企画力の優れた展覧会には出会ったことがありません。個人的に一位二位を争うほどの内容でした。初っ端から何ですが、超絶おススメ展覧会です。

12年ぶりの新作「「厩圖(うまやず)」はいつ完成するか分かりませんが、滋賀県立美術館所蔵の「厩圖2004」を初めとし、山口作品にしばしば登場する「馬」を主軸として展示しています。

細かく描き込まれた人々や馬そして風景を、いつまでも観ていられる良い頃の山口作品が多数出品されています。水戸芸術館で肩透かしを喰った方も今回の展覧会は安心して出かけられます。


山口晃「厩図」2001年 高橋コレクション
厩図屏風」桃山期 馬の博物館
山口晃「厩圖 2004」2004年 滋賀県立近代美術館

馬の博物館は馬に関する多くの美術品も所蔵しています。今回は山口晃作品とそれらを並べて展示するチャレンジングな試みをしています。

企画展の成功の可否は担当学芸員さんの情熱に左右されるものであるということを教えてくれる展示内容そして展示方法です。



平面作品だけでなく、山口晃作品を取り囲むように刀剣や甲冑なども展示され、世界観を作り上げることに成功しています。

過去と現在とが混在し、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す山口晃の作品世界を、馬の博物館展示室で立体的に再構成しているようです。



江戸時代、天保年間に建造された遠野地方の曲り家が、展示室内に移築され常設展示されています。これを山口さんが見逃すはずはなく、曲り家全体を使ってのインスタレーション作品に仕上げています。

外見からも山口ファンなら、「あれっ?!」と気が付くはずですが、中に入るともっと面白い仕掛けが待っています。そうそううるさいくらいのキャプションにも注目です。

さて、多数山口作品と博物資料のコラボレーションが存在する中で、最も感心したのがこちらでした。


山口晃「九相圖」2003年 高橋コレクション
馬の頭骨」馬の博物館

平成27年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(評論等部門)を受賞した、山本聡美氏の著書『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』にも登場する山口晃「九相圖」。

「九相図」に関しては説明は不要かと思いますが、生きている馬の作品は数多くあれども、死んで朽ち果てていき、そして最後は骨となる馬の様子が描かれた作品を目にすることはまずありません。いわんや馬の頭骨をや。

通常観ることのない姿を「九相図」という日本人の死生観が如実にあらわれた図様を利用し、山口流に描いています。これだけでもお腹いっぱいですが、それに本物の馬の骨をあわせて展示するとは恐れ入りました。

間違いなく今回の展覧会により、多面的な意味を持つ山口晃作品にもうひとつ大きな側面が視点が加わるはずです。



室町、桃山、江戸時代の馬が描かれた作品は展示ケースに、山口晃作品は展示ケースの外に観やすいようにボードを設置し展示する、鑑賞者にとっても嬉しい心遣いもされています。

馬の博物館、廣瀬薫学芸員さんの山口晃さんへ対する思いが現れている「学芸員便り」も必読です。

博物館で初めて開催となる「山口晃展」これは必見です!入館料200円は安すぎます!!

「馬鑑(うまかがみ) 山口晃展」は5月29日までです。是非是非。


「馬鑑 山口晃展」

会期:平成28年3月26日(土)〜5月29日(日)
開館時間:10時〜16時30分(入館は16時まで)
休館日:毎週月曜日 
※ただし3月28日、4月4日、5月2日は開館
会場:馬の博物館 第2・3展示室
http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/uma/
主催:公益財団法人馬事文化財団
後援:株式会社ミヅマアートギャラリー、神奈川新聞社、株式会社共同通信社、横浜市教育委員会、JRA 日本中央競馬会

因みに「馬鑑」とは…馬鑑の意味 展覧会開催にあたり山口晃さんが考案した新語です。

馬鑑【umakagami】1:馬の図鑑。2:馬の手本、模範。3:馬の姿やものの形を映し見る道具。4:ばかん。「いやんー。」


山口晃 大画面作品集

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注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
横浜・馬の博物館を運営する(公財)馬事文化財団は、本年創立40周年を迎えます。また、かつてこの地で賑わいを見せた根岸競馬場も開設されて150周年の節目を迎えることから、馬の博物館春の企画展ではこれらを記念し、話題の画家、山口晃の展覧会を開催します。

山口は、大和絵などの古典的な絵画手法を取り入れ、油絵具を用いた新鮮な表現で、美術界を魅了しています。大都市や空港、駅の風景を俯瞰し、その中で生きる人々の暮らしの情景を表わし、過去・現在・未来の時空を超えた大胆な表現は、日本人の精神性を透視したものであり、国内外で高い評価を得ています。特に合戦図や厩図などにみられる馬とオートバイの合体した表現は、馬の持つ潜在的能力を、現代のオートバイに重ねて、動力の力強さを捉え、逞しい日本在来馬の姿を絶妙に表現しています。

今回は、馬の作品に加えて、絵画の題材となっている古典の合戦図屏風、厩図屏風、武者図、そして刀剣、鎧・兜、日本在来馬の標本、オートバイなどを展示します。待望された新作「厩圖(うまやず)」の披露もあり、山口の精緻で魅惑的な作品と馬の博物館所蔵作品(一部借用品含む)とのコラボレーションを是非ご覧いただきたいと思います。

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