青い日記帳 

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「広重ビビッド」

サントリー美術館で開催中の
「原安三郎コレクション 広重ビビッド」展に行って来ました。


http://www.suntory.co.jp/sma/

上野で若冲が大盛り上がりをみせている間に、ひっそりと開幕した感のある「広重ビビッド」展。これが驚きの内容でもういち早く知らせたく、美術仲間に吹聴しまくっています。

とにかく、展示されている歌川広重の浮世絵がこれまで目にしたことがない美しさ、輝きを放っています。ボストン美術館や海外の美術館所蔵の浮世絵で保存状態の良好なものはこれまでも目にしてきましたが、日本国内にこれだけのものがあったとは信じられません。



今回の展覧会に出ている浮世絵は全て、日本財界の重鎮として活躍した日本化薬株式会社元会長・原安三郎氏(はらやすさぶろう・1884〜1982)の蒐集したものです。

歌川広重晩年の代表作である〈名所江戸百景〉〈六十余州名所図会〉が、全点初公開されています。これら2つの揃物は、貴重な初摺であるとともに、保存状態が極めて優れている名品中の名品です。



これほどまで発色の良い広重の作品をこれまで観たことありません。サントリー美術館が誇る高いクオリティーの展示ケースのおかげでもあり、原コレクションを存分に堪能することが出来ます。

制作当初の「試し摺」に近い初摺の姿が鑑賞できる」とてもとても貴重な機会です。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 初公開 歌川広重〈六十余州名所図会〉
第2章 最晩年の傑作 歌川広重〈名所江戸百景〉
第3章 幻のシリーズ 葛飾北斎〈千絵の海〉
第4章 名所絵の名品――葛飾北斎、歌川国芳とともに



歌川広重〈六十余州名所図会〉江戸 浅草寺

右が初摺りで、左が後摺りです。

こうして比べてみると画面からでもその違いははっきりと分かるはずです。繊細なグラデーションや緑、紫などなど。この後摺り作品でも普段目にしているものよりも数段状態の良いものであるのですが、初摺りと並べてしまうと…


また〈名所江戸百景〉と〈六十余州名所図会〉については、広重作品と、描かれた場所の現地調査に基づいた現在の写真を比較出来るキャプションが全てに付けられているとても丁寧な展示となっています。

名品を単に並べるだけでなく、こうした解説が全てに付けられているので、非常に満足度の高い内容となっているとともに、観るのに時間を要する展覧会となっています。

展覧会は始まったばかりですが、混雑してしまうと一枚一枚ゆっくり観られなくなってしまいます。なるべく早めに観に行かれることをお勧めします。

正直、自分もさして期待はしていなかった展覧会だったのですが、行ってびっくり観てびっくりでした。居合わせた美術仲間もみな同様に「これは凄いね。」「今年のダークホースだね。」と口々に言っていました。


葛飾北斎「千絵の海

広重の他にも北斎の幻のシリーズ「千絵の海」が10枚全て一挙公開となっています。海外の美術館でもまず揃いで所蔵しているところは少ないと言われる「千絵の海」。

自分も10枚いっぺんに揃いで拝見したのは今回が初めてのことでした(これから先ももう無いかと…)。海外の美術館で所蔵しているものは画帳になっている状態のものらしく、こうして全ていっぺんに展覧会で観られることは本当にレアケースなのだそうです。



歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」をゴッホが油彩で模写してるのを観て、こんなに緑や赤は浮世絵では濃くないのにな〜と思っていましたが、退色する前の浮世絵はまさにゴッホが描いた通りの色だったのだと納得。

原安三郎氏によって蒐集・秘蔵されてきた歌川広重や葛飾北斎の浮世絵コレクションを惜しげもなく公開している「広重ビビッド展」。原安三郎氏についても行かれる前に簡単に調べていくと良いかもしれません。

こんな綺麗な浮世絵が日本国内にあったなんて!

「原安三郎コレクション 広重ビビッド」は6月12日までです。是非是非!


原安三郎コレクション 広重ビビッド

会期:2016年4月29日(金・祝)〜6月12日(日)
開館時間:10:00〜18:00 (金・土は10:00〜20:00)
※5月2日(月)〜5月4日(水・祝)は20時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日 ※5月3日(火・祝)、6月7日(火)は開館
会場:サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/
主催:サントリー美術館TBS、朝日新聞社
特別協賛:日本化薬
協賛:三井不動産、サントリーホールディングス
後援:(公財)アダチ伝統木版画技術保存財団


広重「名所江戸百景」の旅: あの名作はどこから描かれたのか (別冊太陽 太陽の地図帖 29)

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注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
日本財界の重鎮として活躍した日本化薬株式会社元会長・原安三郎氏(はらやすさぶろう・1884〜1982)の蒐集した浮世絵コレクションのうち、歌川広重(うたがわひろしげ・1797〜1858)最晩年の代表作である〈名所江戸百景(めいしょえどひゃっけい)〉、および〈六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)〉を中心にご紹介いたします。前者は江戸名所、後者は五畿七道(ごきしちどう)の68ヶ国の名所を題材としており、とくに前者は当時からたいへんな人気を博していました。需要の増加とともに、摺りの手数を簡略化した「後摺(あとずり)」が複数制作されるようになりますが、本コレクションのものは、貴重な「初摺(しょずり)」のなかでもとくに早い時期のもので、国内にも数セットしか存在しません。初摺の行程では、広重と摺師が一体となって色彩や摺りを検討しながら進めており、広重の意思が隅々まで込められています。また、版木の線が摩滅せずシャープなため、美しい彫りの線が確認できます。つまり本展では、広重が表現しようとした形や、生涯を通じて追い求めた色彩および彫摺技法の粋を見ることができます。さらに、保存状態が極めて優れているため、制作当初の「試し摺」に近い初摺の姿が鑑賞できる、またとないチャンスです。このふたつの揃物(そろいもの)を全点公開するのは、本展が初めてのこととなります。開催に際し、〈名所江戸百景〉ならびに〈六十余州名所図会〉について、描かれた場所の現地取材を行ないました。広重の作品と現在の写真を、展示および図録で比較していただくことができるのも本展ならではです。〈名所江戸百景〉に関しては、江戸在住の広重が実際に足を運び、写生したものが基になっていると考えられています。一方、〈六十余州名所図会〉については、その大半が典拠資料を参考にしていますが、画面構成に広重の心象風景による表現を加え、オリジナリティーを出しています。また江戸や旅先で実景を目にした体験が反映されていると思われる描写もあり、シリーズのなかでも一際優れた作品となっています。あわせて、本展では葛飾北斎(かつしかほくさい・1760〜1849)や歌川国芳(うたがわくによし・1797〜1861)の名所絵なども展示いたします。とくに、現存数の少ない北斎の〈千絵の海(ちえのうみ)〉が10図すべて揃うのも見どころのひとつです。国内外でも稀に見る名品の数々をぜひお楽しみください。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

ゴッホが模写した広重の(名所江戸百景)は色彩の鮮明さと大胆な構図に魅力が感じられました…。本展示の会期があと残り少なくなって来ているせいか、かなり混んでいました。写真や地図等、地誌学的な解説が付いていて、当時の日本全国の名所観光案内の趣も有りました。風景画の中に溶け込んだ人物の姿にも眼が離せません…。
PineWood | 2016/06/11 5:44 AM
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