青い日記帳 

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「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」

山種美術館で開催中の
開館50周年記念特別展「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016―未来をになう日本画新世代―」に行って来ました。


http://www.yamatane-museum.jp/

山種美術館開館50周年を記念し、1971年から1997年に渡り全14回実施された「今日の日本画 山種美術館賞」の趣旨を継承した公募展「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」を開催中です。

日本画の魅力を後世に受け継いでいくために、平成の世に活躍する若手の絵師たちによる公募展を新たにスタートさせました。

応募総数259点の中から最終選考に残った40作品を今回の「Seed展」で展示紹介しています。全て初めて目にする作品ばかりで、新鮮な感動の連続です。


北川安希子「対自―ハシビロコウ」2016年
川原田明有未「つのづの」2016年

若い感性で描かれた瑞々しい日本画です。川原田明有未さんは若干21歳の学生さんでありながら胡粉の使い方や構図がこれ以上ないほど決まっています。

花鳥画の世界に新たな風を吹き込まんとばかりに、眼光鋭いネットでも人気者のハシビロコウを描いた、作家の強い意気込みを感じさせる作品です。


小田川史弥「春景」2016年

こちらの作家は更に若く、まだ20歳です。不忍池をこんな風に描き上げてしまうとは、末恐ろしい才能です。

さて、7名の審査員による厳選な選考の結果、大賞を筆頭に4つの賞が決定しました。


京都絵美「ゆめうつつ」 [大賞] 2016年

因みに審査は、作家名、経歴は非公開とし、ID番号、作品名などだけが記載されたシートを手元に、作品一点一点を審査員席前まで運び具に観た後に審査員の挙手による得票数の多いものから順に、今回展示されている40作品を選んだそうです。

40作品の中から、大賞に選ばれた京都絵美さんの「ゆめうつつ」のどこが、どう凄いのかは、残念ながら画像でお伝えするのは困難です。

しかし、絵の前に立てば、その瞬間から「あぁ、間違いなく大賞に相応しい作品だ」と深く納得すること間違いなしです。


狩俣公介「勢焔」 [特別賞(セイコー賞)]2016年

狩俣公介さんの「勢焔」もまた然り。画像では数種類用いられている黒色の区別がつきませんが、間近で観るとなんと豊かな黒の表現であるのかと感心せざるを得ないはずです。


狩俣公介「勢焔」(部分)

しかも、フラットな画面でなく、幾重にも塗り重ねられているので、まさにごつごつした岩肌をそのまま再現しているかのようです。岩絵の具を用いて。


長谷川雅也「唯」 [優秀賞]2016年
外山諒「 Living Pillar」 [審査員特別賞]2016年

紫陽花を描いた長谷川雅也さんの「唯」は、花好きの自分にとってはたまらない一枚でした。敢えて今を盛りの紫陽花を描かずに、枯れかけている様をマチエールと光、そして青色を絶妙のバランスの中に収めています。


長谷川雅也「唯」(部分)

ありとあらゆるものを表現できる絵画ですが、やはり美しいことが最大の魅力であることは間違いありません。そう、“美しい現代アート”というパラドキシカルな展覧会がこの「Seed展」です。


外山諒「 Living Pillar」(部分)

そしてまた、「Seed展」に展示されている全ての作品は、長い時間と手間暇をかけ制作されたものばかりです。若干21歳の外山さんの作品は、しゃがんで下から見上げると木目の一部に金泥が用いられていることが分かります。

「現代作家による公募展」と聞いただけで、何かわけのわからない作品に振り回されるだけのイメージが先行するかもしれませんが、山種美術館賞を継承する「Seed展」にはそうした作品は一枚もありません。

40作品全て作家が全力投球で描き、厳しい審査を勝ち抜いた美しく、誇らしげな作品ばかりです。

是非、ご自身の眼でこの感動を味わって下さい。


展示室内には、山種美術館賞を受賞した作品も特別展示されています。40年間の時代の違いを肌で感じ取れます。

受賞・入選作品40点の人気投票を美術館と、専用webページでも行っています。あなたの琴線に触れる作品がきっと見つかるはずです。

「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016 ―未来をになう日本画新世代―」人気投票開催のお知らせ

「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」は6月23日までです。是非是非!


「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」

会期:2016年5月31日(火)〜6月26日(日)
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日
主催・会場:山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/
後援:文化庁、東京都、東京新聞
協賛:セイコーホールディングス 株式会社
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
本賞および公募展の名称に使用した「種」を意味する「Seed(シード)」には、創立者で初代館長の山崎種二の「種」、山種美術館の「種」、そして日本画の未来につながる「種」を発掘し、育てるという願いを込めました。

当館は、日本独特の自然や風土の中で、長いときをかけて磨かれてきた日本画の魅力を、年齢、性別、国籍を問わず、一人でも多くの方に伝えていきたいと考えています。『Seed 山種美術館 日本画アワード』の活動をとおして、日本画を未来に引き継いでいくことができるよう貢献していきたいと思います。


表彰式にて
左上:大賞・京都絵美氏(右)、右下:優秀賞・長谷川雅也氏(右)、左下:特別賞(セイコー賞)・狩俣公介氏(中央)、セイコーホールディングス株式会社代表取締役会長 兼 グループCEO・服部真二氏、右上:審査員奨励賞・外山諒氏(左)、審査員・日本画家 竹内浩一氏(右)
いずれの写真も左は山種美術館館長・山妙子氏


図解 日本画用語事典

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http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4370

注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです

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山種美術館は、日本画の奨励・普及活動の一環として創設した「山種美術館賞」を、1971(昭和46)年から隔年14回にわたり開催、その展覧会である「山種美術館賞展 今日の日本画」は、当時、新人の登龍門として広く注目を集め、高い評価を得ていました。

当館では開館50周年を記念し、かつて実施していた「山種美術館賞」の趣旨を継承した公募展「Seed 山種美術館 日本画アワード」を新たな形で再開いたしました。「今日の日本画 山種美術館賞展」から通算15回目となる本展は、これからの時代にふさわしい、日本画の新たな創造に努める優秀な画家の発掘と奨励を目指します。

このたびのアワードにともない開催する本展では、厳正な審査の結果選ばれた受賞作品を含む40点の入選作品を展示、公開します。7人の審査員による白熱した審査が行われ、多数の力作の中から大賞・京都絵美《ゆめうつつ》、優秀賞・長谷川雅也《唯》、特別賞(セイコー賞)・狩俣公介《勢焔》、審査員奨励賞・外山諒《Living Pillar》*の4点の受賞が決定しました。本展は加えて、松尾敏男《翔》、小山硬《天草(納戸)》(ともに山種美術館)など、過去の「今日の日本画 山種美術館賞展」の第1回〜第4回の大賞と優秀賞作品12点を参考出品します。

開館以来、各時代の日本画を応援してきた当館のあゆみを振り返るとともに、現在そして未来の日本画をになう若手画家の作品をとおして、それぞれの時代の息吹をお伝えします。

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