青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 『パラレルキャリア』 | main | 国芳・国貞 郵便局限定のオリジナルグッズ >>

「ルノワール展」

国立新美術館で開催中の
「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」に行って来ました。


公式サイト:http://renoir.exhn.jp/

印象派の画家の中で、モネと双璧をなす人気を博す、ピエール=オーギュスト・ルノワール。彼の傑作を数多く所蔵するオルセー美術館とオランジェリー美術館から約100点、六本木にやって来ています。

GW中は「若冲展」だけに注目が集まった感もありますが、「ルノワール展」も間違いなく今年を代表する展覧会であることは誰も異存はないはずです。


ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》1876年
オルセー美術館所蔵

ルノワールへの招待』を読んで初めてしったのですが、右下のテーブルの上に描かれているのは、当時のカフェでの定番人気メニュー「ザクロシロップ」(グレナデンシロップ)を用いた飲み物です。

ザクロシロップをビールに混ぜてカクテルにしたり、ソーダで割ってザクロジュースにしたりと、とても人気があったそうです。

女性ホルモン(エストロン)が含まれ健康に良いと昨今言われているザクロをこの大作にさり気なく描き込むなんて流石、女性を美しく描くことに長けているルノワールです。

宗教画でザクロが描かれていると、キリストの受難を表しますが、ルノワール作品の前では、そんな蘊蓄は無用です。



展覧会の構成は以下の通りです。

1章:印象派へ向かって
2章:「私は人物画家だ」:肖像画の制作
3章:「風景画家の手技(メチエ)
4章:“現代生活”を描く
5章:「絵の労働者」:ルノワールのデッサン
6章:子どもたち
7章:「花の絵のように美しい」
8章:《ピアノを弾く少女たち》の周辺
9章:身近な人たちの絵と肖像画
10章:裸婦、「芸術に不可欠な形式のひとつ」


絵を観始めて印象派の画家たちの作品に魅了され、セザンヌからの現代アート、そしてフェルメールにイタリア絵画に日本美術と、その時その時によって絵の好みに自然と変化が起こるものです。

若い頃は、ルノワールの絵の良さがさっぱり分からないどころか、画面がアンゴラヤギの毛のようにぼやぼやしていてどうも好きになれませんでした。

ところが、子どもの頃嫌いだったニンジンが大人になると大好物になるように、年を重ねるごとに素直に「ルノワールの作品っていいな〜」と思える回数が増して行きました。

絵を見続けていると、こんな変化も起こってくるのですから、この趣味一度ハマるとやめられません。


《ぶらんこ》1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 
©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

観ることに加え、本も出来るだけ読むようにします。どうしても自分の「目」だけでは限界があるからです。

たとえば、高階秀爾先生の『誰も知らない「名画の見方」 』のルノワールに関する記述にこんなことが書かれています。
「最先端の近代的なファッションに敏感だったルノワールは、この作品(日傘のリーズ)でも華やかな流行を見事に反映させている。日傘は、まさに当時の最先端ファッションだったのである。しかし、本作でもっとも注目すべきは、肖像画であるにもかかわらず、野外の人物を描いていること、それも光と影の戯れとともに描いていることである。」
(中略)
「ほかの印象派の画家たちは、世界を色彩の輝きだけでとらえようとしたため、虹の七色を基本として描くことを理想としていた。そのため、彼らは黒を色彩とは認めず、パレットから追放したほどなのである。興味深いのは、そのなかにあってルノワールは、黒を色彩として積極的に用いたことだ。」
「ファッション」そしてとくに「積極的に用いられて黒」に注目して観ると、これまで何となく美しいな〜で終わっていた鑑賞にグッと深みが加わるはずです。

既に「ルノワール展」に行かれた方も、改めてこの2点を念頭に観て来られると、違った印象、感想を得られるはずです。


ピアノの前のイヴォンヌと クリスティーヌ・ルロル》 1897-1898年頃
オランジェリー美術館所蔵

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」をはじめ、オルセー、オランジェリー両美術館から、幸福感に包まれたルノワール作品約100点が手を携えてやって来ています。

絵の前でシンプルにいいな〜と感じられるまさに万人受けする展覧会です。

仕事で嫌なことがあったり、学校の友達から既読スルーされちょっと凹んでいたら、六本木へ。幸せで明るい主題しか描かなかった印象派の画家に会いに行きましょう。

「ルノワール展」は8月22日までです。是非是非!


オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展

会期:2016年4月27日(水)〜8月22日(月)
開館時間:10:00〜18:00
金曜日、8月6日(土)、13日(土)、20日(土)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日 
ただし、5月3日(火・祝)、8月16日(火)は開館
会場:国立新美術館 企画展示室1E
http://www.nact.jp/
主催:国立新美術館、オルセー美術館、オランジュリー美術館、日本経済新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・ フランセ日本
協賛:アサヒビール、NEC、花王、KDDI、損保ジャパン日本興亜、第一生命、ダイキン工業、大日本印刷、大和証券グループ、大和ハウス工業、みずほ銀行、三井物産、三菱商事
特別協力:テレビ東京、BSジャパン
協力:日本航空
公式サイト:http://renoir.exhn.jp/

因みに、8月下旬まで、名古屋ボストン美術館で開催中の「ルノワールの時代展」に1枚、国立新美術館「ルノワール展」に2枚。ルノワールが描いた計3枚の「ダンス」を観られます。

普段は、アメリカ、ボストンとフランス、パリに常設されているルノワール「ダンス3部作」が期せずして運よく国内で同時に観られるのです!

ルノワール「ダンス3部作」が日本でまとめて観られます!


左から、ピエール=オーギュスト・ルノワール
ブージヴァルのダンス》1883年 ボストン美術館 
Picture Fund 37.375
Photograph ©2016 Museum of Fine Arts, Boston.
田舎のダンス》1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館
© RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
都会のダンス》1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館
© RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF


「ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影」展

会期:2016年3月19日(土)〜8月21日(日)
開館時間:平日10:00〜19:00、土日祝日10:00〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)
会場:名古屋ボストン美術館
http://www.nagoya-boston.or.jp/
主催:名古屋ボストン美術館、ボストン美術館
共催:中日新聞社
後援:米国大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、在名古屋米国領事館名古屋アメリカンセンター、愛知県、名古屋市、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、名古屋商工会議所
協賛:サンゲツ、リンナイ、中京テレビ
協力:日本航空、近畿日本鉄道、東海旅客鉄道、名古屋市交通局、名古屋鉄道、アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会、ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋、エスカ、中部国際空港、ユニモール


ルノワールへの招待

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4377

JUGEMテーマ:アート・デザイン


注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
世界でも有数のルノワール・コレクションを誇る、オルセー美術館とオランジュリー美術館。本展覧会は、両美術館が所蔵する、100点を超える絵画や彫刻、デッサン、パステル、貴重な資料の数々によって画家ピエール・ オーギュスト・ ルノワール(1841-1919)の全貌に迫ります。

写実的な初期作品から、薔薇色の裸婦を描いた晩年の大作まで、多様な展開を見せたその画業。全10章を通して、肖像や風景、風俗、花、子ども、裸婦といった画家が愛した主題をご紹介します。同時に、革新的な印象派の試みから、伝統への回帰、両者の融合へと至る軌跡も浮かび上がるでしょう。画家が辿った道のりは、常に挑戦であり、終わることのない探究でした。

そして、このたび、ルノワールの最高傑作《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》(1876年)が日本ではじめて展示されます。幸福に身を委ねる人々、揺れる木漏れ日、踊る筆触――本物のルノワールに出会う、またとない機会となるでしょう。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

こんにちは。美術展のブログは毎回拝見して勉強させていただいています、ルノワール展に関する、作品の画像やいつもながらの本質にせまなるご説明を読ませていただき、ルノワールの絵画の美しい色彩や光の表現、絵画魅力などを追体験させていただきました。
ルノワールの最高傑作と言われる『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』をはじめ『ピアノを弾く少女たち』『浴女たち』などルノワール絵画を代表する傑作を間近で見てノワールの絵画にこめられた生きる喜びを感じられて、私も元気をもらいました。

今回のルノワール展からルノワールの絵画の魅力となぜルノワールの絵画が見る人を魅了するのかと、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌとの芸術の本質的の違いを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。


dezire | 2016/07/15 7:25 AM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/4377
この記事に対するトラックバック