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第68回 正倉院展 特別セミナー

2016年10月29日(土)に仏教美術資料研究センターで開催されたアメリカン・エキスプレスメンバーシップイベント「第68回 正倉院展 特別セミナー」に参加して来ました。


第68回 正倉院展 特別セミナーと鑑賞会

昭和21年11月から始まった「正倉院展」も回を重ね今年で68回目となります。毎年は伺えませんがそれでも2,3年に1回は足を運ぶようにしている「正倉院展」。今回はアメックス主催の特別セミナー&鑑賞会があると知りそちらに参加し鑑賞して来ました。

なぜ、アメックス主催なのか少し不思議に思われた方もいるかもしれませんが、芸術、スポーツ、エンタメ等々多種多様な文化的なイベントを開催しているのです。こちらのサイトで確認できます。

昨年も「正倉院展」特別セミナー&鑑賞会を開催され詳細なレポートもアップされていたので、これは是非参加したいと思い日帰りの強行軍でしたが奈良まで行って参りました。


セミナー会場となったのは奈良国立博物館 仏教美術資料研究センター 関野ホール(明治35年に竣工された奈良県物産陳列所。現在は重要文化財指定を受けている建物です。)

普段は水曜日と金曜日しか公開されていないこの歴史ある建物の中でセミナーを聴けるというプレミア感がたまりません。初めて入った建物でしたので、あちこちきょろきょろと挙動不審な動きをしてしまいました。
【建物について】
 建物は、明治35年(1902)竣工、同年奈良県物産陳列所として開館し、県下の殖産興業と物産の展示販売をおこなう施設として利用されました。設計者は、建築史学者で当時奈良県技師として古社寺保存修理事業に尽力した関野貞(せきのただし)(1867-1935)です。
 木造桟瓦葺(さんがわらぶき)で、小屋組(こやぐみ)や壁などに西洋建築の技術をとりいれつつ、外観は和風を基調としています。正面に唐破風造(からはふづくり)の車寄(くるまよせ)をつけた入母屋造(いりもやづくり)の中央楼(ちゅうおうろう)から、東西に翼部(よくぶ)を延ばし、その先に宝形造(ほうぎょうづくり)の楼(ろう)をおいており、その左右対称の優美な姿は、宇治の平等院鳳凰堂を彷彿させます。細部に割束(わりづか)、蟇股(かえるまた)、虹梁(こうりょう)、舟肘木(ふなひじき)など、飛鳥時代から鎌倉時代にかけての伝統的な建築様式を取り入れる一方、窓にはイスラム風の意匠もみられます。構造・意匠に東西の要素を巧みに取り入れた明治中期を代表する近代和風建築として高く評価されています。

http://www.narahaku.go.jp/guide/05.html


奈良国立博物館 仏教美術資料研究センター

今回のセミナーで講師を務めて下さったのが、奈良国立博物館学芸部長の内藤栄氏。15時から約1時間ほど正倉院の成り立ちから今回の「正倉院展」の見どころなどスライドを使い、時に笑いも交えて丁寧に解説して頂きました。

内藤学芸員自身も正倉院という言葉を聞くとワクワクするそうで、これこそが毎年多くの人を集める人気展覧会の一番の秘密ではないかと思いました。確かにこの時期になると都内でも正倉院展のポスター、チラシを目にし「今年はどうする?」とのやり取りをワクワクしながらするものです。


鳥木石夾纈屏風」(北倉)

一口で正倉院と言っても中は大きく3分割(北倉、中倉、南倉)されており、その中でも聖武天皇ゆかりの品々が収められているのが北倉です。

「鳥木石夾纈屏風」はその北倉に収蔵されている屏風で、模様を彫った板2枚に布を挟んで染めて作った夾纈(きょうけち)という技法で作られています。

一般的に我々が目にする屏風は一隻六扇(六曲)であれば全体で一枚の「絵」となっていますが、飛鳥・奈良時代の屏風は一扇一扇で「絵」が成立しているのが特徴だそうです。

実際に会場で見ると鳥の羽も丁寧に色分けされ表現されていたり、樹木の左右に蜂や蝶の飛ぶ姿が描かれるなど画像ではわからない見どころ満載です。花もまたとてもよいアクセントとなっています。



1000年以上も昔に描かれた屏風絵ですが、現在でもこうした図像は身近なところでも目にする機会が多くあります。今年の9月に行われたIngressのアノマリー(世界大会)Via Lux(ヴィアラックス)のシンボルマークを思い浮かべつつ拝見しました。

さてさて、やはり事前に専門家のお話を伺ってから観るとポイントを抑えられ「見逃し」がなくて済むのがありがたいな〜とあらためて今回感じました。とりわけ「正倉院展」ではこれは実に有効かと思われます。


内藤栄氏(奈良国立博物館学芸部長)

前述した通り、とかく難解になりがちな専門的な解説を平易な表現で我々に伝えてくれる内藤氏の話術には感服。

メインビジュアルに用いられている「漆胡瓶(しっこへい)」はペルシャ風の変哲のない水差しを中国人の趣味で鳥や鳳凰の姿に似せて作ったこと、正倉院からの貸し出しの記録「出入帳(しゅつにゅうちょう)」にはあの道元の名も見られること、「大幡残欠(だいばんざんけつ)」の隅は組紐で作られており、下先には鈴がつけられ風で揺れるとその音色とともに美しさがより際立ったこと等々。

また「牙櫛(げのくし)」には125本もの歯があるのは髪を梳かすだけでなく頭にいた虫やその卵を落とすためだったのですよ〜と会場をどよめかせたり、「革帯」には犬の皮が用いられていて愛犬家の自分としてはとても悲しいといったお茶目な面を見せたりと、サービス精神旺盛で全く飽きさせないトークでした。



セミナー拝聴後は、会場裏手にある奈良国立博物館へ移動し「正倉院展」を自由観覧。今回のセミナー&鑑賞会参加者は並ばずに優先入場できる大きな特典付きでした。

「正倉院展」チケットに図録、音声ガイド、そして特別セミナーが聞けて20時までゆったり観覧できるとてもお得な内容ですが、それだけではなく参加費用の中から1000円分を文化財保存のため、奈良国立博物館文化財修理費用に充てるというちょっとした文化貢献もできる他にはないまさにプレミアムな企画でした。

本当なら奈良に一泊し翌日も都路をあちこち巡りたかったのですが、大きな作戦参加のため後ろ髪引かれる思いで奈良博を後にしました。

来年もこうした素敵なイベント実施して頂きたいものです。アメックス主催のイベント他にも魅力的なものたくさんあります。是非チェックしてみてください!


「第68回 正倉院展」

会期:2016年10月22日(土)〜11月7日(月) 会期中無休
開館時間:午前9時〜午後6時(入館は午後5時30分まで) 金曜、土曜、日曜、祝日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
休館日:会期中無休
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館
(奈良市登大路町50番地)
http://www.narahaku.go.jp/
主催:奈良国立博物館
協賛:岩谷産業、NTT西日本、キヤノン、京都美術工芸大学、近畿日本鉄道、JR東海、JR西日本、ダイキン工業、大和ハウス工業、白鶴酒造、丸一鋼管
特別協力:読売新聞社
協力:NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、日本香堂、仏教美術協会、ミネルヴァ書房、読売テレビ
http://www.yomiuri.co.jp/shosoin/
http://www.yomiuri.co.jp/special/shosoin/

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本年の正倉院展には、北倉(ほくそう)10件、中倉(ちゅうそう)29件、南倉(なんそう)22件、聖語蔵(しょうごぞう)3件の、合わせて64件の宝物が出陳されます。そのうち初出陳は9件です。例年通り正倉院宝物の概要がわかるような構成ですが、本年も宮内庁正倉院事務所による最新の調査成果を反映した内容に特色がみられます。また正倉院正倉の整備事業の完了を受け、宝庫や宝物の来歴を伝えるような宝物も出陳されます。  
 聖武天皇ゆかりの北倉からは、シルクロードの遺風を伝える名品として夙(つと)に有名な漆胡瓶(しっこへい)が、正倉院展では18年ぶりに出陳されます( ※ )。また鳥木石夾纈屏風(とりきいしきょうけちのびょうぶ)は、聖武天皇のお側(そば)近くにあった屏風で、花鳥を愛でた当時の宮廷生活が垣間見られる宝物です。  
 また、本年は聖武天皇一周忌斎会(さいえ)で懸吊された大幡(だいばん)(灌頂幡(かんじょうばん))に関連する宝物がまとまって出陳されるのも注目されます。大幡は総長13〜15メートルに及ぶと考えられる巨大な幡で、多数の幡が法会(ほうえ)の場を華やかに飾ったと考えられます。今回は幡の本体、脚、脚先の飾り、芯に使われた裂(きれ)が出陳され、その全容が想像されます。  
 ところで、本年は多種多様な金工品が出陳されるのも注目されます。宝庫に伝わった奈良時代の銅銭、唐と日本の鏡、合金に用いられる金属のインゴットなどの鋳造(ちゅうぞう)に関係する品々、あるいは漆胡瓶と同じく平脱(へいだつ)技法が用いられた竽(う)、笙(しょう)、平脱鳳凰頭(へいだつのほうおうのかしら)などの装飾性豊かな器物類、そして目にも美しい様々な飾り金具など、金属と古代の日本人の関係にも思いを馳せていただければ幸いです。  
 このほか、素材の異なる3種の笏(しゃく)や、高度な技法で作られた象牙(ぞうげ)の櫛、近時の調査で染色材料が判明した愛らしい鳥形の飾りなど、天平の技と風俗にもご注目下さい。
※公開は、御即位20年記念特別展「皇室の名宝」(東京国立博物館 平成21年)以来、7年ぶり
   
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