青い日記帳 

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「杉本博司展」再び

森美術館で開催中の「杉本博司展」に行って来ました。
前回行ったのが10月1日。→こちら
それから一ヶ月以上が過ぎました。

その間、この展覧会ほど「また観に行きたい!」と思わせる
展覧会は今までなかったような気がします。

徒然に感想を記しておきます。

数理模型を写した作品が展示してある部屋の明りが気になりました。
明りというより影といった方が適当かもしれません。



全体を見通せる位置から床に伸びた影に注目してみてください。
数理模型の持つイメージとはまるで逆の
捉えにくい幻想的な景色が広がっています。

その流れで、彫刻作品「観念の形」も影に着目してみました。
すると・・・二つの作品が平行に並べて展示してあるにも関わらず
影の向きがそれぞれ異なっていることに気が付きました。

ディニ曲面」は正面から直線的な影。
オンデュロイド」は斜め45度の影。

これらの影は、前回見落としていました。
この影の角度やつき方もすべて杉本氏自身の指示によるものだそうです。

剥製を写した「ジオラマ」シリーズも新たな発見がありました。
白熊を写した作品がチラシや六本木ヒルズ内随所に広告として掲げられています。
それらを見慣れたせいでしょうか、以前より作品を前にしても
本物らしく見えなくなってしまっている自分を発見しました。

どういうことか?

杉本氏はこう言っています。
どんな虚像でも、一度写真に撮ってしまえば、実像になるのだ。
剥製という虚像を撮影し実像に昇華させてしまった杉本氏。
「リアル」な世界が広がっています。
でも、その写真作品を更に写真撮影し印刷したチラシや広告はもっとリアルな世界のように感じたのです。

 

写真作品を更に撮影することで一層リアルになる。
それは虚像が一歩実像に近づいたことでもあります。

だから、今回実物の作品を前にした自分は広告用の写真と比べ
リアリティーが薄らいだイメージをそれに抱いてしまったのでしょう。

今回気が付いたことは、まだあります。
前回訪れたのは夜でした。日も暮れた夜でした。
今回は昼に行きました。お昼近くです。晴天の日でした。

昼に「海景」の展示室へ入ると戸惑いを覚えます。
暗いんです。とても。展望台から見る東京とは
全く違った世界が同じ階に存在している不思議。

その奇妙さに終始囚われてしまい、前回のように涙は出てきませんでした。
池田亮司氏によるサウンド・インスタレーションの重低音の耳を切り裂くような音が
前回は気にならなかったのですが、今回はやけに耳につきました。
「キーーーーン」「キーン」と。これも奇妙さに一役かっていました。

日没1時間前からこの展示室は天窓を開放しています。
能舞台の真上に天窓があります。
毎日違った闇がやってくるとのこと。
今の季節なら5時くらいに出かけるとそれが見られますね。(見たい)

因みにこの桧舞台触ってもOKだそうです。前回も触れてきました。
それとかがんで舞台の下を見るのも一興です。

晴れた日の昼間に行って発見したこと、もう一つ。
それは護王神社の模型。
地下の隧道の奥から光が差し込んでいました(1/3くらい)
あれ?と思って先を見ると…………
その先には展望台から観るのと同じ景色が広がっていました。
夜だとこれ分りません。

これも杉本氏の指示で海の見える方向。横浜方向に設定されているそうです。
実際の護王神社の隧道は瀬戸内海に向けられているそうです。(行きたい…)

江戸時代から祀られている護王神社の改築にあわせ、本殿と拝殿の建物、また拝殿の地下の石室を杉本博司が設計しました。これらの建物そのものが作品と言えます。石室と本殿とはガラスの階段で結ばれていて、地下と地上とが一つの世界を形成しています。本殿と拝殿は、伊勢神宮など初期の神社建築の様式を念頭に、さらに作家自身の美意識に基づくものとなっています。

シアターブックも夜の方が発酵×発光○度が高かったように思えました。

そんなこんなで、一度目と二度目。夜と昼。では
見え方、感じ方が随分と違ってしまう展覧会の感想でした。

写真ってやっぱり光が一番重要なんですね。カメラ




土屋誠一氏の「展覧会という作品」で会場の様子をとても見事に表現なされています。画像もあります。
展覧会 | permalink | comments(2) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

はじめまして^^TBさせていただきました^^
私も、泣きました(^_^;)
本当に、また行きたい!!!と感じています。
mana | 2005/12/11 9:34 PM
@manaさん
こんばんは。

TBありがとうございました。
いいですよねーー
年が明けてもやっているので
機会があればまた行きたいです。
行くたびに新たな発見あります。
Tak管理人 | 2005/12/11 11:02 PM
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足跡残しておきますね★
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