青い日記帳 

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「円山応挙 「写生」を超えて」

根津美術館で開催中の
開館75周年特別展「円山応挙「写生」を超えて」に行って来ました。


http://www.nezu-muse.or.jp/

所謂奇想の画家たちが貴ばれる昨今の江戸絵画ブームの中にあって、真の実力者である円山応挙の凄さを体感できる展覧会が根津美術館で開催されています。

2013年に愛知県立美術館で開催された「円山応挙展 ―江戸時代絵画 真の実力者―」をご覧になられていない方や、それ以降に日本美術ファンになられた方にとっては絶対に見逃せない展覧会です。

周辺の京都の画家たちを整理・確認しておきましょう。

伊藤若冲(1716年〜1800年)
池 大雅 (1723年〜1776年)
曾我蕭白(1730年〜1781年)
円山応挙(1733年〜1795年)
長沢芦雪(1754年〜1799年)


「写生派の祖」と呼ばれ、大御所的なイメージの応挙ですが、こうして見ると決してそうではないことよく分かります。若冲と応挙では実に17も歳の差があるのには驚きです。

小学館創業90周年記念企画 日本美術全集の第2回配本は「若冲・応挙、みやこの奇想」でした。若冲は奇想というのは分かりますが、応挙は果たしてそれに当たるのでしょうか。

応挙ってそれこそ教科書的な作品が多いイメージがありますよね。悪く言えば上手いけど面白みに欠けるような作品を描く画家といった。


円山応挙「木賊兎図」1786年
静岡県立美術館蔵

現代の我々の絵画に対する接し方は、西洋絵画の遠近法的を踏まえた作品をベースにしています。つまり2次元にあたかも立体的な3次元空間を描き出す手法です。

それが正しい絵画であり正しい鑑賞とすると、若冲や琳派の作品などはそれこそスーパーフラットに見え、新鮮な驚きを与えてくれます。これが日本美術ブームのひとつの大きな要因でもあります。

しかし、応挙は、これまでに観たこともない平面的ではなく、普段我々がよく見慣れた立体的な作品を描いているのです。ここが面白みに欠ける点であるのですが、冷静に考えれば1700年代の日本でそうした作品を描いてしまった最先端を行く絵師と言えます。



今回の展覧会には出ていませんが、大英博物館所蔵「氷図」などその最たる一枚と言えるでしょう。奇跡的に出品された重要文化財「雨竹風竹図屏風」圓光寺蔵 もまた然り。

なぜ応挙は見えないものが描けたのか。
波を描く、氷を描く、雨を描く、風を描く、雪を描く。


当時の人が見たこともない立体的な飛び出る絵画。これにはさぞビックリしたことでしょう。でも奇をてらったのではなく応挙は目の前にあるものを忠実に描こうとしただけなのです。

そう、まさに「円山応挙 「写生」を超えて」です。

展覧会の構成は以下の通りです。

第一章 応挙画の精華
第二章 学習と写生の徴
第三章 七難七福図巻の世界



円山応挙 重要文化財「藤花図屏風」1776年
根津美術館蔵

正直、光琳の「燕子花図屏風」よりも毎年この「藤花図屏風」を見せて頂きたいと懇願したくなるほどなんど観ても見飽きることのない作品です。

そして、応挙の凄さを肌で感じ取れます。藤の花が満開になるちょっと前を描いています。写真でしか花を見たことがなかったり、通りすがりにチラ見しただけでは応挙が描いた藤花の良さは分かりません。

つまり、応挙の作品を観るためには鑑賞者側にも普段から物事を隅々まで捉えて観る目が求められるのです。

幸いなことに、根津美術館さんには南青山にあるとは思えないほど広大で自然豊かな庭園があります。専属の庭師さんにより毎日行き届いた手入れがなされています。

そこで自然を観察すると、あらためて応挙の写生力に感嘆します。さらに絵画化するにあたりその写生を一歩も二歩も進めていることに驚異さえ覚えるはずです。

「円山応挙 「写生」を超えて」は12月18日までです。是非!

後期展示には「雲龍図屏風」(重要文化財)、三の丸尚倉館所蔵の「源氏四季図屏風」、それに「秋野暁望図」などが登場します。


「円山応挙 「写生」を超えて」

開催期間:2016年11月3日(木・祝)〜12月18日(日)
休館日:月曜日
開館時間:午前10時〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
会場:根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/


根津美術館 プライベートミュージアムの最高峰
知られざる庭園の素顔。都会のオアシスに点在する石塔・石仏めぐり。庭園マップ収録。根津美術館の主要美術作品187件(国宝7件、重要文化財87件、重要美術品93件)すべてを、写真つきで一覧に。また、絵画、陶磁器、茶道具、工芸、青銅器、仏教美術、書など、掲載作品とその周辺を館内外の美術史家がわかりやすく解説。初代・根津嘉一郎の美術品蒐集に始まる根津美術館70年の歩みや、美術館の過去と現在を、根津公一館長へのインタビューも交えて掲載する。

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 円山応挙(1733〜95)は、「写生」にもとづく新しい画風によって、日本の絵画史に革命を起こした画家です。そんな応挙の「写生画」は、超絶的かつ多彩なテクニックによって支えられています。しかし近年、写生ないし写生画という言葉だけではとらえきれない応挙の多面性、作品世界のバックグラウンドが指摘されることも多くなっています。
 本展は、応挙の生涯を代表する作品の数々を、根津美術館の展示空間の中であらためて見つめ直そうとするものです。あわせて、さまざまな可能性を秘めた若き日の作品、絵画学習の痕跡を濃厚にとどめた作品、そして鑑賞性にも優れた写生図をご覧いただきます。「写生」を大切にしながらも、それを超えて応挙が目指したものは何だったのかを探ります。
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