青い日記帳 

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「ベトナム近代絵画展」

東京ステーションギャラリーで開催中の
「ベトナム近代絵画〜花と銃―インドシナ・モダンの半世紀〜」展に
行って来ました。



2003年に同じ場所で開催された「イ・クトゥット・ブディアナ
アジアの美術に触れる数少ない好機でした。
今でもこのバリ島発祥のアートは心にしっかり刻まれています。

その余韻を持ちながら「ベトナム近代絵画展」に出向いてきました。
ところが、同じアジアの美術展といっても毛色が随分違います。
バリ島のような未知の神々が画面から這い出てきそうな
強烈なインパクトが今回の展覧会では見受けられませんでした。

ただそれは、自分の無知故のこと。
「アジア」をいう枠で括ったとしても
それぞれの国で食べ物や宗教も違えば言語も違います。
それは文化の違いです。

そんな当たり前のことを忘れて出向いたわけでした。反省。

ベトナムにはベトナムの文化があります。
ただしそれは争い事と背中合わせの文化です。
歴史を振り返れば簡単に分かります。

ベトナム戦争が終わったのはまだ30年前でしかないのです。
チャン・チュン・ティン「少女と銃と鳥」「母を背負う息子
これらの作品は戦火の中新聞紙に描かれた作品です。

またごく普通の家庭を描いた作品の中にも
これまた普通にライフル銃が描かれています。


開放の夜のハノイ

1954年の作品です。
この年の、9月2日にハノイでベトナム民主共和国の独立が宣言されました。

ベトナム=戦争のようなイメージがどうしても
拭い去れないのですが、それでも独自の美術が花開いているのが救いかと。

例えば有名なこの作品。


リエン嬢

webでは分かりませんが光の当たる角度によって
表面が光ります。金色に!!(百式ではありません)

特にかがんで下からの角度から観るとまさに金色!
金彩が輝いてとても綺麗です。

これは漆絵と呼ばれるものだそうです。
漆自体は珍しいものでもなく日本の工芸品にも見られます。
ところがベトナムの場合、フランスの植民地だった経緯もあり
漆を絵画の画材として用いるようになったそうです。

今回出展されている88枚の作品のうち
実に32枚が漆絵・彫漆だそうです!
もうこれは立派な絵画文化です。

ミレー、シスレー、ピカソやブリューゲルを思わせる作品もありました。

以下今後の巡回先です。
2006年1月 5日〜3月 5日 高知県立美術館
     4月15日〜5月28日 和歌山県立近代美術館
     6月 3日〜7月23日 福岡アジア美術館

ベトナム家庭料理の店「ラ・スコール」の割引券が置いてあったので貰ってきました。ベトナムに行ったことのあるかみさん連れて食べに行くことにしましょう。
今から80年前(1925年)、ベトナムで芸術家を養成するため、インドシナ美術学校がフランス人画家タルデューによって、ハノイに創立されました。この学校で学んだ画家たちは、国が求める経済的利潤のための職人の養成という思惑とは別に、〈芸術家〉たるべき思考や新しい技法を学び、政情の変化や戦時下に屈することなく、ベトナム近代美術の流れをつくる大きな原動力となっていきました。そして、ベトナムの画家たちは、伝統的な絹絵、漆絵、木版画の世界に、西洋的な技法や感覚と伝統的な要素をあわせて新たなる展開をこころみ、また油彩という新しい分野では題材を身近なところに求めつつ、それまでなかったモダンで優美な人物像や風景画を作り出していきました。“戦争”という時代背景も、絵画の制作の重要なテーマでした。

本展では、ベトナム近代絵画のパイオニア的作家の作品、漆絵の巨匠インドシナ美術学校初のベトナム人教師グエン・ジア・チイの華やかな漆絵、フランスの展覧会でも作品を出品して評価を得た絹絵の世界を方向付けたグエン・ファン・チャンのベトナム国内の何気ない日常を描く情緒ある作品、西洋の油絵をベトナムに紹介し、その後社会主義リアリズムの道を開拓したト・ゴク・ヴァンの初期の優美な人物像、チャン・チュン・ティンの新聞紙に描く武器を持つ少女像など、代表的な画家たちによる多彩な作品を紹介します。

このたび実現することになった、ベトナム近代絵画展を、この機会にぜひお楽しみ下さい。ベトナムの画家たちが表現し開拓してきた近代絵画の歴史を感じることは、やはり異文化を吸収しながら新たなものを作り出してきた我々の文化観に新鮮な視野を与えてくれるかもしれません。
展覧会 | permalink | comments(13) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

Takさん、こんばんは。
ベトナム絵画って、まだ一度も観たことがない気がします。
何だか不思議な魅力がありそうですね〜。
なんと、我が家のご近所にも巡回してくれるでは
ありませんか!
まだ先ですが、是非行ってみます。
いつもご紹介ありがとうございます♪
先日「佐伯祐三展」を鑑賞したのですが、
素晴しかったです。また新しい画家のファンになりました。
Anna | 2005/11/22 9:00 PM
はじめまして。
コメントありがとうございました。
HP、すごい綺麗ですね!!!

東京ステーションギャラリーの
ベトナム近代絵画展、
良さそうですね。
通勤で東京駅を使っているので、
会社帰りにぜひ寄ってみようと思います。
hisui | 2005/11/22 9:25 PM
東京に行ったらこれを見ようと思っていました。
特に楽しみなのが「リエン嬢」。
時間があればいいのですが・・・。
リセ | 2005/11/22 11:08 PM
ハノイには、ギャラリーがたくさんあって、刺繍画を2点ほど買ったことがあります。
ちょっと離れて見ると、油彩画のように見えます。

この展覧会 12日に上野に行った帰りに見ましたが、油彩画より、漆絵のほうがよく見えました。とくにリエン嬢は、最高です。
また、ベトナムに行きたくなりました。
じゅん | 2005/11/23 8:01 AM
@Annaさん
こんばんは。

私もこの辺の国々にはまだ行ったことがないので
どんな文化を持っているのか肌で感じ取ったことがありません。
かみさんから聞いた話や行ってこられた方の感想を読む程度です。
この展覧会色々な角度から観ることができ
絵だけでなくあれこれ考えさせられるものがあります。
是非、巡回したら足を運んでみてください。
新しい何かを発見できると思います。

@hisuiさん
こんばんは。

東京駅をお使いでしたら是非。
ステーションギャラリーは
こうした良質な展覧会をコンパクトに開催してくれて
とても有り難い存在です。
仕事の疲れも忘れさせてくれるやもしれません。

@リセさん
こんばんは。

リエン嬢。有名だそうですね。
角度によってキラキラ輝きます。
出来れば床に寝転んで・・・
お待ちしています。お越しを!

@じゅんさん
こんばんは。

じゅんさんは、あちこち沢山行かれているので
こうした展覧会を観ても楽しいでしょうねーきっと。
フェルメールを見終えたら是非アジアの国々に
足をのばしてみたいと思っています。

知らない世界の知らない作品に触れる
絶好のチャンスでした。
Tak管理人 | 2005/11/23 9:29 PM
Takさん、こんばんは。

戦争の歴史とも言うのでしょうか、
一見、ごく一般的に描かれたような作品にまで、
仰られる通りに、銃や兵隊が出てきました。
ベトナムの置かれてきた状況が良く分かる絵画展でした。

>32枚が漆絵・彫漆だそうです!
もうこれは立派な絵画文化です。

私もそう思いました。
そしてそれらが一番見応えありましたよね。
はろるど | 2005/11/28 12:19 AM
@はろるどさん
こんにちは。

漆絵ははじめの一枚だけがそうなのかと思い
しゃがんだり背伸びしたりして
一生懸命観てしまいました。キラキラを。
ところが沢山あるんですよね〜

あんなに奇麗に輝くものなのだと
初めて知りました。

戦火の中にあっても希望の火が
キラキラ消えずに残っているような気がしました。
Tak管理人 | 2005/11/28 8:04 AM
こんにちは。
漆絵、とても興味深かったです。ベトナムの絵画、まとめて見られる機会は、なかなかないので、貴重な美術展だと思いました。
うちのブログでも書いたのでTBさせてください。
自由なランナー | 2005/12/06 8:02 AM
@自由なランナーさん
こんばんは。

TBありがとうございます。
これ本当に貴重な展覧会ですね。
もっと宣伝していいかと思います。
色々な収穫のあった展覧会でした。
Tak管理人 | 2005/12/06 11:45 PM
はじめまして。
ベトナム近代絵画展見に行った人がいたなんて感激です。
私も書いてます。TBさせてください。
これからよらせてもらいます。
bennaka | 2005/12/07 11:49 PM
@bennakaさん
こんにちは。

コメント&TBありがとうございます。
楽しめましたよー
ベトナム美術。
堪能してきました。
ひとりのんびりと。
こちらこそ宜しくお願いいたします。
Tak管理人 | 2005/12/08 7:59 AM
ベトナムの絵画展、ここで比較されている画家のカトゥット・ブディアナ氏がたまたま来日していたのでご案内しました。やはり漆や金箔などの画材のおもしろさに注目されていました。刺激を受けて和紙や柿渋、ニカワなどで描いていました。ベトナム展とブディアナ氏奇遇だと思い投稿させて頂きました。
padoma | 2006/07/02 3:42 AM
@padomaさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

そして情報ありがとうございました。
知らない絵画の世界まだまだやまのようにあります。
こうした機会に少しでも触れることができるのは
とても嬉しいことです。

Tak管理人 | 2006/07/03 7:34 PM
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