青い日記帳 

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「海北友松展」

京都国立博物館で開催中の
開館120周年記念特別展覧会「海北友松」に行って来ました。


http://yusho2017.jp/

観に行かれた方の評価がこれほど高い展覧会も年にそう滅多にあるものではありません。狩野永徳、長谷川等伯と並ぶ桃山時代に活躍した絵師・海北友松(かいほうゆうしょう)の画業を振り返る初めての展覧会です。

知名度からすると、狩野永徳と長谷川等伯の陰に隠れてしまう海北友松ですが、実は3人の中で最も年長者であり、最も長く生き絵筆を握り活躍した絵師です。



あまりの忙しさで「過労死」してしまったとさ言われている永徳(とその祖父・狩野元信)に師事し狩野派の技法を学んだ友松。83歳で生涯を終えるまで多くの作品を描き残しています。

今回の展覧会では、永徳がこの世を去ってから(狩野派を離れた)の友松作品をまとめて時系列で観られたのが何よりもの収穫でした。


海北友松「山水図屏風

この作品ではまだ狩野派特有の描き方をしています。因みに友松は絵師を志したのが遅く、元々は海北家の再興を願い東奔西走した人物です。

若い頃の作品がほとんど残っておらず、50歳過ぎてからのものが大半を占めるのはそうしたことに起因しているのです。


海北友松「重要文化財 龍雲図
京都、建仁寺

60歳を過ぎてから「独立」した友松が得た最も大きな仕事のひとつが建仁寺からのものでした。内部装飾を任されたのです。

「龍雲図」の迫力はこれまで観たことも感じたこともないような大きなものでした。今にも、ぐわっと開いた龍の片手が観ている者を頭から鷲掴みにし、連れ去ってしまいそうです。

武人やお寺が好みそうな作品ばかりかと言えばそうではありません。こんなにさっぱりとした作品も描いています。


海北友松「浜松図屏風
宮内庁三の丸尚蔵館

こちらは、八条宮智仁親王のために描いた金碧屏風。皇族の好みとしてこんなに静かな画面を描いたのか、それともすでに絵師自体が年齢を重ね悟り境地に達していたのか定かではありません。

しかし、人との出会いというのは年相応、経験値に応じてであったりするものです。70歳を過ぎた友松の心境と八条宮智仁親王好みが見事に収まっているように見えます。


海北友松「重要文化財 花卉図屏風
京都、妙心寺

いい感じで絵師として枯れてしまったのかと思いきや、最晩年にはこんな派手で大ぶりな作品も残しています。所謂「妙心寺屏風」です。

まだまだ人生これからだ〜という友松の心の声を反映したかのような見事な牡丹の咲きっぷりです。老いを感じるどころか生きる喜びが前面から伝わってきます。

展覧会の構成は以下の通りです。

第一章 絵師・友松のはじまり―狩野派に学ぶ―
第二章 交流の軌跡―前半生の謎に迫る―
第三章 飛躍の第一歩―建仁寺の塔頭に描く―
第四章 友松の晴れ舞台―建仁寺大方丈障壁画―
第五章 友松人気の高まり―変わりゆく画風―
第六章 八条宮智仁親王との出会い―大和絵金碧屏風を描く―
第七章 横溢する個性―妙心寺の金碧屏風―
第八章 画龍の名手・友松―海を渡った名声―
第九章 墨技を楽しむ −最晩年期の押絵制作−
第十章 豊かな詩情―友松画の到達点―


「海北友松展」はこれまで京博で数々の展覧会を手掛けてこられた山本英男(京都国立博物館学芸部長)の最後の展覧会ということもあり、いつも以上に気持ちが込められていました。

それは、会場構成及び、会場での作品の見せ方ひとつにしても、普段と違うことを肌で感じ取れました。展覧会を通して「友松愛」が強く感じられます。


海北友松「月下渓流図屏風
米国・ネルソン・アトキンズ美術館

昭和33年に日本を離れてから一度も帰国したことのない友松最晩年の水墨画の優品が60年ぶりに里帰りを果たし、この展覧会のトリを飾っているのです。

泣かせる演出とはこのことです。

「海北友松展」は5月21日までです。もちろん巡回などありません。京都でしか観られない、京都で観るからこそ価値のある展覧会です。是非!


開館120周年記念特別展覧会
海北友松


会期:2017(平成29)年4月11日(火)〜 5月21日(日)
休館日:月曜日
開館時間:午前9時30分から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
※ただし会期中の毎週金・土曜日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
会場:京都国立博物館 平成知新館
http://www.kyohaku.go.jp/
主催:京都国立博物館、毎日新聞社、NHK京都放送局、NHKプラネット近畿
協賛:大和ハウス工業、日本写真印刷
協力:日本香堂
公式サイト:http://yusho2017.jp/


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 海北友松(1533〜1615)は狩野永徳や長谷川等伯と並び称される桃山画壇の巨匠です。近江浅井家の家臣の家に生まれた彼は、若年を東福寺で過ごしましたが、主家や兄が信長に滅ぼされるに及び、還俗して狩野派の門を敲き、画の道に進んだと伝えられています。いま遺る作品のほとんどは狩野派から独立して以後の晩年期(60歳以降)のものですが、鋭い筆遣いが駆使された気迫溢れる水墨画や詩情豊かな大和絵金碧画などは、ほかの誰の作とも似ていない、まさに友松ならではのものといえましょう。
最晩年まで絵筆を握り続け、83歳でその生涯を終えた桃山最後の巨匠の世界を、心ゆくまでご堪能ください。

近江の戦国大名・浅井家に仕え、「家中第一の剛の者」とうたわれた綱親(つなちか)を父に持つ友松でしたが、その父や兄を戦で次々と失う中、武門の再興を夢見ながらも、刀を絵筆に持ち替えて戦国の世を生き抜きます。
武士の気概と絵師の誇りをあわせ持った友松は、やがて独自の画境を拓き、京都の名だたる寺院を舞台にその才能を花開かせ、天皇や宮家のために筆をふるいました。
本展では代表作はもとより、数少ない初期作や新発見・初公開作品、さらに諸人との幅広い交流の跡を物語る書状や文書類など70余件を展示。今年、開館120周年を迎えた京都国立博物館の節目の年に、この誇り高き孤高の絵師・海北友松の史上最大規模の大回顧展を開催し、知られざる生涯と画業の全貌をご紹介いたします。
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