青い日記帳 

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光文社新書の問題提起

もう一本記事書きます。

今日、買った本についてです。
20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す
20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す
宮下 誠

とても良い本です。

でも、お勧め記事ではありません。
別の意味でスゴイ一冊なのです。

絵画作品が図版として図1クレー『ガラスのフサード』から
図118ネオ・ラオホ『レポレッロ』まで数多く収録されています。
(その他カラーの口絵もあります。)

絵がないで文字ばかりで説明、解説されても
さっぱり分かりませんからね。

さて、何が問題かというと。
ぱらぱらと全体にまず読む前に目を通していると
図版103の部分が真っ白のまま何も印刷されていないのを発見しました。

 

本来は藤田嗣治「アッツ島玉砕」が入っているはずの箇所です。

ところが、真っ白。
「白い絵」ではありません。

図版が入っていないんです、本当に!!びっくり

ここまで読まれて「ピーン」ときた方もいらっしゃるはず。
そうです、これ著作権?の問題が絡んでいるんです。

藤田の作品はとりわけ著作権がうるさいのは有名な話です。

何年か前に初めて作品集が講談社から出たときはそれなりに話題になりました。
藤田嗣治画集  素晴らしき乳白色
藤田嗣治画集 素晴らしき乳白色
藤田 嗣治, 藤田 君代, 尾崎 正明, 清水 敏男

こういった全集などで作品を載せるのはOKが出ても
今回の『20世紀絵画』のような本の中で1、2枚が
使われることは著作権を有している方から承諾がおりないそうです。

では、何故、真っ白な図版のまま出したのでしょうか?
20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す
20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す
宮下 誠

著者も編集の方も藤田の著作権については重々承知だったはずです。

光文社さん曰く
「抗議と問題提起の意味を込めて今回、著者、編集などと話し合いこういった形で出版するはこびとなりました。」とのことでした。

やる〜〜喧嘩ですか??
いえいえ「問題提起」ですよね。紳士的に!?

来年3月28日(火)―5月21日(日)
東京国立近代美術館で「藤田嗣治展」開催されます。
巡回先は京都国立近代美術館と広島県立美術館。

藤田嗣治「アッツ島玉砕」は近美所蔵作品です。
常設展で観たことはありますが、この問題もあるので今から楽しみです。

因みに京都精華大学のサイト内にこの作品の画像と解説あります。
こちらです
読書 | permalink | comments(10) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

一部で話題になってますね。それにしても思い切った手法に出ましたね。

本来は制作者本人だけが著作権の恩恵を被るべき、と個人的には信じているのですが、実際は大きく異なるので難しいですね。(本人が亡くなった後でもその恩恵を他者が受けているのはなんだか違和感がありますが、そんなこと言ってると攻撃も受けそうですね)
ディズニーの画像はBlogでさえ使えないように、レオナルド藤田の画像も取り扱い注意です。ご用心召され。
ike | 2005/12/14 12:14 AM
先日書店で見かけました。
今度また買って読もうかと思っているのですが、
こんな問題がありましたか。

藤田の作品にそのような厳しい制約があったのは初耳です。
以前私のブログでも、
彼の作品のはがきをスキャンして載せたことがありますが、
先生も仰られる通り、
まずかったかもしれません…。
はろるど | 2005/12/14 12:56 AM
わあー、すごい挑戦ですね。本って残るものだから、怖いんじゃないかと思うんですけど、すごい!光文社新書が好きになりそうです。
でも、読む側としてはちょっと…スペースとったなら絵とか写真とか、入れてほしいです。
mayu | 2005/12/14 12:40 PM
どーもー!先日トラックバックを寄せさせて頂いたマジと申します。日々楽しく拝見させて貰ってます。これからもちょくちょく遊びに来させて貰いますので改めてどうぞよろしくお願い致します。

これはとても興味深い一冊ですね。無類の学術系新書好き人間なので早速取り寄せて読んでみようと思います。近代美術史の理解の方もさっぱりなのでまるで「これはお前の為に書いたんだよ!」と言われているかのようです(笑)昨今の著作権問題にもいろいろ思うところがあるのでくだんのページ、とても楽しみです。

マジ | 2005/12/14 12:53 PM
@ikeさん
こんばんは。

話題になっているのですか・・・その筋では既に。
そうですよね。きっと。

以前、展覧会で観たある画家の作品に
いたく感動して図録を買って帰ると
その作品だけ掲載されていませんでした。
理由は同じ著作権を有する方の意向によってでした。
確認しなかった私も悪いのですが。。。

藤田の画像注意します。
ディズニーも(^^)
あれこれ厄介ですね。

@はろるどさん
こんばんは。

こんな問題ありました。
書店で立ち読みしたとき初め、手にした
一冊だけの落丁かと思って他を見たら
全てそうだったのでびっくりしました。

藤田の画像検索するとそれなりに
ひっかかりますね。
個人のblog、特に悪意のないものなら
いいような気もするのですけどね

@mayuさん
こんばんは。

凄いでしょ!
喧嘩です喧嘩。
光文社応援します??
図版なくても苦になりませんでしたよ。
文章がしっかりしていたので。

@マジさん
こんばんは。

ご丁寧にご挨拶ありがとうございます。
ご覧いただき恐縮です。

さてさて、この本、是非お手にとってご覧下さい。
この本それなりに簡単に書いたと著者は述べていますが
いやいや結構難しかったりします。
もう少し平易な文で書いてくれてもいいかなーとも思います。
まだ数ページしか読んでませんが・・・
(セザンヌだけ先に読んでしまいました)
Tak管理人 | 2005/12/14 5:07 PM
思い切った方法ですね、、、
凄いな〜光文社新書!
じっ 実は
かれこれ20年近く昔に、親友がかなりの藤田ファンで、バースデイプレに何か・・・と探したのですが 画集などはすでに持っていて、あれこれ考えた末、知人にポスターを持ってるのがいて(フランスでやっと手にいれた!自慢の一品)そいつの好意をいいことに 某青写真会社(昔っぽい名前ですよね)にそれを持ち込み、『絶対個人で楽しむだけだから!お願いします。カラーコピーしてくれっっ!』と、泣き落としました。

ヤバいですよね。かなり。でも親友にも、知人にも頭下げて 秘密 にしてもらいました。当然、青写真会社からは 予想をはるかに超えた請求額
がきました。これは単純に サイズが大きすぎる!だったからですが。
20年・・・時効 かな?と白状してみました。
会社の方から、『この乳白色を出すのが至難の業でした。これが精一杯ですが、とてもやりがいがありました。サイズ調整やらなにやらも勉強になりました・・・』と言われ、参りました。
著作権云々がまだまだ野放しの頃の お話。
まー悪 | 2005/12/14 7:28 PM
@まー悪さん
こんばんは。

思い切ってます。かなり。
怒っているのんでしょうね。
しかしやってくれます。
どちらかというと応援しちゃいたいです。
でも、個人で楽しむなら・・・
なんて思うこともいけないのでしょうね。

20年経てば時効でしょう。多分。
いい思い出ということで。
多かれ少なかれあるものです。
秘密の話は。
「墓場まで持っていく話」は・・・
ないかな。きっと。

しかし、これだけ簡単に複製が出来てしまう時代
作家さんや音楽家さんも頭痛いでしょうね。
それはそれで大きな問題です。
「上手くバランスを」なんてきれいごと言っていると
いつまで経っても解決しませんよね。
解決するのかさえ疑問ですが。。。
Tak管理人 | 2005/12/14 9:56 PM
藤田の著作権の問題は有名ですよね。
でも、2年ほど前、某M美術館のギャラリートークで、学芸員の方が、遺族も軟化して解決の方向に向っていると言っていたのですが。
ひょっとして、画集の事だけだったんでしょうかね。

さて、著者の宮下誠 國學院教授、今年の2月、ブリヂストンの土曜講座で、「絵画の機関(からくり) ― クレーと地誌」というのを担当されたのですが、風邪引いて聞き逃しました。(券は買ってありました)

来年の2/4の土曜講座は、小林頼子 目白大学教授が「レンブラント、フェルメールの時代 −オランダの光を訪ねて」です。

早く買いに行かないと、売り切れしてしまいます。
さー、どうする。
もう、手配済みだったりして
鼎 | 2005/12/18 10:01 PM
@鼎さん
こんにちは。

藤田の著作権の問題はどこで知ったか
もう覚えていないのですが、それでも
鮮明に記憶に残っています。
忘れやすい私にしては。

ブリヂストンの講座、魅力的ですねーー
小林先生のお話はいつも聞き逃して
いるので、抑えたいのですが・・・
まだ2月の予定(しごと)がどうなるか
分からないので予約いれられません。
悲しいです。
Tak管理人 | 2005/12/19 3:04 PM
最近「1952年のマティス、ヴラマンクそしてフジタ」を出版した阿部です。掲載した全て写真は亡父阿部徹雄が1952年に撮影したものですが、過去のフジタに関しての図版白紙の出版物を実際の見たことはありませんでした。わたしもフジタに関連した写真掲載については、それなりの配慮をしたつもりです。竹橋の東近美、上野の東美と藝大美術館の売店には置いてあります。フジタはその取り巻きによって本来の価値が下げられていると思えてなりません。
阿部 力 | 2016/07/15 10:46 AM
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書籍 「20世紀絵画」 宮下 誠著 | 徒然なるまままに | 2006/02/05 11:57 AM