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プロが選ぶ「2017年 ベスト展覧会」

年末恒例の新聞各紙に掲載される専門家が選んだ「今年のベスト展覧会」をご紹介する時期となりました。仕事納めもすまされゆっくりなさっている方も多いのではないでしょうか。

さて、この「プロが選ぶ展覧会」をまとめて今年で10年目となりました。2008年のベスト展覧会にはどんなものが入っていたのかあらためて振り返ってみると、「対決―巨匠たちの日本美術」や「ハンマースホイ展」など今では伝説化している素晴らしい展覧会が目に留まります。



さてさて、今年はどの展覧会が美術の専門家(プロ)から高い評価を得たのでしょう。掲載日の早い順に、毎日・朝日・讀賣の順でご紹介します。

尚、各紙面にはより詳しい解説やアート界の一年を振り返る記事が掲載されています。是非そちらもご覧ください。

毎日新聞
2017年(平成29年)12月13日(水曜日)夕刊

この1年 〔美術〕
「見栄え」「忖度」を超えて

2017年の展覧会3選

☆高階秀爾(美術評論家・大原美術館館長)
1:「オルセーのナビ派展」(東京・三菱一号館美術館)
2:「ミュシャ展」(東京・国立新美術館)
3:「シャセリオー展」(東京・国立西洋美術館)

1尖鋭な美学と大胆な表現で20世紀の先駆けとなったナビ派
2ミュシャ晩年の大絵画「スラブ叙事詩」全点の展観
3一閃の光芒にも似た天才画家の軌跡
いずれも担当学芸員の努力が光る。

☆三田晴夫(美術ジャーナリスト)
1:「遠藤利克展ー聖性の考古学」(埼玉県立近代美術館)
2:「戸谷成雄ー現れる彫刻展」(東京・武蔵野美大美術館)
3:イヴ・ダナ「Fragment of genesis」展(東京・タグチファインアート)

12は現代日本彫刻を率いる両雄、3は来日したスイスの彫刻家の個展である。これらの出品作のスリリングな表現は、彫刻の起源を問う深い思索の果実とも言うべきか。


ミュシャ展




朝日新聞
2017年(平成29年)12月19日(火曜日)夕刊

回顧 2017 美術
情報社会 切実に見つめる
生命感・痛みを形に
被災地で表現問う作品

私の3点

☆北澤憲昭(美術評論家)
「パロティ、二重の声」(東京ステーションギャラリー)1
「日本の家」(東京国立近代美術館)2
「最古の石器とハンドアックス」(東京大学総合研究博物館)3

1はオリジナリティー信仰の根本的問い直しにおいて、2は「住む」ことの意義を直感的に考えさせる企てとして、3は「彫刻」の根源のはるか彼方への誘いとして、心に残った。

☆高階秀爾(美術史家)
「絵巻マニア列伝」(サントリー美術館)1
「北斎とジャポニスム展」(国立西洋美術館)2
「皇室の彩」(東京藝術大学大学美術館)3

1は絵画(空間)と文学(時間)の融合による独特な表現の豊穣さ、2は「北斎現象」の広がりと奥深さの徹底検証、3は文化のパトロンとしての皇室が生んだ多彩な成果。

☆山下裕二(美術史家)
「不染鉄展」(東京ステーションギャラリー)1
「海北友松」(京都国立博物館)2
「運慶」(東京国立博物館)3

1は知られざる画家の存在を世に知らしめた学芸員を称賛したい。2は最大規模の友松展で、図録には学術的な新知見も。3は展示構成が見事。


北斎漫画入門 (文春新書)




讀賣新聞
2017年(平成29年)12月21日(木曜日)朝刊

回顧 2017 文化(アート)
巨大彫刻、水玉…鬼才が圧倒
企画展 光る学芸員の着眼力

3氏が選ぶ展覧会ベスト4

☆建畠晢(多摩美大学長、埼玉県立近代美術館館長)
「志賀理恵子 ブラインドデート」(香川・丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
「遠藤利克展ー聖性の考古学」(埼玉県立近代美術館)
「福岡道雄 つくらない彫刻家」(大阪・国立国際美術館)
「ミュシャ展」(東京・国立新美術館)

今年はキャリアのある彫刻家、遠藤と福岡(それに東京・武蔵野美術大学美術館での戸板成雄の個展を加えてもよい)が大規模な回顧展を開催し、強固な存在感を示した。

☆椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)
「裏声で歌へ」(栃木・小山市立車屋美術館)
「リボーンアート・フェスティバル」(宮城県石巻市内)
「猪熊弦一郎展 戦時下の画業」(香川・丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
「ヒツクリコ ガツクリコ ことばの生まれる場所」(前橋市・アーツ前橋、前橋文学館)

「裏声」「ヒツクリコ」は練りに練られた構成。芸術祭では「リボーン」が民間主導の強みで頭抜け。「猪熊展」は戦争画の個別性に迫る端緒。

☆蔦谷典子(島根県立美術館主任学芸員)
「運慶」展(東京国立博物館)
「シャセリオー展」(東京・国立西洋美術館)
「ミュシャ展」(東京・国立新美術館)
「安藤忠雄展 挑戦」(東京・国立新美術館)

800年の時を超える天才・運慶は圧巻。本国でも困難なシャセリオー展の開催、またミュシャの「スラブ叙事詩」展観の意義は深い。安藤忠雄の建築展は、作家のぬくもりが伝わる。


遠藤利克 - 聖性の考古学




日本経済新聞
2017年(平成29年)12月06日 朝刊

展示にもコト消費の波 回顧2017 美術 (一部抜粋)

 近年よく消費者の関心が「モノからコトへ」移りつつあると耳にする。商品やサービスから得られる「体験」をより重視するというその傾向を、今年開かれたいくつかの美術展で感じた。

 上野の森美術館で開催中の「怖い絵」展。入場まで最長210分待ちの人気ぶりの理由の一つは好奇心をそそるさまざまな仕掛けにある。




産経新聞
2017年12月21日

【回顧2017】
美術 若者も共感、背景知る楽しみ(一部抜粋)

 ソーシャルメディアの普及で観客の生の声が拡散される時代、展覧会もわかりやすさや視覚的インパクト優先になっていくのではないか−。今年を振り返る限り、そんな個人的予想は見事に外れた。

 思い出したのは、硬派な歴史書では異例のベストセラーとなった『応仁の乱』(中公新書)だ。室町後期の有名だが実態はよく知られていない複雑な戦乱を、いたずらに単純化せず複雑なまま読者に提示し大ヒットした。美術界も今年、ただ見て美しいというより、作品の複雑な背景を丁寧に読み解く展覧会が熱い支持を得た。

※続きはこちらから。全文読めます。





いかがでしたでしょうか。今年は都内で誰もが推す良質な大型展覧会がいくつも開催されました。「ミュシャ展」は誰もが納得いくセレクトでしょう。

また各紙面では地方での芸術祭の乱立やそのあり方についても言及されています。

昨年から始めた美術の専門家ではなく、一般の方々に選んで頂く「あなたが選ぶ展覧会 2017」も今年も行います。準備が遅れており、年明けに募集をかけることになりそうです。

あなたが推す展覧会3つ今から考えておいて下さいませ。またあらためてブログで告知致します。

そして、今年も皆さま自身の選ぶベスト展覧会をブログに書かれましたらお手数ですがTB頂けると嬉しく思います。FBページへコメントとして書いて頂いても結構です。何卒、宜しくお願い申し上げます。

【バックナンバー】
プロが選ぶ「2016年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2015年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2014年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2013年 ベスト展覧会」
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