青い日記帳 

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2017年 展覧会ベスト10

今年もたくさんの展覧会を観ることができました。都内だけでなく初めて訪れた地方の美術館に新鮮な発見を見いだせた一年でもありました。

因みに今日でこのブログを始めて13年と172日となります。これもひとえに支えてくれた家族と駄文を読んで下さる皆さんあってのこと。いつもいつも感謝の気持ちでいっぱいです。

長く続けていると、こんな駄ブログでも多方面から原稿の依頼等があったりと大変有難いことです。中東や中国に大きな展覧会が持って行かれるまでは続けていければと思っております。



一昨年から始め好評を博している「あなたが選ぶ展覧会」は、年明けに行いたいと思っております。今しばらくお待ちください。

皆さんもご自身のブログで同じように今年の展覧会を振り返るような記事書かれた方いらっしゃいましたら是非是非トラックバック送って下さい!

Facebookページ「青い日記帳」でも大歓迎です。

前置きが長くなりましたが、私が選ぶベスト展覧会2017を僭越ながら発表させて頂きます。「プロが選ぶ展覧会」「かみさんが選ぶ展覧会」と合わせてお楽しみ下さい。

王冠22017年 私が観た展覧会ベスト10王冠2

1位:「狩野元信展」

「天下を治めた絵師 狩野元信」
会期:2017年9月16日(土)〜11月5日(日)
会場:サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/

絵師集団「狩野派」の盤石で堅牢な基礎を確立した狩野派二代目の狩野元信(1477?〜1559)の初の回顧展。永徳も探幽もこの元信の尽力なくしては決して語れない、狩野派最大の功労者。では、一体元信は何をしたのでしょう?ただ頼まれた絵を描いていただけではそれは為し得ません。どのようにして絵師集団狩野派を築き長きにわたり継続させることが出来たのかを教えてくれた展覧会でした。中国絵画の優品も出ていたのも良かったです。

2位:「オルセーのナビ派展」

「オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき」
会期:2017年2月4日(土)〜5月21日(日)
会場:三菱一号館美術館
http://mimt.jp/

印象派よりも実はナビ派の方が、日本人の心をしっかりと捉えることが出来るのではないかと考えさせられた展覧会。オルセー美術館からナビ派の名品が惜しげもなくやって来た滅茶苦茶満足度の高い内容でした。浮世絵との繋がりや予言めいた言葉は抜きにして素直に作品の前に立ち「いいな〜」と思えるものばかりでした。持って帰りたい作品ばかりだったのでミュージアムショップでポストカード全て買ってしまいました。

3位:「長沢芦雪展」

「長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」
会期:2017年10月6日(金)〜11月19日(日)
会場:愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/

奇想の絵師、芦雪の大規模な待ちに待った回顧展です。名古屋でしか開催しないのがまたニクイ。そこでしか観られないと自然と旅行プランが立ちます。地元の美味しいものを目に浮かべつつ。芦雪が芦雪になるまでの流れや、試行錯誤して描いた珍しい作品、それに和歌山県串本町にある無量寺の「虎図襖」「龍図襖」が全て観られたのですから、こんな満足度の高い展覧会もそうそうありません。

4位:「北斎―富士を超えて―」

「北斎−富士を超えて−」
開催期間:2017年10月6日(金) 〜11月19日(日)
会場:あべのハルカス美術館
https://www.aham.jp/

ここ数年、北斎北斎とあちこちで展覧会が開催されていますが、中でも頭一つどころか二つも三つも抜けた夢のような作品たちで構成された「北斎展」。これまた日本ではあべのハルカス美術館だけでの開催。「仕方ないな〜行くしかないじゃないか(ニヤリ)」。旅に出る目的はいつでも展覧会や観たい絵です。個人蔵の「雪中虎図」や小布施の北斎作品それに葛飾応為との合作などなど充実した内容でした。(ハルカス美術館の整理券制度も時間を有意義に使えて良かったです)

5位:「怖い絵展」

「怖い絵」展
会期:2017年10月7日(土)〜12月17日(日)
会場:上野の森美術館
http://www.ueno-mori.org/

中野京子先生の著書から飛び出す絵本のようにパッと花開いた前代未聞の展覧会。今年色んな意味で一番話題を集め多くのサイトでも取り上げられました。展覧会がYahoo!のトップ記事に出るなんて驚きです。仕掛けよりも中身が充実していたからこそのランクイン。個人的にはセザンヌの「殺人」が久々に観られたことが大収穫。読ませる展覧会は続編があるのでしょうか。また何年か後が楽しみです。

「怖い絵展」なぜ人気?我々の心の中にある「××」が…
『怖い絵』の中から本当に怖い絵を5枚選んでみた。

6位:「ミュシャ展」

「ミュシャ展」
会期:2017年3月8日(水)〜6月5日(月)
会場:国立新美術館
http://www.nact.jp/

春の話題はまさに「ミュシャ展」一色でした。絶対来日しないと思われていた大作「スラブ叙事詩」全20作品がプラハからまさかの来日。今年最大の「事件」だったのではないでしょうか。展示構成が功を博したことは間違いありません。まず会場入るとどーんと縦約6m、横約9mもある巨大な「スラブ叙事詩」が出迎え一気に心を持っていかれます。出し惜しみ全くしていない構成見事の一言でした。

ミュシャの傑作中の傑作「スラヴ叙事詩」全20点、初来日決定!

7位:「川端龍子展」

「川端龍子 ―超ド級の日本画―」
会期:2017年6月24日(土)〜8月20日(日)
会場:山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/

2005年の江戸博での「川端龍子展」に比べ作品数こそ少ないものの、龍子理解に欠かせない作品が揃いに揃った見応えのある展覧会でした。画家として駆け出しのころの作品から戦時中に描いたゼロ戦(パイロットは龍子自身)など、日本画の枠に当てはめられない破天荒な作品は、現代の我々にも強烈なインパクトを与えてくれます。「龍子」とは何なのかが分かったようで余計に分からなくなってしまった展覧会でした。

8位:「ウォルター・クレインの本の仕事」

「絵本はここから始まった−ウォルター・クレインの本の仕事」
会期:2017年4月5日(水)〜 5月28日(日)
会場:千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/

絵本の展覧会も好きでよく観に行きますが、ヴィクトリア朝の絵本画家ウォルター・クレインの画業を紹介したこちらは色々な意味で大きな収穫がありました。ウィリアム・モリスと友人であり、「絵本」をはじめに作った絵本作家としてのクレインを体系的に紹介。千葉市美お得意の物量作戦でこれでもか〜と展示。浮世絵との関連性や社会運動家としての側面など実に多くのことを学べた展覧会でした。そして何より絵本が素晴らしい!

9位:「海北友松展」

「海北友松展」
会期:2017年4月11日(火)〜 5月21日(日)
会場:京都国立博物館
http://www.kyohaku.go.jp/jp/

同時代に活躍した狩野永徳、長谷川等伯に比べると知名度はぐんと低い友松ですが、作品(特に晩年)では決して負けることはありません。60歳を過ぎてからの活躍ぶりは永徳、等伯にはない魅力です。京都国立博物館平成知新館の決して観やすいとは言えない導線を逆手に取るかのように練られた展示構成も見事でした。博物館から500mほどの距離にあり建仁寺とセットで観られることも地の利を生かしているな〜と。それにしても今年は京博に何度行ったことやら。

10位:「並河靖之展」

「並河靖之七宝展 明治七宝の誘惑―透明な黒の感性」
開催期間:2017年1月14日(土)〜4月9日(日)
会場:東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/

三井記念美術館の「超絶技巧展」で惚れこんだ並河靖之単独の展覧会。有線七宝の達人も実は大成するまでに多くの試行錯誤や挫折を経験している人間臭いところが知れたことが一番の収穫でした。そしてなんと言っても東京都庭園美術館の本館と新館のそれぞれの利点を生かしてのメリハリのある展示が見事でした。また下図(デザイン案)と共に焼物が展示されていたのも新鮮でした。

初の回顧展!アール・デコの館で超絶技巧の七宝焼きを楽しもう



以上、独断と偏った嗜好により選んだベスト10です。ギャラリーでの個展やイベント系の展覧会はランキングから除外しました。個人的に関わりを持った展覧会もベスト10から除外しました。

最期の最後まで悩んだ末にベスト10圏外とした「次点」の展覧会も紹介しておきます。(順位不同)

「ティツィアーノとヴェネチア展」
「エリザベス・ペイトン展」
「渡辺省亭展」
「絵巻マニア列伝」
「ヴォルス展」
「シャセリオー展」
「ファッションとアート展」
「木×仏像」
「珠玉の香合・香炉展」
「アルチンボルト展」
「さかざきちはるのおしごと展」
「不染鉄展」
「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―」
「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」
「ボストン美術館の至宝展」
「驚異の超絶技巧!」
「プランツ・プラネッツ」
「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」
「快慶展」

【番外】
台北當代藝術館(MOCA Taipei)
「『世』一場自願非願的遊浮−李真個展」

来年(2018年)は絶対に見逃せない西洋美術の展覧会が既に多く発表になっています。まだこれからも出てくるはずです。毎年こうして素晴らしい展覧会が観られる幸せ。引き続き、青い日記帳をどうぞ宜しくお願い申し上げます。



【バックナンバー】
2004年 展覧会ベスト10
2005年 展覧会ベスト10
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2017年 展覧会ベスト10

【関連エントリ】
かみさんが選ぶ「2007年 展覧会ベスト10」
かみさんが選ぶ「2008年 展覧会ベスト10」
かみさんが選ぶ「2009年 展覧会ベスト10」

かみさんが選ぶ「2010年 展覧会ベスト10」
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世界文化社より刊行となった『カフェのある美術館 素敵な時間を楽しむ』の監修も今年は務めさせて頂きました。


カフェのある美術館 素敵な時間を楽しむ
青い日記帳 (監修)

おかげさまで重版もかかり、売行き好調のようです。

来年も「何か」出します。お楽しみに!

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この記事に対するコメント

だいぶ以前にお世話になっておりましたが、久々にコメントさせて頂きます。私も自分のブログでベスト10を選んでみたのでトラックバックも送信させて頂きました。

芦雪や海北友松にも行かれたのですね。中々遠征ができないので羨ましい限りです。国宝展の帰りにでも途中下車すれば良かったとちょっと後悔。
来年も凄い展示が目白押しのようですので、青い日記帳様の記事も楽しみにしております。
21世紀のxxx者 | 2017/12/31 2:48 AM
ご無沙汰しております。
TBありがとうございました!!

戌年もどうぞ宜しくお願い致します。
来年もよさそうな展覧会目白押しですね。
Tak | 2017/12/31 2:38 PM
Takさん。あけましておめでとうございます。昨年中は大変お世話になりました。私も2017年美術展ベストテンアップしました。今年も楽しみな展覧会が多いので美術展の情報を積極的に発信していきたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。
ostundwest | 2018/01/03 11:09 PM
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