青い日記帳 

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「歌川国貞展」

静嘉堂文庫美術館で開催中の
「歌川国貞展〜錦絵に見る江戸の粋な仲間たち〜」に行って来ました。


http://seikado.or.jp/

同じ「歌川」でも歌川国芳の展覧会を開くとお年寄りから若者まで幅広い層の人で賑わいをみせます。2,3年に一度、多い時では毎年のように「歌川国芳展」が開催されています。

ところが、意外なことに思えるかもしれませんが、現役時代、つまり江戸時代においては圧倒的に歌川国貞(1786〜1864、三代歌川豊国)の方が人気がありました。

それは比較するのもおこがましほどの差でした。


歌川国貞「豊国漫画図絵 袴垂保輔
大判錦絵 安政6年(1859)
静嘉堂文庫蔵
前期展示

版画,肉筆画,絵本,挿絵本を大量に手掛け、どれだけの作品を手がけたのは把握しきれないほどです。浮世絵師の中でダントツナンバー1の存在が、国貞だったのです。

歌川 国貞(1786年〜1865年)
歌川 国芳(1798年〜1861年)
歌川 広重(1797年〜1858年)


第一線で活躍した時期も国貞が飛びぬけていることが分かります。


歌川国貞「北国五色墨(花魁)
大判錦絵 文化12年(1815)頃
静嘉堂文庫蔵
前期展示

人気のプロデューサーや監督に多くの仕事が次から次へと舞い込むのと同じ要領で、当代きっての人気浮世絵師であった国貞のもとへは、歌舞伎役者やパトロンたちから多くの仕事の依頼が来ました。

それに、見事応える出来栄えの作品を作ってしまう国貞。こうして人気は不動のものになっていったのです。

今回の「歌川国貞展」では、幅広い仕事の中から国貞が得意とした役者絵と美人画をメインに展示しています。的が絞ってあるのはとても鑑賞しやすいものです。とくに浮世絵の展覧会においては。


歌川国貞「仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 秋野亭錦升 後 錦紅
大判錦絵 文久3年(1863)
静嘉堂文庫蔵
前期展示 後期は複製展示

十代目幸四郎の襲名披露公演がまさに今月、歌舞伎座で開かれています。高麗屋の特徴をデフォルメを加えよく捉えています。

二月大歌舞伎も拝見してきたので、余計にこの作品に目が留まりました。脈々と受け継がれる歌舞伎の家系。現在ではテレビやネットで容易に観られる松本幸四郎の姿ですが、江戸時代の人々にとって唯一のメディアが浮世絵でした。

我々が思うよりも、はるかに「重み」のある、価値ある一枚だったのです。


「歌川国貞展」展示風景

そして今回の国貞展の一番の見どころは、色艶やかな(鮮やかな)美人画です。

花魁から市井の人まで、国貞の手にかかるといずれも美しさ3倍増しとなります。秘密は絵師、彫師ほ、摺師の三者が最高のメンツだったことにあります。

浮世絵師(国貞)だけがいくら上手くても、それを具現化できる腕のたつ彫師と摺師がいないと元も子もなくなってしまいます。


歌川国貞「誂織当世島(金花糖)」
大判錦絵 弘化2年(1845)頃
静嘉堂文庫蔵
前期展示

この作品など、絵師はもちろんですが、彫師と摺師の驚きの超絶テクニックが冴えわたっています。髪の毛や着物の模様など木を彫って表現しているとは思えません。またそれを潰さずに摺り上げる技術も超一流のものです。

売れっ子には良いブレーンが付くものです。国貞作品を観ていると「好循環」が成立してたことがよく分かります。駄目ですよ、そこで自分の仕事環境と比べては…


歌川国貞「歳暮の深雪
大判錦絵3枚続 弘化元年(1844年)頃
静嘉堂文庫蔵
前期展示

静嘉堂で国貞の展示をするのは8年ぶりだそうです。また美人画はウラ・オモテ貼込みの折帖に仕立られているため、光に当たることがほとんどなく、江戸時代の色合いを今に残している貴重なものです。

歌川広重、葛飾北斎、歌川国芳、鈴木春信、喜多川歌麿、写楽etc…今の時代に名の知れているどの絵師よりも江戸時代にはメジャーだった国貞の魅力を知る好機です。

「歌川国貞展」は3月25日までです。是非!

因みに、街中でよく見かける洋麺屋 五右衛門(パスタ屋)のシンボルマークに使われている役者絵も実は、国貞の作品です。


歌川国貞展〜錦絵に見る江戸の粋な仲間たち〜

会期:2018年1月20日(土)〜3月25日(日)
[前期]1月20(土)〜2月25日(日) [後期]2月27日(火)〜3月25日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし、2月12日は開館)、2月13日(火)
開館時間:午前10時〜午後4時30分(入館は午後4時まで)
会場:静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区岡本2-23-1)
http://seikado.or.jp
主催:静嘉堂文庫美術館


歌川国貞 これぞ江戸の粋
日野原健司 (著),‎ 太田記念美術館 (監修)

2014年に太田記念美術館で開催された特別展 没後150年記念「歌川国貞」

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注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
「錦のように美しい」と称され、江戸時代の庶民を熱狂させた多色摺木版画「錦絵」。10種類以上の色板を使用したものも少なくありません。江戸時代後期(19世紀前半)を代表する浮世絵師、歌川国貞(1786~1864、三代歌川豊国)は特に美人画と役者絵の名手として知られています。錦絵は絵師、彫師ほ、摺師の三者が協力して完成するものです。そして江戸時代後期は、それら三者の技術が最高峰に達した時代といわれています。

本展では、静嘉堂の所蔵する多数の錦絵の中から、特に当時の江戸の雰囲気を色濃くたたえた名作を選び展示致します。いきいきと活動する江戸の女性たちや、迫力ある歌舞伎役者の舞台姿などを、鮮やかで美しい色彩と共にお楽しみください。慌ただしい日常を離れ、しばし江戸の街にタイムスリップしてみませんか。

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