弐代目・青い日記帳 

  
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「エミール・ガレ 自然の蒐集」
ポーラ美術館で開催中の
「エミール・ガレ 自然の蒐集」展に行って来ました。

実は正真正銘の「××」だった!?ガレのガラス器でアール・ヌーヴォーなお花見を


http://www.polamuseum.or.jp/

アール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家、エミール・ガレ(Émile Gallé、1846年5月4日〜1904年9月23日)の展覧会は、これまで数多く開催されてきました。

展覧会以外でもガレの作品を常設展示している北澤美術館などがあり、作品を比較的観る機会の多い作家です。


エミール・ガレ《蜻蛉文脚付杯》1904年頃
ヤマザキマザック美術館蔵

正直に応えて下さいね、「ガレ展」と聞いて少々食傷気味ではなかったですか?「またか〜」的に。でも、どんな作品でも展覧会によって見え方や感じ方はがらりと変わるものです。

自分自身の物の捉え方、観方も幾ばくか成長しているので、既視感は実は行ってみると思ったよりも受けないものです。

それに、美術館側も同じような展覧会を繰り返すはずがありません。例えば今回、ポーラ美術館の展示室の壁を取り払い?!自然光を入れてガレのガラス器を見せたりしています。



展示室のライティングによって最適化されたものを見慣れてしまっている自分にとっては、外光の微妙な変化や観るポジションでの違う表情を魅せるガラス器はとても新鮮に感じました。

この展示室を見られただけでも箱根まで来た甲斐があったな〜と心の底から思わせられました。(でも、まだまだこの先に凄い展示が待っているのです。)

これまで観たことのなかった「ガレ展」であり、ポーラ美術館でしかできない離れ業的な展示もなされています。



サントリー美術館、飛騨高山美術館、北澤美術館、ウッドワン美術館等から借りて来たガレ作品とポーラ美術館所蔵のモネ「グラジオラス」といった絵画や東京大学総合研究博物館所蔵の標本資料(植物や鉱石)などが一緒に展示されています。

中には、ガレ作品のモチーフとなっている蛾や蝶のリアルな標本も展示されていたりとかなり徹底的なこだわりが伺えます。



よくまぁ、女子受けの決してよろしくない蛾の標本まで展示したな〜と思い、調べてみたら「エミール・ガレ 自然の蒐集」展担当学芸員さんは男性でした。「蒐集」というのもマニアックな男子目線ですよね。

展覧会の構成は以下の通りです。

初期―エナメル彩の魅力
神秘の森
驚異の海
晩年―象徴主義を超えて



エミール・ガレ「蛙と睡蓮文鉢」1890年頃
ウッドワン美術館蔵
エミール・ガレ「花瓶 悲しみの睡蓮」1890年頃
飛騨高山美術館蔵

よく目を凝らして見ないと分かりませんが、睡蓮がモチーフとして採用されています。睡蓮と来れば…そう!モネですよね。そしてモネの「睡蓮」の名作を持っているのがポーラ美術館です。

と言うことで、こうした贅沢な展示が実現するのです。



もう全然、これまでの「ガレ展」ではないこと、ここまででも十分お分かりになりましたよね。いや〜驚きました。こんな良い展示が拝見できるとは正直思っていなかったもので…

やっぱり展覧会って行って観ないと分かりませんね。いくら丁寧な公式サイトが用意されていても。

そうそう、一部の作品を除いて写真撮影可能です。折角箱根まで行くのですから良いカメラを持参しましょう。ファインダーを通して作品を観ることで違う発見もあったりします。



ガレが「植物マニア」だったことは有名な話です。ここで敢えてマニアという言葉を用いたのは、単にファンなのではなく、正真正銘の植物学者でもあったからです。

ガレは14歳のころから植物採集に熱心に出かけたそうです。また彼の周りには優秀な植物学者がいたことも彼を植物学へ一層傾倒させました。

1880年にはナンシー植物園監督委員会のメンバーに任命され、自宅には1ヘクタール以上の広大な庭園に2000種以上の植物を栽培していたそうです。芸術家として大成せずとも植物学者として十分やっていける知識とポジションを築いていたのです。

ガラス器の原案(下絵)はガレ自身が描きました。そこに描かれている植物はまさに植物学的な目で細部まで観察された完成度の非常に高いボタニカル・アートといえるものです。


エミール・ガレ「クモヒトデ文蓋物」1900年頃
個人蔵
(後ろの版画は、エルンスト・ヘッケル『自然の芸術形態』です)

通常の「ガレ展」ではほとんどお目にかかれないのが3章「驚異の海」で取り上げている海の生物をモチーフとした作品です。

ガレが晩年になって手掛けた海シリーズは作品数自体が少ないので、これまでまとめて紹介されることがありませんでした。

『海底二万里』のベストセラーになり、海底探索船やダーウィンの進化論によって海洋学が大きく進展し、海への関心が高まりました時代に、ガレもまた、神秘的な生命の源として海に深い憧憬を抱きこうした作品を手がけたそうです。


エミール・ガレ《花瓶「海馬」》1901-1903年
北澤美術館蔵

アール・ヌーヴォーの曲線美と海の生き物の姿はもしかしたら植物以上に相性が良いと感じたのかもしれません。

これまで観たことのないガレ作品や、これまで感じたことのないガレの魅力が、こうした展示方法によって得られるはずです。

エミール・ガレ 自然の蒐集」展は、7月16日までです。これは箱根まで観に行くべき展覧会です。是非是非!


エミール・ガレ 自然の蒐集

会期:2018年3月17日(土)〜7月16日(月・祝)(会期中無休)
開館時間:午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:ポーラ美術館
http://www.polamuseum.or.jp/
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館
特別協力:東京大学総合研究博物館

ポーラ美術館の楽しみ方

実は正真正銘の「××」だった!?ガレのガラス器でアール・ヌーヴォーなお花見を


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【次回展】

ルドン ひらかれた夢ー幻想の世紀末から現代へ
会期:2018年7月22日(日)〜12月2日(日)

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