青い日記帳 

  
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「プーシキン美術館展」
東京都美術館で開催中の
「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」に行って来ました。


http://pushkin2018.jp

2005年の東京都美術館での「プーシキン美術館展」、2013年の横浜美術館での「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」に続くプーシキン美術館展三部作の最後を飾る「プーシキン美術館展─旅するフランス風景画」が東京都美術館で開催されています。

2005年はマティスの「金魚」、2013年(元々は2011年開催予定でしたが震災の影響で延期に)はルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像画」とポスターの顔が存在しました。それぞれ記憶に残っているはずです。

ラストとなる今回は「風景画」に的を絞っての展示。テーマは「旅」。


会場入口からその雰囲気を存分に出しています。

美術史上では風景画のヒエラルキー(階級)は宗教画(歴史画)や風俗画に比べ下位に扱われてきました。でも、我々鑑賞者にとってはそうしたジャンルの階級制度はまったく無用なものにすぎません。

逆に、宗教画や歴史画を鑑賞するための予備知識を持ち合わせていなくても、風景画ならそれこそ老若男女を問わずすんなりと楽しめてしまいます。


ギュスターヴ・クールベ「山の小屋」1874年頃

しかも、フランスの風景画に絞り込んであるので、てんでばらばらで思考が定まらないなんてこともありません。「プーシキン美術館展」も3回目となると見どころをきちんと整えてきてくれます。

そうは言いつつも、印象派の風景画だけをメインに並べたのでは満足度もさほど高くならないこともきちんと分かっているようで、第一章では「近代風景画の源流」と題し風景画の黎明期(17世紀)の作品を紹介しています。


クロード・ロラン「エウロペの掠奪」1655年

点数こそ少ないですが、この章は時間をかけて観るだけの価値が十分にあります。風景画がいかに誕生したのか、初めはどんなものをテーマとして扱っていたのかを観ておきましょう。

そうそう、中には廃墟マニアな画家も存在しました。ユベール・ロベールが現代にいたら廃墟だけでなく工場の夜景などの写真を積極的に撮りに行っていたかもしれませんね。


ユベール・ロベール「水に囲まれた神殿」1780年代

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章:近代風景画の源流
第2章:自然への賛美
第3章:大都市パリの風景画
第4章:パリ近郊―身近な自然へのまなざし
第5章:南へ―新たな光と風景
第6章:海を渡って/想像の世界



ルイジ・ロワール「パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)」 1885年

近代化を遂げるさまを写真ではなく絵画で描きとめた作品が並ぶ第3章と4章は、花の都「パリ」がいかにして成立したのかを画家の視点で追っていける楽しさがあります。


アルベール・マルケ「冬のパリ、サン=ミシェル橋」1908 年頃

名の知れた画家の作品でなくても多くの出会いが期待できる展覧会です。畏まって一点一点じっくり鑑賞せずにさーと足早に全体を観てまわりました。(二周目から好きな作品をじっくりと)

「旅」とは往々にして予定外の出来事が起こるもの。思わぬ作品が目の前に現れ「あっ!」と声を出してしまうかもしれません。

今回自分にとって、セザンヌのこの作品が観られたことなどがまさにそれに当たります。


ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め」1905–1906年

生涯に何十枚と描いた故郷の山サント・ヴィクトワール山。その中でも最晩年に描いたこの作品は、近代絵画の父と呼ばれた所以がはっきりと見て取れる一枚です。

まさに、プーシキン美術館を代表する一枚と言えます。もう一点この山を描いた「サント=ヴィクトワール山の平野、ヴァルクロからの眺め」1882–1885年も今回展示されています。

20年という歳月がセザンヌをどのように変えたのか、優品を比べながら観られるまたとない機会です。


アンリ・ルソー「馬を襲うジャガー」1910年

マネではなく、モネの「草上の昼食」がメインビジュアルとなっているので印象派展のように思えてしまいますが、いやいや中々どうして見応えのある展覧会でした。扱っている作品の幅が風景画と言えども広くて驚きました。

時間に余裕を持って出かけるようにします。次は。

「プーシキン美術館展―旅するフランス風景画」は7月8日までです。混雑する前に是非!!


プーシキン美術館展──旅するフランス風景画

会期:2018年4月14日(土)〜7月8日(日)
会場:東京都美術館企画展示室
http://www.tobikan.jp/
休館日:月曜日
※ただし、4月30日(月・休)は開室
開室時間:9:30〜17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室金曜日は9:30〜20:00(入室は閉室の30分前まで)
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
後援:外務省、ロシア連邦大使館、ロシア連邦交流庁(Rossotrudnichestvo)
協賛:大日本印刷、トヨタ自動車、三井物産、パナソニック、みずほ銀行
協力:日本航空
特設WEBサイトhttp://pushkin2018.jp


ロシアの絵はがき30文字
井岡 美保 (著), 福田 利之 (イラスト), tupera tupera (イラスト)

「プーシキン美術館展」でオフィシャルグッズをプロデュースする、井岡美保によるロシアポストカードブック! 展覧会会場では、福田利之・tupera tupera(ツペラツペラ)によるさまざまなグッズも取り扱っています。



Twitterやってます。
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注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。
なかでも、初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」をどうぞお楽しみください。
| 展覧会 | 23:36 | comments(1) | trackbacks(0) |
ポール・セザンヌのセント・ヴィクトワール山やクールベ作品等珠玉の作品に感動しました。
| pinewood | 2018/07/06 8:32 PM |










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