弐代目・青い日記帳 

  
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『かくれキリシタン』
新潮社とんぼの本より刊行となった『かくれキリシタン: 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅』を読んでみました。


かくれキリシタン: 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅
後藤 真樹 (著)

どうやら、現在では「かくれキリシタン(隠れキリシタン)」とい表現を積極的に用いないらしく、代わりに「潜伏キリシタン」とニュースなどでは称しています。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、世界文化遺産に登録へ

Wikiで「隠れキリシタン」の項目にはそれぞれ区別があるとされています。
隠れキリシタン(かくれキリシタン)は、日本の江戸時代に江戸幕府が禁教令を布告してキリスト教を弾圧した後も、密かに信仰を続けた信者である。以下の2つに分けられるが、一般に両者を区別せずに呼ぶ。

1:強制改宗により仏教を信仰していると見せかけ、キリスト教(カトリック)を偽装棄教した信者。
2:1873年(明治6年)に禁教令が解かれ潜伏する必要がなくなっても、江戸時代の秘教形態を守り、カトリック教会に戻らない信者。

敢えて両者を区別する場合、1は「潜伏キリシタン」、2は「カクレキリシタン」(すべてカタカナで表記)と呼ぶ。
そもそも「隠れキリシタン」と聞くと日本史で習った天草四郎などが頭に浮かび、完全に過去の人々との印象を抱きます。

ところが、五島列島などには現在でもなお、かくれキリシタンとして信仰を続けている人たちがいるのです。

かくれキリシタン: 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅』を数ページ読み進めた段階で、Wikiにある定義などどうでもよくなってきます。

この本には。かくれキリシタンをご先祖に持ち、今なおかくれキリシタンとして生活されている方々に筆者が実際にインタビューしたことが詳らかに記されています。

現在は別の宗教を信仰している元かくれキリシタンの方や、潜伏していたキリシタンたちを守ったお寺の住職へも取材を行っており、かくれキリシタンのことを多面的に捉えるられる名著です。



【目次】
プロローグ
1:外海 “陸の孤島”に受け継がれた信仰
キリシタンを支えた伝説の伝道師
キリシタンの聖地、枯松神社
巡礼地としてよみがえった史跡
2:五島列島 海風吹きぬける島々に宿る篤い信仰
先祖の信仰を受け継ぐ人々
五島のかくれキリシタン
人がいなくなった島と教会
3:平戸 歴史を刻むキリシタンの聖地
伝説に満ちる里、根獅子
布教当時の信仰を今に伝える島、生月
春日の集落と、聖なる山安満岳
4:天草 殉教の島に息づく信仰の証
大江・崎津に受け継がれたもの
5:祈りの場、教会堂へ

キリスト教の広まりと弾圧の歴史
布教の背景
二十六聖人の殉教
島原・天草一揆
弾圧と「崩れ」
各地に残るキリシタン墓地

column きりしたん・伝承
潜伏キリシタンを守った天福寺
かくれキリシタンの帳方を継いで
かくれキリシタンの信仰の形
今富の正月飾り
信徒発見

長崎・五島・平戸・天草
教会マップ
エピローグ



タイミングよく世界文化遺産登録のニュースが飛び込んできました。

当初は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」で申請したものの、イコモスからの勧告で「潜伏キリシタン関連遺産」へ焦点を絞り、晴れて世界文化遺産登録の道が大きく開かれました。

世界文化遺産に登録され、この本に登場する人々がこれまで通りの生活が果たして出来るのか…老婆心ながら危懼せざるを得ません。



現地へ足を運んでみたいと思う気持ちは抑えた方がよさそうです。長崎、熊本の12の資産で構成された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を知るには、『かくれキリシタン』を読めば十分です。

「今年登録予定の世界文化遺産をめぐるガイドとしても必携の書。」とAmazonにありましたが…

むやみやたらと彼らに「光」をあてるものではありません。

それより昔読んだ、遠藤周作の『沈黙』や『切支丹の里』を読み返す良いチャンスです。



それにしても著者、後藤真樹氏のフィールドワーク、インタビュー、撮影いずれも素晴らしいの一言に尽きます。

彼をここまで駆り立てたものとは一体何なのかと知りたくなるほど、徹底的に取材し、冷静にテキスト化しています。

「絵踏みの時は新しいわらじに履き替えて行きよったそうです。そして帰ってきたら、そのわらじを煎じて飲んだといいます」

おとなしく絵踏みをして難を逃れ、踏んだわらじを煎じて飲むなど、役人の一枚上手をいくようだ。
神道、仏教と上手く「共存」してきた様子など、教科書では教えてくれない様々な「隠れキリシタン」の信仰の形も紹介されています。

世界文化遺産登録に浮かれていないで、しっかりとこの本を読みましょう。世界でも極稀な信仰の形や想いがぎっしりと詰まっています。


かくれキリシタン: 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅
後藤 真樹 (著)

この比類なき、奇跡のような信仰のかたち。受難の歴史をのりこえて400年、密かに脈々と信仰を伝えてきた「かくれキリシタン」。美しくも厳しき自然の中で、暮らしに根づいた独自の祈りのかたちを守り育んできた人々を訪ね、貴重な証言とともに、その聖地や史跡を丹念にたどる。各地に残る小さな聖堂も数多紹介。今年登録予定の世界文化遺産をめぐるガイドとしても必携の書。

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| 読書 | 21:54 | comments(1) | trackbacks(0) |
お話しを有り難うございます。

新聞で本のことを知り、気になっていたのですが
どのような内容なのだろうと・・・

少し落ち着いたら本屋さんで探してみようと思います。
| | 2018/06/27 4:52 PM |










http://bluediary2.jugem.jp/trackback/5094
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「美連協ニュース」寄稿

『アートコレクター』で紹介されました

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