青い日記帳 

  
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「建築の日本展」
森美術館で開催中の
「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」に行ってきました。


http://www.mori.art.museum/jp/

六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展に建築展を持って来るあたり森美術館らしく好感が持てます。中々他の美術館ではとりあげにくい建築や現代アートを積極的に発信してきたことはあらためて述べるまでもありません。

さて展覧会タイトルですが「建築の日本展」となっている点に気付かれましたでしょうか。そう「日本の建築展」ではないのです。

日本にある建築を紹介するのではなく、建築を通して見る「日本」に重きを置いている展覧会なのです。


吉田五十八《ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)メインラウンジ》1973年
大阪
画像提供:株式会社竹中工務店

谷口吉生、安藤忠雄、隈研吾、妹島和世、坂茂といった現在世界中で活躍している多くの日本人建築家たち。

アニメや漫画を日本の文化の柱として海外に熱心に売り込んでいますが、そんなことをせずとも日本の建築家たちは世界中で高い評価を受け、大きな注目を集めているのです。


隈研吾建築都市設計事務所《梼原・木橋ミュージアム》2010年
高知県
撮影:太田拓実

日本に近代建築がもたらされたのは、絵画や科学技術など同様に明治維新後のことです。たかだか150年しか経っていません。

多くの文化がまだ西欧諸国の真似事をしてるのに対し、建築だけが独自の道を歩み世界中を席巻しているのです。まさに「建築の日本」と呼ぶに相応しい状況にあります。

では、なぜこれほど多くの日本人建築家が世界の国々を「仕事場」としているのでしょう。


安藤忠雄《水の教会(星野リゾート トマム)》1988年
北海道
画像提供:星野リゾート トマム

その「答え」を見つける場所が今回の「建築の日本展」です。

しかし、そう容易には答えを得ることは出来ません。なぜなら複数の要因が有機的に絡み合い、現状を生み出しているからです。

用意されているのは9つのヒントです。それぞれのセクションの要所要所には壁に大きく、そのヒントとなる言葉が書かれています。展示物と共にその言葉を追っていきましょう。そこが他の「建築展」にはない魅力であり大きなポイントでもあります。

展示構成は以下の通りです。

1. 可能性としての木造
2. 超越する美学
3. 安らかなる屋根
4. 建築としての工芸
5. 連なる空間
6. 開かれた折衷
7. 集まって生きる形
8. 発見された日本
9. 共生する自然



フランク・ロイド・ライト《帝国ホテル(正面中央部入口)》1923年
東京
写真提供:帝国ホテル

会場内には約400もの展示品が所せましと並んでいます。「触れないようにご注意を〜」と係りの方の神経質な声が響き渡るのも納得の詰め込みようです。

建築模型や写真などを一般の建築展では熱心に観るものですが。「建築の日本展」でそれをやってしまうと、何を観たのか心に残らなくなります。

あくまでも、建築大国日本の秘密を探るのがこの展覧会の目的です。


ライゾマティクス・アーキテクチャー《Power of Scale》2018年
インスタレーション
※参考図版

訪日外国人旅行者の中には、単なる観光やショッピングでなく、世界をまたにかけ活躍する日本人建築家たちの「作品」を観ることが目的である人も多くいます。その流れでこの展覧会に来ている方も多いはずです。

江戸時代の浮世絵が、ヨーロッパでの人気が火付け役となり、今では日本でもお宝として扱われていますが、もし海外での評価が無ければ「浮世絵展」も存在しかかったかもしれません。

それと同じく、身近にあり過ぎて空気以下に感じている日本の建築を、そろそろきちんと我々も見直す時期に差し掛かってきたのではないでしょうか。


小林清親《海運橋 第一銀行雪中》平成の新版
大判錦絵
所蔵:清水建設

2020年には東京でオリンピック、パラリンピックが開催されます。少なくともそれまでには「建築の日本」について語れるようになっていたいものです。

「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」は建築好きではなく、一般の方にこそ観てもらいたい展覧会です。9月17日まで開催しています。是非足を運んでみて下さい。

建築を通して「日本」を再発見してみませんか。


六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展
「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」


会期:2018年4月25日(水)〜 9月17日(月)
会期中無休
開館時間:10:00〜22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※「六本木アートナイト2018」開催に伴い、5月26日(土)は翌朝6:00まで開館延長(最終入館 5:30)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
http://www.mori.art.museum/jp/
主催:森美術館
後援:一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、アルカジア東京大会2018、一般社団法人日本建築構造技術者協会、一般社団法人日本デザイン学会
協賛:株式会社大林組、清水建設株式会社、株式会社竹中工務店、鹿島建設株式会社、大成建設株式会社、株式会社日本設計、合同会社日本MGMリゾーツ、大光電機株式会社、IHI運搬機械株式会社、株式会社きんでん、三建設備工業株式会社、アマノ株式会社、千代田ビル管財株式会社、フジテック株式会社、株式会社入江三宅設計事務所、株式会社関電工、株式会社建築設備設計研究所、株式会社久米設計、株式会社九電工、株式会社日建設計、日本ピーマック株式会社、株式会社乃村工藝社、パナソニック株式会社、三機工業株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社山下設計、横浜ビル建材株式会社、株式会社駒井ハルテック、新菱冷熱工業株式会社、AGCグラスプロダクツ株式会社
協力:シャンパーニュ ポメリー、コーニングインターナショナル株式会社、株式会社ハロー、前田建設工業株式会社
ものつくり大学、野口直人建築設計事務所、おだわら名工舎、住友電気工業株式会社、株式会社テオ、株式会社山長商店
監修:藤森照信(建築家・建築史家/東京大学名誉教授)
企画:南條史生(森美術館館長)、前田尚武(森美術館建築・デザインプログラムマネジャー)、徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)、倉方俊輔(建築史家/大阪市立大学大学院工学研究科准教授)、ケン・タダシ・オオシマ(建築史家/ワシントン大学教授)
企画協力:香川県立ミュージアム
展示デザイン:森美術館、川勝真一、工藤桃子、元木大輔、橋詰 宗、飯田将平


杉本博司《光学硝子舞台(小田原文化財団 江之浦測候所)》2017年
神奈川
©小田原文化財団
森美術館「建築の日本展」藤森照信(展覧会監修)
丹下健三の登場を機に、日本の現代建築は世界の先端に躍り出て今にいたるが、それが可能になったのは、日本の伝統的建築の遺伝子が、建築家本人の自覚の有無とは別に、大きく関係している。たとえば、空間の感覚とか柱と壁による木の構造とか、内外の区分とか。
そうした伝統と現代の見えざる関係について、代表的建築家の実作を取りあげて明らかにする。

日本の建築: 歴史と伝統 (ちくま学芸文庫)

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いま、世界が日本の建築に注目しています。丹下健三、谷口吉生、安藤忠雄、妹島和世など多くの日本人建築家たちが国際的に高い評価を得ているのは、古代からの豊かな伝統を礎とした日本の現代建築が、他に類を見ない独創的な発想と表現を内包しているからだとはいえないでしょうか。

日本は、明治維新からの150年間、大いなる建築の実験場でした。幾多の実践のなかで、日本の成熟した木造文化はいかに進化したのでしょうか。西洋は日本の建築にどのような魅力を見いだし、日本建築はそれにどう向き合ったのでしょうか。日々の暮らしや自然観といった目に見えないものの変遷も日本の建築を捉える上で重要な要素となるはずです。

本展は、いま、日本の建築を読み解く鍵と考えられる9つの特質で章を編成し、機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む遺伝子を考察します。貴重な建築資料や模型から体験型インスタレーションまで100プロジェクト、400点を超える多彩な展示によって、日本建築の過去、現在だけでなく、未来像が照らしだされることでしょう。
| 展覧会 | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) |









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