青い日記帳 

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「MOTアニュアル2006」

東京都現代美術館で明日から開催される
「MOTアニュアル2006 No Border ー「日本画」から/「日本画」へ」展の
レセプションに参加してきました。



「MOTアニュアル」は毎年若手の作家さんを紹介する展覧会として
この時期に行われています。
ちなにみ昨年は・・・
MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い展」でした。

今年は7人の自分と同年代の若手画家さんの作品で構成されていました。
7人に共通しているのが「日本画」を描く画家さんということ。
でも、「日本画」ってそもそも何なのかよく分かりません。
分からないまま、観てきてしまいました。

たまたま先日読んだ中西進氏のこの本にこんな文章が載っていました。
日本人とは何か
『日本人とは何か』 中西 進
 梶井基次郎の作品に、『桜の樹の下には』という短編がある。その冒頭を、「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」という有名な一行で飾った。
 この着想のもとは、ノルウェーの画家ムンクにあるのかもしれない。ムンクには「転生」を主題とする絵があり、樹木のもとに死体が横たわっている。
 一方、日本人は昔から墓地に桜の木を必ず植えたし、桜が人を殺すという発想は古代からあった。
 桜が人を殺すというのはこういうことだ。
 もともと、いま美しいとされているものは、昔はみんな恐ろしいものだった。雪も月も花も、雪女が出て人をだましたり、月が人を狂わせたりした。花だって、人を魅いらせて殺してしまった。
 そんなに恐ろしいから、恐れ入って尊んで、ほめそやす。そこから美が生まれたのである。
 ほんとうに美しいという感動は、ゾッとするような恐ろしい感動である。美人はきれいだといって、うっとりしていてはいけない。恐ろしい人が本当の美人だ。 


この展覧会には二人の「美人」が含まれています。
7人のうち2人が女性。そしてその二人ともが「美人」さんです。


(町田久美さんと松井冬子さん)

ただし、中西氏の指摘の通り、うっとりしてはいけないようで
二人とも揃って恐ろしい人のようです。

松井冬子の今回出展されている作品「切断された長期の実験」「くちなわ」「夜盲症」「浄相の持続」がこちらのページに載っています。

どれも恐ろしい作品ばかりです。
容姿とのギャップが魅力と言ってしまえばそれまでですが、
やはり「美人」は元来恐ろしいものだということを教えてくれます。

ただ、松井冬子の「恐ろしさ」は以前から雑誌やwebで知っていたので
それほどインパクトはなかったのですが、問題は町田久美です。

この本の表紙と挿画を描いているのが町田久美です。
淫蕩学校
淫蕩学校
マルキ・ド・サド, 町田 久美, 澁澤 龍彦

無防備に町田の作品に接してしまいました。
ぱっと見はかわいらしくさえあります。
(以前刺青入りのキューピーちゃんを描いたそうです。)

更にぱっと見はどこか懐かしさのようなものを感じさせます。
見る側がこうして心を開いて作品に向かいあうと・・・
次第に本性が現れてきます。

良い意味で?「嫌な気分」にさせる作品なのです。
猥雑な気分にいざないます。折角心開かせておいてです。
恐ろしいです。

前述の中西氏の言葉を借りればこうかもしれません。
美人の描く絵がかわいいからといって、うっかりしていてはいけない。
 
迂闊でしたモゴモゴ 次は気をつけます。

二人だけの話で終わってしまいそうですが・・・
ちゃんと他の5人の作家さんも会場にいらしてました。

左から、
篠塚聖哉、天明屋尚、長沢明、町田久美、松井冬子、三瀬夏之介、吉田有紀
という順番に並びレセプションに参加されていました。

篠塚聖哉氏の作品は大変詩的です。
私はこういう作品大好きです。

天明屋尚氏は「ガンダム展」にも出展されていた人。
有名な方ですから一度くらいは作品どこかで・・・
天明屋 尚 作品集 傾奇者 kabukimono
天明屋 尚 作品集 傾奇者 kabukimono
天明屋 尚

ジャパニーズ・スピリット―天明屋尚作品集
ジャパニーズ・スピリット―天明屋尚作品集
天明屋 尚

出展されている作品が14点ではもったいないです。
もっと観たかったな〜

長沢明氏は狼のような、犬のような「トラ」を描く人です。
しかもかなり大きなパネルに岩絵具や鉄粉を使って描いています。
すぐに分かります。
かわいい感じがします。でもこちらは危険性低いです。

三瀬夏之介氏は贅沢に金箔などをふんだんに用いて作品を描いています。
描くというより、作っていると言った方が妥当かな?
現代の琳派のようでもあります。

吉田有紀氏はたった3点しか出展していませんが
それでも存在感を出しています。
Groove Lineー闇に閃光3−」は曜変天目のような
妖しげな青い光を放っていました。

東京都現代美術館の企画展示室3Fだけで明日から3月26日まで開催です。

えっ?「美人」に会いたい??
止めておいた方が…でもどうしてもとおっしゃるのなら

会期中に出品作家トークが開催されるそうです。
1月22日 天明屋尚×松井冬子 →行って来ました!詳しくはこちら
2月26日 篠塚聖哉×長沢明×吉田有紀
3月05日 町田久美×三瀬夏之介 →行って来ました!詳しくはこちら

でも、止めておいた方が・・・
東京都現代美術館では、平成10年度より現代を反映したテーマを設定し、様々な視点から若手作家を紹介する展覧会「MOTアニュアル」を毎年開催しています。平成17年度の今年、開館以来当館においても重要なテーマである「日本画」を取り上げます。

−何故、今「日本画」なのか?

岩絵具や膠(にかわ)を使って描くのが「日本画」なのか? 明治時代に生まれた「日本画」という概念に果たして意味があるのか?
近代以後「日本画」を取り巻く状況は変化し続け、「日本画」自体の価値観、存在意義がたびたび問い直されてきました。
そして現在、現代美術―日本画、洋画―日本画という対立的な考え方を崩すような新たな世代が現れ、「日本画」という定義そのものに、もはや意味がなくなってしまったようです。
本展は、こうした状況をふまえながら、それでもあえて日本画を描き、あるいは日本的な表現に挑む30代の若手作家たち

篠塚聖哉、天明屋尚、長沢明、町田久美、松井冬子、三瀬夏之介、吉田有紀

による「ニホン画」の“今”を展覧します。
展覧会 | permalink | comments(12) | trackbacks(8)

この記事に対するコメント

楽しいレポートありがとうございます。
今や、都現美唯一の自主企画、学芸員が一番、力を入れているのがこの展覧会。

日本画の概念は流動化していますね。
そもそも画材で分けるのがおかしいとか。
「膠彩画」という名称の提唱もある。
「日本画」は死んだという説もある。

いずれにしろ、興味深い展覧会なので、必ず、行きます。

ごーまんかましてよかですか。(笑)
平山郁夫に代表される院展系の絵は、アートではなく、巧みの技、クラフトなのだと思う。
じゅん | 2006/01/21 8:42 AM
@じゅんさん
こんばんは。

アニュアル毎年楽しませてもらってます。
笑える前年のアニュアルと違い
今回はかなーり真面目な雰囲気でした。

日本画の捉え方があやふやなのでしょう。
なにをもって、何に対しての日本画なのか
難しいことはよく分かりません。

ただしこういった展覧会が開催されるのは
とても「日本画」にとって良いことだと思います。

平山郁夫氏は。。。嫌いです。大嫌い。
Tak管理人 | 2006/01/22 12:57 AM
おそろしかった...(^^;
lysander | 2006/02/28 1:04 AM
@lysanderさん
こんばんは。
TBありがとうございます。

恐ろしかったですよね
色んな意味で。

恐いもの観たさにまた行ってきます。
Tak管理人 | 2006/03/01 5:50 PM
こんばんは。
TBありがとうございました。

実は、先にここを読んでから、現代美術館へ行きました。
地方に住んでまして、月に1度東京に出てます。
なので、ここのレポートは、貴重だったりしてます。

又、ちょくちょく拝見させてもらいます。



KH | 2006/03/04 10:44 PM
@KHさん
こんばんは。

素人が徒然に好き勝手書いています。
プロの絵描きさんに読んでいただいているなんて
緊張してしまいます。(TB送っているのですけどね)

今日もまたMOT行って来ました。
色々あって楽しかったです。
Tak管理人 | 2006/03/05 11:04 PM
はじめまして。町田さんと松井さん、美人ですねえ。こんな方があの恐ろしく、不気味な絵をかかれるとは・・・
TBありがとうございました。
テツ | 2006/03/11 9:54 AM
@テツさん
こんにちは。
TBありがとうございます。

「戦略」としては大成功ですね。
上手いと思います。
作品的には町田さんの絵の方が
怖い感じがありました。
Tak管理人 | 2006/03/11 10:29 AM
Takさん、こんばんは。
記事にも書きましたが、私としてはここ数年で一番ヒットしたアニュアル展でした。
松井さんは展示も良かったですよね。
エスカレーターを上がった先にいきなりドーンと象の作品があって…。
最高のつかみです!
はろるど | 2006/03/12 11:39 PM
@はろるどさん
こんばんは。

松井さん今日もMOTに来てたようですよ。
たまたま用事があって電話したら教えてくれました。
エスカレーター上の作品はかなり危険。
だって皆さんすれすれを通るんですもの!
ヒヤヒヤしてしまいます。
Tak管理人 | 2006/03/14 7:59 PM
Takさんはじめまして。TBさせてくださいね。
ちゃんと調べておけば町田さんたちにあえる日があったんですねー。
S.A.K.U.Project | 2006/03/17 5:34 PM
@S.A.K.U.Projectさん
こんばんは。はじめまして。
TBありがとうございます。

トークショーとかの告知を
あまりしていませんでしたからね。
町田さん面白い方でした。
Tak管理人 | 2006/03/18 12:42 AM
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