弐代目・青い日記帳 

  
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「縄文展」
東京国立博物館で開催中の
特別展「縄文−1万年の美の鼓動」(縄文展)に行って来ました。


http://jomon-kodo.jp/

突然ですが、問題です。江戸時代が約300年弱、平成に至っては30年でその幕を閉じますが、縄文時代って何年くらい続いたかご存知でしょうか?

驚くことなかれ、何と10000年以上も続いたのです。大切なので何度も書きますね(次は漢数字で)一万年!です。

日本で最も有名な土偶であるこの遮光器土偶は、縄文時代の最晩期に作られたものだったりします。


重要文化財「遮光器土偶
青森県つがる市木造亀ヶ岡出土
縄文時代(晩期)・前1000〜前400年
東京国立博物館蔵

また国宝指定されている5体の土偶や「火焔形土器」も中期から後期に作られたものです。この頃になると集落の規模も大きくなり人口もピークをむかえます。

つまり、衣食住といった基本的な生活が安定をみせてきたからこそ、土偶や過剰な装飾の土器が作られたのです。

点で見てしまうと「凄い!」の一言で終わってしまう縄文土器や土偶ですが、一万年の「線」の中に置いてみると違った見方が出来ます。


国宝「火焔型土器
新潟県十日町市 笹山遺跡出土 縄文時代(中期)・前3000〜前2000年
新潟・十日町市蔵(十日町市博物館保管)

石器時代が終わり、定住生活がはじまった縄文時代の草創期に初めて土器が作られます。それは縄文のものとしては極めてシンプルなものに見えます。

縄で付けられた文様もとても控えめです。ちょっと(かなり)縄文土器として抱いているイメージと違うものがありますね。


微隆起線文土器
青森県六ヶ所村 表館(1)遺跡 縄文時代(草創期)・前11000〜前7000年
青森県立郷土館

しかし、はじまりの美の器はこれくらいシンプルでちょうど良いかと思います。だっていきなりうねうねとした「火焔型土器」が生まれたとしたら、それこそ超人的な何かの仕業としか考えられなくなってしまいます。

日本で初めて縄文時代だけに光を当てた今回の記念すべき「縄文展」は、基本的に制作年代順となっていますが、それだけでなく、テーマを設定し見るべきポイントを示してくれています。

展覧会構成に合わせ、見せ方にも大きく変化を付けているので、実は茶色の物体しか展示されていない平成館なのに、実に「多彩」な魅力で溢れているように感じます。


「縄文展」展示風景

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 暮らしの美
第2章 美のうねり
第3章 美の競演
第4章 縄文美の最たるもの
第5章 祈りの美、祈りの形
第6章 新たにつむがれる美


ところで、折角お気に入りの服を着て行ったのに服装がかぶってしまったり、似たようなコーディネイトでテンションだだ下がりになってしまったことありませんか。

オリジナリティを出そう出そうとすればするほど、今の時代はその真逆に行ってしまうものです。ところが縄文人たちの作り出したものはどうでしょう。

どれ一つとして似たようなものはありません。たとえば十日町市から出土した国宝「火焔型土器」以外にも似たような土器が発見されています。


火焔型土器・王冠型土器
縄文時代(中期)・前3000〜前2000年
新潟・十日町市蔵(十日町市博物館保管)

「なんだかぶってるじゃん!」と思われるかもしれませんが、よくご覧あれ。まるで別物です。線のうねりや形状そして縄目の紋様など全てオリジナル!!これだけ「個」がたっている作品そう滅多にお目にかかれません。

男性が狩猟に出かけている間、女性たちの手により作られたと考えられる土器や土偶。美を競いあうようにしながら個性的な美しさを表現していったのでしょう。


重要文化財「土偶
北海道室蘭市輪西町 縄文時代(晩期)・前1000〜前400年 
東京国立博物館
土偶
群馬県板倉町板倉遺跡
縄文時代(晩期)・前1000〜前400年 
東京大学総合研究博物館

土器だけでなく、土偶もかぶりは一つもありません。それぞれ超個性的なものばかりです。遮光器土偶と同じ頃に作られた2体はどちらもキュートです。とりわけ板倉遺跡の土偶はキャラ立ちしています。しっかりと。


重要文化財「耳・鼻・口形土製品
岩手県北上市 八天遺跡 縄文時代(後期)・前2000〜前1000年
文化庁(岩手・北上市立博物館保管)

実物大の耳や口。糸を通す穴があるので仮面本体にこれらのパーツを付けて表情を作ったのではないかと考えられています。

こうした「土偶文化」は、次の弥生時代へも継承されていきます。


土偶形容器
長野県上田市腰越 弥生時代(前期)・前4〜前3世紀
東京国立博物館

機械のように同じものを作れなかったのではなく、作り手たちが敢えて同じものは必要がない以上は作らなかったのでしょう。

ひとつふとつのカタチや文様に込められた作り手の思いが伝わってくるものばかりです。そしてその多くがビックリするようなデザインセンスの持ち主なのです。

一万年にも渡り続いた縄文時代の人々の生活の一端を知る展示も要所要所に用意されているのは見せ方上手いな〜とと感心しました。


「縄文展」展示風景

これだけ個性的でバラエティーに富んだ縄文文化も美術の歴史の中で重要視されてこない不遇の時代が長く続きました。初めて「縄文展」が開催されることからもそれはよく分かるかと。

全ての源は縄文にあり!「縄文展」観ずしてアートを語ること勿れ。


遮光器土偶
青森県外ヶ浜町 宇鉄遺跡 縄文時代(晩期)・前1000〜前400年 
栃木・濱田庄司記念益子参考館

濱田庄司がその美に取りつかれ手元に置いていた土偶。他にも川端康成、芹沢げ陲修靴堂本太郎らが所蔵していた土偶や土器が最後のセクションで紹介されています。

慧眼の持ち主たちに愛された土偶・土器がまとめて観られることも「縄文展」の大きな大きな見どころのひとつと言えます。

井上洋一氏(東京国立博物館副館長)が、日本全国各地の所蔵先の皆さまのご協力あって開催できた展覧会だと心のそこから感謝していましたが、まさにその通りだと思います。


キノコ形土製品
秋田県北秋田市 伊勢堂岱遺跡 縄文時代(後期)・前2000〜前1000年
秋田・北秋田市教育委員会(秋田県立博物館保管)

国宝指定されている土器・土偶全てが揃うことが一番のウリになっているようですが、実はこうした未知の土製品にこそ「縄文展」の真の魅力が隠されているのではないでしょうか。

さぁ、お気に入りの逸品を見つけにトーハクへ出かけましょう。

「縄文展」は9月2日までです。今年の展覧会ベスト10入り当確です!
「縄文展」展示ケース裏には「縄の壁」と「メラメラ炎」のプチ演出。


特別展「縄文−1万年の美の鼓動」

会期:2018年7月3日(火) 〜9月2日(日)
開館時間:9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、金曜・土曜は21:00まで開館。日曜および7月16日(月・祝)は18:00まで開館)
休館日:月曜日(ただし7月16日(月・祝)、8月13日(月)は開館)、7月17日(火)
会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
http://www.tnm.jp/
主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
協賛:凸版印刷
協力:文化庁、国際交流基金、大塚オーミ陶業、大塚国際美術館、日本児童教育振興財団
http://jomon-kodo.jp/

グッズも色々とヤバかったです。。。


遮光器土偶アイマスク


縄文発掘セット(土器発掘・復元体験キット)

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注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
縄文時代が始まったとされる約1万3000年前。狩猟や漁撈(ぎょろう)、採集を行っていた縄文時代の人びとが、日々の暮らしのなかで工夫を重ねて作り出したさまざまな道具は、力強さと神秘的な魅力にあふれています。本展では「縄文の美」をテーマに、縄文時代草創期から晩期まで、日本列島の多様な地域で育まれた優品を一堂に集め、その形に込められた人びとの技や思いに迫ります。縄文時代1万年にわたる壮大な「美のうねり」をご体感ください。
今から約1万3000年前、氷期が終わりに近づいて温暖化が進み、入り江や干潟が生まれ、現在の日本列島の景観が整いました。この頃に日本では土器作りが始まります。縄文時代の幕開けです。

当時の人びとは、自然環境を生かして狩猟や漁撈、採集による生活を営んでいました。彼らが日々の暮らしのなかで作り出した、土器や石器、土偶や装身具などのさまざまな道具は、力強さと神秘的な魅力にあふれています。

躍動感あふれる《火焰型土器》やユニークな姿形をした《遮光器土偶》は、縄文時代の造形美を象徴するものとして広く知られていますが、1万年続いた縄文時代には、まだまだ知られていない多彩な造形が数多くあります。

本展では「縄文の美」をテーマに、縄文時代草創期から晩期まで、日本列島各地で育まれた優品を一堂に集め、その形に込められた人びとの技や思いに迫ります。縄文時代1万年にわたる壮大な「美のうねり」をぜひご覧ください。
| 展覧会 | 23:04 | comments(0) | trackbacks(0) |









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