青い日記帳 

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「書の至宝展」

東京国立博物館で開催中の
「書の至宝−日本と中国展」に行って来ました。



もう少し勉強してから行けばよかったと後悔しています。

「王羲之、欧陽詢、蘇軾、空海、小野道風、本阿弥光悦、良寛―
名筆、時空を超えて一堂に。」とチラシにも書かれている通り
まさに「名筆が一堂に会している」展覧会です。

構成は以下の通りで、第一章には紀元前12世紀中国の「商」の時代の
甲骨文や国宝「説文木部残巻」などがすぐ目をひきました。

 1.文字の始まり〜字体の変遷〜
 2.王羲之とその周辺
 3.楷書表現の完成〜中国・唐時代〜
 4.主観主義の確立〜中国・宋元時代〜
 5.中国書法の受容〜飛鳥時代〜
 6.奈良時代の写経と三筆〜奈良時代から平安時代初期〜
 7.三跡と和様の成立〜平安時代中期〜
 8.仮名の美〜平安時代中期・後期〜
 9.伝統の和様と個性の墨跡〜鎌倉時代から室町時代〜
10.さまざまな到達点〜中国・明清時代〜
11.寛永の三筆と唐様〜安土桃山・江戸時代〜

見所はやはり、第六章から第九章までの日本国内の書です。

第六章
国宝「紫紙金字金光明最勝王経巻第二」はお経でありながら
ひとつの大変立派で上質な「絵画」のような面持ちでした。

また、この第六章には有名な『三筆』(嵯峨天皇・空海・橘逸勢)のうち
嵯峨天皇を除く二人の名筆が展示してありました。

伝播から受容へ 三筆
伝播から受容へ 三筆
石川 九楊

特に空海の書は多く4品(うち3品が国宝)が出展されていていました。
書状(風信帖)」「灌頂暦名」「金剛般若経開題残巻
以上3品全て国宝です。この3つが一度に観られるだけでも感動ものです。
国宝「書状(風信帖)」

第七章は『三跡』(『三蹟』)の登場です。
小野道風・藤原佐理・藤原行成の『三蹟』の筆を3人とも見ることができます。

受容から変容へ・三蹟
受容から変容へ・三蹟
石川 九楊

「白紙に戻す遣唐使」と暗記して覚えた894年の遣唐使廃止以降
いわゆる国風文化が花開きましたが、書の世界でも日本独自の
書体を形成していったことが第六章との比較で素人目にも分かりました。

隆盛を極めた藤原道長の筆による「御堂関白記」が観られたことが
個人的には一番大きな収穫でした。仮名文字で書かれている部分もありました。

またここでもお経は大変絵的で美しく観ていてうっとりしてしまいます。
国宝「法華経序品(竹生島経)」には雲や蓮の花が描かれ
国宝「法華経巻第八(浅草寺経)」は金の小切箔を撒いた料紙が目を奪いました。

第八章は「仮名の美」です。
国立博物館所蔵の国宝古今和歌集巻第五(高野切本)
古今和歌集(元永本)」は贅のかぎりを尽くした料紙は観ているだけで幸せな気分にさせてくれます。
画像はこちらです。

仮名文字は昨年出光美術館や五島美術館で開催された展覧会に足を運び
目にしていたので、割合すんなりと「世界」に入り込むことできました。
漢文が苦手だった自分にはたとえそこに書いてあるものが読めなかったにせよ
仮名文字には親近感を覚えてしまうから不思議です。

第九章だけでも、本来なら凄い作品ばかりなのですが、
ここに辿り着くまで「これでもか〜」と名筆・名作を見せられてきたので
藤原定家の「更級日記」があっても驚かなくなってしまっている自分が恐かったです。。。

最後の展示室、第十一章まで来るとその感覚は更に悪化?していて
本阿弥光悦の「摺下絵和歌巻
これなども「へ〜光悦か〜〜」程度の感動しかわいてきませんでした。
普段なら食い入るように観るはずなのに・・・

そうそう、本阿弥光悦の「立正安国論」もありましたよ。
さり気なく。

しかし、全体を通して勉強不足を実感させられた展覧会でした。
いくら書を知らぬといえどももう少し知っていれば…と悔やまれました。

書に通ず
書に通ず
石川 九楊

だいたい筆を使って文字など何十年も書いていません。
この展覧会を観たのを機に筆で文字も書いてみようと思い
ミュージアムショップで販売されていた写経セットを買って帰りました。

王羲之、欧陽詢、蘇軾、空海、小野道風、本阿弥光悦、良寛―
名筆、時空を超えて一堂に。

 書は東洋における最も美しい芸術の一つです。王羲之らによってその芸術性が高められた書は、中国では王朝の交代や民族の興亡を越えて脈々と受け継がれてきました。

 日本の書は漢字の伝来に始まりますが、唐王朝が衰微してその影響が薄れると、和様の書が全盛を迎え、また、独自の繊細で優美な仮名の世界が展開することとなりました。その一方で、禅や儒学の興隆による中国書法の大きな影響も見逃すことはできません。

 本展は、中国における書の歴史、その影響を受けながら独自の世界を築いてきた日本の書の展開を、両国の書の名品をそろえて概観するものです。日中の書の歴史を振り返り、さまざまな文化や思想を背景として形成された美しい書の世界に迫ります。
展覧会 | permalink | comments(14) | trackbacks(6)

この記事に対するコメント

こんにちは

TBしました。
そうですよね。最後の方、感覚が麻痺しました。
ak96 | 2006/01/20 5:01 AM
Tak様、
あなたのような方でも勉強していけば良かったと思われるのかと、ちょっと、ホッとしました。(失礼お許しを!)

私は場内に入り、速攻でだめだこりゃと降参し、入り口に戻ってガイドホンをお借りしました。
そのお陰で、真っ暗闇から光がちらっと見えたようでした。

圧倒的な中国の文字から、段々と和物に変化し、たおやかになっていく様子が、日本らしく、嬉しく思いました。
後、色々な印があって、楽しかったです。

でも、出口ではへとへとになってしまいました。
文字の威力に脱帽でした。
墨書で頭が真っ黒になった後、等伯の墨絵で癒してもらったのです。墨の力、深し!!
あべまつ | 2006/01/20 9:16 PM
@ak96さん
こんばんは。
TBありがとうございました。

麻痺します。
「国宝」ばかりのような錯覚も。。。
書も分かればな〜

@あべまつさん
こんばんは。

いえいえ、しょっちゅうです。
勉強不足というより、元々知識無さ過ぎです。
皆さんから教えていただくこと多いです。

イヤホンガイドは自分が行った時は
全て貸し出されていて順番待ちでした。
誰でも今回は解説聞きたくなりますよね。

「印」を10年ほど前、中国へ行った友人が
自分の名前で作ってきてくれました。
今でもそれ大事に使ってます。

北斎展の時の疲れとはまた違った疲れを感じました。
もっとちゃんと観られた・・・半分持たなかったかも。

もう一回出直そうかな。
Tak管理人 | 2006/01/20 10:28 PM
こんにちは
今日の東京は、朝からの雪でとても静かですね。
ブログ楽しく読みました。私も東博の「書の至宝ー日本と中国」に行きました。入場したもののスゴイ人で黒い塊がどうしても動かないので中国はパスして、第五章あたりから古筆を中心に見ました。よかったですねェ〜ウットリしました。また行こうと思っています。

ところで以下の文章で『画像はこちらです』は元永本古今集ですね。とすると「高野切」ではない。料紙の華麗さは元永のものですものね。冊子本なのでなんとか念力でペイジを変えたいと・・・
汗はかきましたが ;力;足りず・・・


第八章は「仮名の美」です。
国立博物館所蔵の国宝「古今和歌集巻第五(高野切本)」は贅のかぎりを尽くした料紙は観ているだけで幸せな気分にさせてくれます。
画像はこちらです。


またおじゃまします

S:PEん
| 2006/01/21 1:57 PM
@| | 2006/01/21 1:57 PM | さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

そうですよね〜
この雪景色の中にたたずむ博物館もまたおつな
趣があるでしょうね。雪の中でかけられた甲斐あります。
中国の書は「凄い」ことは分かるのですが
気持ちが入りませんでした。
よって私も早足でした。

リンク先のご指摘ありがとうございます。
いい加減な性格の現われです(^_^;)
反省。。。

>冊子本なのでなんとか念力でペイジを変えたいと・・・
これ思いました。私も!!
変えたいですよねーー
今度行く時はその種の「能力」を持っている方の
同伴を願いたいものです。

今後とも宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2006/01/22 1:04 AM
いろいろな世界があるものだということに感心してしまいました。何気なく使っている文字、われわれの基にあるものですから真面目に見直すと大変なことになりそうです。漢詩などにも興味津々になりました。
paul-ailleurs | 2006/01/22 10:07 AM
@paul-ailleursさん
こんばんは。

漢詩は学生時代全然興味なかったのですが
今になって読み返したりしています。
とても面白く奥が深いです。
文字の楽しさが分かってくると更に…でしょうね。
Tak管理人 | 2006/01/22 11:23 PM
こんばんは
TBとコメントありがとうございます!

そろそろ、東博も混んできましたか?

 絵画と文字では受け取るものが微妙に違うのでなんだか不思議です。しかしながら、すっかり疲れてしまう展示でしたよね。私だけじゃなかった、と少しほっとした次第です(ごめんなさい)。

 もともと中国伝来の紙である「唐紙(からかみ)」と日本製の「唐紙」(刷り模様のある紙)の模様など、文字だけではなく料紙を比較してもおもしろかったですね。中国の行動止帖を見たときは久能寺経や平家納経と似ている波の文様にうれしくなりました。

今回のガイドフォンはイメージソングから始まっていて、ベルリンの至宝展(このときはアルフィーの高見沢氏でした)を彷彿としました。→http://www.asahi.com/sho/rin.htmlこちらで試聴できます。

遅ればせながらTBお許しください。
ruihui | 2006/01/22 11:40 PM
今回、音声ガイドが非常に助けになりました。これをもっと充実すると美術館がさらに面白い場所になると思いますが、このような試みをしている人は日本にいるのでしょうか。

http://blog.goo.ne.jp/paul-ailleurs/e/cc9480e759251b960424cfd79a6332e4

paul-ailleurs | 2006/01/23 7:28 PM
@ruihuiさん
こんばんは。
TBありがとうございました(^^♪

東博の平成館、混雑していました。
北斎展ほどではないのですが、
書は展示方法が展示方法なだけに・・・
大変観にくいので混雑は避けたいです。

ほんと疲れてしまいました。
色々な意味で。

>文字だけではなく料紙を比較してもおもしろかったですね
まったくその通りですね。
お隣さんでありながら微妙に違ってくるのですから
面白いなーーと思います。

イメージソングをweb上でも聴けるのですか〜
それはそれは。。。

@paul-ailleursさん
こんばんは。

記事拝読させていただきました。
流石フランス。進んでいます。

>iPod にダウンロードしてもらう。
展覧会に行く前に事前にDLして
持っていけばいいわけですよね。
良いです。日本でもどなたか・・・
Tak管理人 | 2006/01/23 10:25 PM
はじめまして、書の至宝で検索してまいりました。
日頃関心の低かった日本編をじっくり見ることができて勉強になりました。
中国の明・清も楽しみにしていた1つですが、ここらへんは書をやる人でも知らない人・関心の低い人が多いみたいで、すいていてうれしいやら悲しいやらでした。
あと2回は行くつもりなので、少し勉強してから行きたいです。
特にこの展示は、解説がほしいとわたしも思います。漢字を使うのに、漢字のことをきちんと教育を受ける機会がない国に住んでいると痛感しました。

駄文ながら、TBさせていただきました
(ーε・)とら | 2006/01/30 1:07 PM
@(ーε・)とらさん
こんばんは。
TBありがとうございました。
前回行った時は混雑していたこともあり
中国の書はさらりとしか見ないで
日本の書を集中的に見ました。
ただ、帰ってから「あれもちゃんと見ておけば…」と
後悔しているので次リターンマッチに臨みます。

明日から展示される国宝「秋萩帖」も楽しみです。



Tak管理人 | 2006/01/30 8:45 PM
Takさん

先週、行ってきました。家内が書道を習っているので先遣隊として雪の日に行き(その日は私は川村美術館)、重いカタログを買ってきてもらいました。これでちょっと予習をし、また家内の忠告に従ってイヤフォーン・ガイドを借りて観ました。
感想は↓http://cardiacsurgery.hp.infoseek.co.jp/JA06.htm#0601261

漢字はエンジョイできましたが、仮名はアートとしての良さは分かるのですが、読めなくてフラストレーションがたまりました。そこで芸術新潮2月号「ひらかなの謎を解く」を買って、・・・の手習いを始めました。おそらく3日坊主でしょうが。
とら | 2006/01/31 9:06 AM
@とらさん
こんばんは。
TBありがとうございます。

流石とらさん。勉強熱心ですね。
見習わなくてはなりません。
やはりこの展覧会何も分からずに
行くよりも知識があった方がいいですよね。

確かに感じは形としてそして多少意味も
捉えることできますが、仮名はもう現代アートの世界です。
この展覧会の前に仮名文字の展覧会に行ってあったので
少しは楽しめたかな〜と思っています。
Tak管理人 | 2006/01/31 10:24 PM
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