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「フィンランド陶芸」

目黒区美術館で開催中の
「フィンランド陶芸―芸術家たちのユートピア」展に行って来ました。


http://mmat.jp/

iittalaやARABIAなどフィンランド発祥の食器ブランドのカップやお皿、ご自宅のキッチンに幾つかありますよね。とてもシンプルで飽きのこないデザインで使い勝手のよいものばかりです。

北欧文化を紹介する展覧会は絵画展を含め数多く開催され、高い人気を誇っています。フィンランドを舞台とした映画「かもめ食堂」などで、より人気に拍車がかかりました。


かもめ食堂

しかし、冒頭で紹介したプロダクト・デザインが主にこの国を象徴する文化のように、これまで紹介されてきた面があることも否めません。

はじめは何でもとっつきやすいもの、身近かなものからファンを獲得してくので決して悪いことではありません。



しかし、そろそろフィンランドが育んだ作家、作品に目を向けていく時期に差し掛かってきています。丁度今年は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年記念イヤーにあたります。

「フィンランド陶芸―芸術家たちのユートピア」では、作家に焦点をあて芸術作品を網羅的に紹介する日本で初めての展覧会となります。

そうは言っても、とても親しみやすい作品が多く、ふらりと観に行ってもおおかた楽しめる内容です。こんな愛らしくちょっととぼけた「作品」もあったりします。


ハミエル・シルキン「彫像(猫)」1950年代
アラビア制陶所

展覧会の構成は以下の通りです。

1:フィンランド陶芸の萌芽―ナショナル・ロマンティシズム
2:近隣諸国の影響を受けて―アール・デコ
3:フィンランド陶芸の確立―オーガニック・モダニズム
4:フィンランド陶芸の展開―ピクトリアリズム
5:プロダクト・デザイン―フィンランドと日本




展覧会タイトルが「フィンランド陶芸」となっているので、お皿や器的なものばかりと思われているかもしれません。でもそれは良い意味で裏切られます。

特に「フィンランド陶芸の展開―ピクトリアリズム」のセクションは陶板が多く出ており、そこに表された絵に注目が自然と集まります。


ビルゲル・カイピアイネン「陶板(眠れる森の美女)」「陶板(祈り)」1945年頃
アラビア制陶所


ルート・ブリュック「陶板(聖体祭)」1952-53年
アラビア制陶所

ビルゲル・カイピアイネンとルート・ブリュック。この2名の作家が手掛けた陶板はいずれも見応えがあります。彼らの作品を観に行くだけでも十分過ぎるほど価値がある展覧会です。

とにかく、これまで一般的に触れる機会の少なかったこうしたフィンランド作家との生の交流は、かの国に別段思い入れや憧れが無くても、心を動かされるに十分な魅力を備えています。


ルート・ブリュック「陶板(ヴェネツィアの宮殿 窓辺の人々)」1954-58年頃
アラビア制陶所

ビルゲル・カイピアイネンとルート・ブリュック。しっかりと名前を覚えました。アラビア制陶所の美術部門が作家に自由な発想で制作するのを許諾したからこそ、こうした作品が生まれたのでしょう。

いやはや、地味な展覧会かと思っていましたが、全く見当違いでした。やっぱり展覧会って実際に行ってみないと良さが分かりませんし、新たな感動とも出会えないものですね。

「フィンランド陶芸―芸術家たちのユートピア」展は9月6日までです。是非〜


日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念
「フィンランド陶芸―芸術家たちのユートピア」


会期:2018年7月14日〜9月6日
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月16日は開館、翌7月17日は休館)
会場:目黒区美術館
http://mmat.jp/
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
特別協力:コレクション・カッコネン
協力:有限会社スコープ、アラビア、イッタラ
協賛:大日本印刷、フィンエアー、フィンエアーカーゴ、サッポロホールディングス株式会社
後援:フィンランド大使館、フィンランドセンター
企画協力:S2株式会社


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注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念し、「フィンランド陶芸−芸術家たちのユートピア」を開催いたします。
これまで日本では、おもにフィンランドのプロダクト・デザインが紹介され、作家による芸術作品については十分とは言えませんでした。本展は、フィンランド陶芸の体系的な展示を日本で初めて試み、その黎明期から、最盛期ともいえる1950年代・60年代までを名作と共に辿ります。
19世紀末に流入したアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を大きく受けたフィンランドの美術・工芸は、1900年のパリ万国博覧会で高く評価され、世界的な注目を集めました。この成功は、当時ロシアからの独立を目指していた民衆に誇りと自信を抱かせ、建国の原動力ともなりました。また、フィンランド陶芸の萌芽もここにあります。そして、1930年代後半から始まるフィンランド陶芸の躍進の下地となったのは、美術工芸中央学校における陶芸家育成と国を代表するアラビア製陶所美術部門の活動でした。この美術部門では、作家たちによる自由な創作が許されており、ユートピアともいえる環境から数々の傑作が生み出されていくこととなります。国を挙げて芸術、文化の振興に取り組んだ結果、フィンランド陶芸は20世紀中期には世界的な潮流を生み出すまでに成長します。その既成概念にとらわれない豊かな表現は、人々を魅了し、日本の工芸界にも大きな影響を与えました。
本展は、フィンランド陶磁器やガラス作品の世界的コレクターであるキュオスティ・カッコネン氏のコレクションを中心に、「フィンランド陶芸の萌芽」「近隣諸国の影響を受けて」「フィンランド陶芸の確立」「フィンランド陶芸の展開」「プロダクト・デザイン」の5章によって構成します。知られざるフィンランド陶芸の世界との出会いは、その源泉に触れ、そして奥深さを知る、またとない機会になるでしょう。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

本当に見応え充分なフィンランド陶芸の幅広いアート作家の夢の共演ユートピアでした。
pinewood | 2018/08/17 7:16 PM
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