青い日記帳 

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「転換期の作法展」

東京都現代美術館で開催中の
「転換期の作法 ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術」展に
行って来ました。(1月22日)



近代西欧文化を軸にして物事の価値基準を定めてしまうことは、「現代」日本に生きる自分の宿命のようなもので、中々その呪縛から逃れることが出来ません。

西洋絵画の展覧会には真っ先に駆けつけるのに、アジアやその他の国の展覧会へは右顧左眄した挙句他人の評価の良し悪しで出かけるか出かけないかを決めたりしている実情です。

中東欧(ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー)の現代美術の展覧会が東京都現代美術館で開催されています。

東京都現代美術館の会員になっていることを今回ほど悔やんだことはありません。

もし会員になっていず、「純真無垢」な状態であったら…果たして
この展覧会にお金を払い、時間を費やし観に行くことがあったでしょうか?
もしかしたら……否、多分行かなかったかもしれません。

村上陽一郎氏は西洋文化の普遍化について警鐘をならしてます。
文明とはまず文化の一つの形態であって、自らの文化を自らのなかだけにとどめず、他の(周辺の)諸文化にも強制しようとする意志を持ち、しかもその意志を実現し貫徹するための社会的な制度や仕掛けを備えたものという定義」(普遍化の意志)は「一つ一つの文化のもつ個別性や独自性を無視し、それらを押し潰そうとするがゆえに、結果的には他の文化の独自性を確立する方向に誘うと考えなければならない」また「一つの文化が『文明』として働くとき、諸文化は否応なくある程度均されてしまう。」その結果「退屈」で「つまらない」ものになってしまうと。
文明のなかの科学
『文明のなかの科学』より。
村上 陽一郎

目の前にある作品を観る自分も西洋文化(ここの記事内では元西ヨーロッパ。昔のNATOに主に属していた国々を指すものとしておきます)から発信された作品だけを唯一絶対の価値基準に知らず知らずのうちに定めその結果その他の文化の作品を「退屈」で「つまらない」ものと思ってしまっていることは否めません。

村上氏は国や一つの文化を単位として書かれています。
ただそういったものをより小さく見てみれば当然ながら
その国や文化を作り上げているのは人間個人個人です。

私などどっぷりと「西洋文化の普遍的価値」に浸ってしまっている人間です。
他文化の価値や評価を必ずその価値基準を通して観てしまいます。

触れたことの少ない元東側の国々のしかも現代美術を
どうやったらまともに(素直に)観ることができるのでしょうか?

「色眼鏡を外す」ことは口で言うのは簡単ですが、
いざ実際にやろうとするとそれは既に網膜から脳にまで達している為
外そうと思っても易々と出来ることではありません。

実際は不可能です。

ただ不可能と思いそれで何も行動に移さないのではそこで終りです。

だからお金と時間を費やしてこの貴重な展覧会に行ってみる機会が
本当は欲しかったわけです。本当は。
(それでも仕事帰りにスーツ姿のまま行っただけでも罪滅ぼしになるかな)

もう一度必ず行きます。

展覧会でモネの「睡蓮」を観て抱く一種の「安心感」と似た感覚を
台湾に旅行した時、街中に「McDonald's」の看板を見つけ
抱いてしまったような自分ですから。

「バランス」があまりにも一方に偏り過ぎていました。
それはそれで良かったことは沢山ありますが、
でも、もういい年齢ですので少しはその偏りも
修正していかなくてはいけないように思えます。

一週間反省してやっと記事書きました。

私はいつも「気が付く」のが遅いな〜と思います。

ところでポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーって何処?
まずはここから勉強しないといけないようです。

ポーランド共和国

チェコ共和国

スロヴァキア共和国

ハンガリー共和国
20世紀末から21世紀初頭にかけてまさに激動の時代を体験している、中東欧地域(ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー)の現代美術を紹介することが本展覧会の目的です。これまでにも、この地域の現代美術を含む展覧会は開催されたことがありますが、主として90年代以降に焦点を絞った本展覧会は日本で初めての試みです。

1989年、旧東欧諸国では雪崩を打って社会主義体制が崩壊しました。そして2004年5月には、上記4カ国を含む10ヵ国がEUへの加盟を果たしました。古い価値体系が覆された後にやってきたのは、必ずしもユートピアという訳ではありませんでした。弱者救済の措置が十分に執られることもないまま、貧富の差は開く一方だといいます。そのような、いわば「資本主義的ジャングル」の中で生き延びるための様々な戦略が必要とされており、作家たちもまたその例外ではありません。たとえば、地に根を張る確かさと、臨機応変の柔軟さ、そしてユーモア精神は、そんな今をたくましく生き延びるための技法といえましょう。また、一見荒唐無稽に見えたとしても、実は入念な観察と奥深い洞察に満ちた作品も多く見られます。
この展覧会をきっかけとして、極東アジアと中東欧とが相互に影響を与え合い、共鳴する未来、共に生きる世界に向けての模索を行うことができればと期待しています。
展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

ブダペストとプラハの現代美術館にいったことがあります。
あと、アウシュヴィッツの展示の一部も実は現代アートです。

現代アートって、西欧と東欧の違いがありますかね。
グローバルとローカル。
この展覧会楽しみです。
MOTアニュアルとセットで行ってきます。


じゅん | 2006/02/03 8:01 AM
@じゅんさん
こんばんは。

東欧は全く未知の世界です。
それゆえ何も知らないので
新鮮に見えます。

>グローバルとローカル
そんな感じしました。確かに!

図録がコンパクトでよく出来ています。
行かれたらまた感想お寄せ下さい。
Tak管理人 | 2006/02/03 11:22 PM
Takさん、こんばんは。
重力スーツの作品など、単純に楽しめるものもありましたが、
ちょっとパンチ不足な気もしました。
東欧、西欧などの括りなく、
面白いものは面白いとどん欲に見ていきたいものです。
はろるど | 2006/03/12 11:34 PM
@はろるどさん
こんばんは。

西欧社会の現代美術に接しすぎているので
どうしても力不足のように感じますよね。
「これ、どこかで観たな〜」とか。
まぁそれはそれとして
こういった展覧会を開いてもらい
大変有意義だったと思っています。
Tak管理人 | 2006/03/14 7:57 PM
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