青い日記帳 

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「フェルメール展」

上野の森美術館で開催中の
「フェルメール展」に行って来ました。


https://www.vermeer.jp/

大型展ではほぼ初の取り組みとなる日時指定入場制を導入した今回の「フェルメール展」。東京展だけで計9作品、大阪会場を含めると合計10作品ものフェルメールと出逢える、まさに前代未聞文句なしの正真正銘の「フェルメール展」です。

フェルメール作品を所蔵しているヨーロッパやアメリカの美術館でもこれだけ大規模の「フェルメール展」はそうそう開催出来るものではありません。

お金の話をするのは好きではありませんが、仮に今回来ている作品を現地の美術館で観ようと世界中を飛び回ったとしたら飛行機代や宿泊費などで最低150万円は必要となります。

お金でだけでなく時間も当然ながら要しますので、それはそれは難儀なことです。それに通いなれていない異国の美術館で観ると落ち着かないので、日本国内で日時指定で余裕を持って観られるのは大変有難いことです。



今回の「フェルメール展」では、フェルメール・ルームを設け、展示室を8枚のフェルメール作品だけを展示しています。
現存する作品はたった35点とも言われるフェルメールの絵画は、400年近くの時を経て現在、欧米7ヵ国の美術館などに収蔵されています。

本展ではオランダ、ドイツ、イギリス、アイルランド、アメリカの5ヵ国6美術館から、国内過去最多となる9点もの作品が特別に出品を認められ、この「フェルメール・ルーム」に集められることとなりました。

部屋に並ぶのは、フェルメールの絵画だけ。

ようこそ、あの光、色彩、陰影に囲まれ、共に過ごす贅沢なひとときへ。
フェルメール本人すらも目にしたことがないであろう奇跡のような光景を、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。
初期に描いた宗教画「マルタとマリアの家のキリスト」(スコットランド・ナショナル・ギャラリー)と風俗画の最高傑作「牛乳を注ぐ女」(アムステルダム国立美術館)が同じ空間にあるだけでも胸熱です。

並んでいる順に一言だけ感想を書いて行きたいと思います。作品の詳しい解説などは『『フェルメール展』公式ガイドブック』もしくは『フェルメール会議』をご覧ください。(それぞれ執筆しています)


ヨハネス・フェルメール 「マルタとマリアの家のキリスト」1654-1656年頃 
スコットランド・ナショナル・ギャラリー 
National Galleries of Scotland, Edinburgh.
Presented by the sons of W A Coats in memory of their father 1927

最もサイズ的に大きな作品。同じ壁に並べると浮いてしまうので手前に掛けてあります。まとまり良く画面の中に3人の登場人物が配置されています。観るべきポイントはやはり「手」でしょうか。

日本初公開

ヨハネス・フェルメール「ワイングラス」1661-1662年頃 
ベルリン国立美術館 
Gemäldegalerie, Staatliche Museen zu Berlin, Preußischer Kulturbesitz Foto: Jörg P. Anders

今回の8点の中で最も会場の雰囲気と照明に合っていた作品。画像や書籍で観るよりも何倍も輝いて観えます。まだ画面構成に試行錯誤が見られるのですが、それを補って余りある美しい一枚です。


ヨハネス・フェルメール「リュートを調弦する女」1662-1663年頃 
メトロポリタン美術館Lent by the Metropolitan Museum of Art, Bequest of Collis P. Huntington, 1900 (25.110.24). Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY

「ワイングラス」とは対照的に画面が暗くかなり近寄って目を凝らさないと何が描かれているのか判別できません。同じ黄色の服の登場する他と比べても見劣りします。でも女性の顔は比較的コンディションが良く鼻立ちもスッキリしています。


ヨハネス・フェルメール「真珠の首飾りの女」1662-1665年頃 ベルリン国立美術館
© Staatliche Museen zu Berlin, Gemäldegalerie / Christoph Schmidt

美しい女性がネックレスをしている様子よりも、その背後にある広大な壁の部分に目が行ってしまいます。ここに画中画も描かず壁だけにした勇気。これぞフェルメールといったところです。とにかく壁です。


ヨハネス・フェルメール「手紙を書く女」1665年頃 
ワシントン・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Art, Washington, Gift of Harry Waldron Havemeyer and Horace Havemeyer, Jr., in memory of their father, Horace Havemeyer, 1962.10.1

制作年代順に並べたらたまたま黄色の同じ服を纏った女性が3人並んでしまいました。音声ガイドで女性の左手とテーブルクロスの角度がシンクロしていると説明していました。そこまで考えてフェルメールは描いたのでしょうか。


ヨハネス・フェルメール「手紙を書く婦人と召使い」1670-1671年頃 
アイルランド・ナショナル・ギャラリー Presented, Sir Alfred and Lady Beit, 1987 (Beit Collection) Photo © National Gallery of Ireland, Dublin NGI.4535

今回で2度目の対面となるこちらの作品。これまで紹介した作品に比べると人物表現にやや硬さが見られてきます。こうした筆の変化が見て取れるのも「フェルメール・ルーム」の醍醐味。さて召使は窓の外に目をやり何を考えているのでしょう。

日本初公開

ヨハネス・フェルメール「赤い帽子の娘」1665-1666年頃 
ワシントン・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Art, Washington, Andrew W. Mellon Collection, 1937.1.53 ※12月20日(木)まで展示

スペイン、プラド美術館で開かれた「フェルメール展」で観て以来実に久々に実物に逢えました。鼻の頭にある白いハイライトが異様に途中から気になって仕方ありませんでした。今回の中では最も小さな作品です。


ヨハネス・フェルメール「牛乳を注ぐ女」1660年頃 
アムステルダム国立美術館 
Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908 ©Rijksmuseum, Amsterdam

展覧会の最後、フェルメール・ルームのしんがりを飾るのはやはりこの名画。今回は女性の腕に注目してみました。手前の肘までまくり上げた腕はフェルメールとは思えないほど大胆な筆使いです。そしてピッチャーを手にする右手の服と接する部分に、僅かですが白をのせているのに気づきました。ここ要注目です!


フェルメール・ルーム

メツーなど他の作家の作品と見比べながら、フェルメールの世界に存分に浸れる実に贅沢な展覧会です。石原さとみさんナビゲートの音声ガイドも無料で借りられます。

初めて本物のフェルメールをご覧になる方も、何度も観ている方も是非是非足を運んで下さい。何回でも。かなり人数を制限してチケットを販売しているそうなので、ストレスなく観られるはずです。

冒頭で書いた通り、全てを海外で観るとなると莫大なお金と時間が必要となります。それを考えたらなんてお得な展覧会なのでしょう。

予想していたよりも素晴らしい展示だったのでちと興奮していますが、月末にでもあらためて観に行くつもりです。予定ではひと月に1,2度は通います。それだけの価値のある展覧会です。

「フェルメール展」は2019年2月3日までです。大阪会場は展示される作品が異なります。


「フェルメール展」
Making the Difference:Vermeer and Dutch Art

会期:2018年10月5日(金)〜2019年2月3日(日)
※会期中、一部作品の展示替えがございます。「赤い帽子の娘」10/5(金)〜12/20(木)、「取り持ち女」1/9(水)〜2/3(日)
休館日:12月13日(木)
開館時間:開館時間は9:30〜20:30(入場は閉館の30分前まで)。※開館・閉館時間が異なる日があります。
会場:上野の森美術館
http://www.ueno-mori.org/
主催:産経新聞社/フジテレビジョン/博報堂DYメディアパートナーズ/上野の森美術館
後援:オランダ王国大使館
企画:財団ハタステフティング
特別協賛:ダイワハウス工業株式会社、ノーリツ鋼機株式会社
協賛:第一生命グループ/株式会社リコー
特別協力:NISSHA株式会社
協力:ANA/KLMオランダ航空/日本貨物航空/ヤマトグローバルロジスティクスジャパン
総合監修:アーサー・K.ウィロックJr.(元ワシントン・ナショナル・ギャラリー学芸員)
日本側監修:千足伸行(成城大学名誉教授 広島県立美術館長)
https://www.vermeer.jp/

「フェルメール展」は日時指定入場制(チケット)です。↑公式サイトで購入方法を確認して下さい。


『フェルメール展』公式ガイドブック (AERAムック)


フェルメール会議 (双葉社スーパームック)

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@taktwi

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5249

JUGEMテーマ:アート・デザイン



注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
オランダ絵画黄金時代の巨匠、ヨハネス・フェルメール(1632-1675)。国内外で不動の人気を誇り、寡作でも知られ、現存する作品はわずか35点とも言われています。今回はそのうち9 点までが東京にやってくる日本美術展史上最大のフェルメール展です。
「牛乳を注ぐ女」「手紙を書く女」「真珠の首飾りの女」「ワイングラス」・・・欧米の主要美術館から特別に貸し出される、日本初公開作を含む傑作の数々が、ここ上野の森美術館の【フェルメール・ルーム】で一堂に会します。

日本美術展史上、最多のフェルメール作品が集う本展は、大変な混雑が予想されるため、美術展では適用の少ない「日時指定入場制」にて、お客さまをご入場の際に長時間お待たせせず、ご覧いただく運営をめざします。さらに来場者全員に音声ガイドを無料でご提供するなど、より快適に作品と向き合える、かつてない贅沢なひとときをおとどけします。

そして、フェルメールだけでなく、ハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンらの絵画と合わせた約50点を通して、17世紀オランダ絵画の広がりと独創性をご紹介いたします。
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