青い日記帳 

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「ルーベンス展」

国立西洋美術館で開催中の
「ルーベンス展―バロックの誕生」に行って来ました。


http://www.tbs.co.jp/rubens2018/

ペーテル・パウル・ルーベンス(1577−1640)の国内初となる大規模な展覧会が、上野の国立西洋美術館で始まりました。

ルーベンスの活躍した時代は重厚長大であることを良しとした所謂バロックと呼ばれる時代です。数年前に日本で流行った「盛り髪」のような現象が芸術全般で派手に行われた時代だと理解して下さい。

フェルメールが余計なものをそぎ落とす「引算の美学」を追求したのに対し、ルーベンスはどんどん盛りこんだ「足し算の美学」で世界中に名を轟かせることに成功しました。


ペーテル・パウル・ルーベンス《マルスとレア・シルウィア》1616-17年
油彩/カンヴァス
ファドゥーツ/ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション
©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

濃厚なソースをたっぷりかけて味わう肉料理のような味わいがルーベンス絵画の特徴です。絶対に展覧会観終えた後に口直しのコーヒーが欲しくなります。

近くの上の森美術館でちょうど「フェルメール展」が開催されているので、プロテスタントが多いオランダ生まれの画家フェルメールと、カトリックのベルギーで育ったルーベンスとの比較を料理に喩えてみると分かりやすいかもしれません。

(こちらで詳しく書いています)
美術展初心者も怖くない! 絵画に潜むサイドストーリーから読み解くアートの楽しみ方


ペーテル・パウル・ルーベンス《聖アンデレの殉教》1638-39 年
油彩/カンヴァス
マドリード、カルロス・デ・アンベレス財団
Fundación Carlos de Amberes, Madrid

では、実際に作品を観るとどう感じるでしょう。正直な話、例え話など頭に微塵も浮かんでこないほどに、目の前にある作品にひたすら圧倒されまくります。

舐めてかかってはいけません「ルーベンス展」。これは10年に一度あるかないかのガチな生粋の西洋美術の展覧会です。


ペーテル・パウル・ルーベンス《聖アンデレの殉教》1638-39年

実際の展示風景画像で見ると何を言わんとしているのかがお分かりになるはずです。とにかく大きい!そして色使いも派手!!これぞバロック絵画。

縦3メートル、横2メートルを超える超大作です。展覧会を担当された学芸員さんもこの作品を西洋美術館で観られるとは正直なところ思っていなかったそうです。

下世話な話ですが、これ一枚をスペインから借りてくるだけでどれだけの費用(レンタル代、輸送費、保険代etc…)がかかるのでしょう。絵画の面積比では「フェルメール展」の何十倍もこちらが勝っています。



展覧会の構成は以下の通りです。

1:ルーベンスの世界
2:過去の伝統
3:英雄としての聖人たち―宗教画とバロック
4:神話の力 1 ―ヘラクレスと男性ヌード
5:神話の力 2 ―ヴィーナスと女性ヌード
6:絵筆の熱狂
7:寓意と寓意的説話


あまり展覧会の細かな作りや構成を意識しなくても十分に楽しめます。濃厚こってり味一本勝負で実に潔いものがあります。

キリスト教の主題や聖書のどのような場面なのか、はたまたギリシャ神話の神々が何を行っている絵なのか、そこに描かれているものの意味を知らないと楽しめませんが、安心して下さい。ほぼすべてに丁寧な作品解説が付けられています。


ペーテル・パウル・ルーベンス《パエトンの墜落》 1604 / 05年
油彩/カンヴァス
ワシントン、ナショナル・ギャラリー Courtesy National Gallery of Art, Washington

またこちらの作品などは比較的小振りなものですが、大画面作品と比較するのにもってこいです。そもそもこの作品自体の完成度が非常に高く、主題を知らずともグイっと惹かれる魅力を湛えています。

それにしてもこれまでどうして本格的な「ルーベンス展」が日本で開かれてこなかったのでしょう。過去の展示はみなルーベンスと○○といった内容でした。
「ルーベンスの世紀展」(池袋西武百貨店)1969年
「ルーベンスとその時代」(北海道立近代美術館)1982年
「ルーベンス展―巨匠とその周辺」(日本橋高島屋他)1985年
「ルーベンスとその時代展」(東京都美術館他)2000年
「ルーベンス―栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」(Bunkamuraザ・ミュージアム他)2013年


裏を返せばようやく日本でも直球勝負の「ルーベンス展」が出来るようになったと言えます。鑑賞者の目が肥えてきた今だからこその「ルーベンス展」です。

だからでしょうか、ちょっと苦手としていたこってりしたルーベンス絵画を今回は、いとも簡単に受け入れることが出来ました。それどころかワクワクドキドキの連続で久々に展覧会を心の底から楽しんだ感があります。

ここで謝罪しておきます。今まで「ルーベンス展」にさほど期待していなかったことを。

一番のおススメはこちらかな〜

ペーテル・パウル・ルーベンス「法悦のマグダラのマリア」1625-28年
リール美術館

中央に横たわるマグダラのマリアに何が起こったのか、周りの天使たちのオーバーな仕草で想像がつきます。

これは是非単眼鏡(もしくは双眼鏡)を持参してマグダラのマリアの顔、なかでも両目をしっかりと観て下さい。とても「怖い絵」です。しかしだからこそ惹かれるものなのです。

時間に余裕を持って観に行かなかったので、近いうちに再挑戦します。こんな質の高い西洋絵画の展覧会を日本で観られる幸せ。素晴らしい!!

今年の展覧会ベスト5入り決定しました。

「ルーベンス展―バロックの誕生」は2019年1月20日までです。混雑する前に是非是非!巡回はありません。


「ルーベンス展―バロックの誕生」

会期:2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)
開館時間:9:30〜17:30
毎週金・土曜日:9:30〜20:00
(ただし11月17日は9:30〜17:30まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)、2018年12月28日(金)〜2019年1月1日(火)、1月15日(火)
会場:国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/
主催:国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社
後援:ベルギー大使館。イタリア大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、BS−TBS、TBSラジオ
特別協賛:大和証券グループ
協賛:NISSHA株式会社、あいおいニッセイ同和損保、三井物産、東日本旅客鉄道株式会社、シュガーレディグループ
協力:アリタリア、日本貨物航空、日本航空、日本通運、ルフトハンザカーゴ AG、ルフトハンザ ドイツ航空、西洋美術振興財団
展覧会公式サイト:http://www.tbs.co.jp/rubens2018/


ヴィタメール マカダミア・ショコラ 〈 ルーベンス展限定パッケージ 〉

ベルギー首都ブリュッセルの王室御用達老舗洋菓子店「ヴィタメール」を食いしん坊の主催者が口説き落として実現したコラボ商品。めちゃめちゃ売れてるそうです。美味しゅうございました。

これはもう“事件”!?「ルーベンス展」開催で、あの名作アニメ「フランダースの犬」放送決定!


《フランダースの犬》
© NIPPON ANIMATION CO., LTD.


ルーベンスぴあ (ぴあMOOK)

宮廷画家として活躍し、故郷アントウェルペンに大工房を構え、ダイナミックな神話画や荘厳な宗教画、きらびやかな肖像画など、数々の傑作を世に送り出し、「王の画家にして、画家の王」と呼ばれたペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)。
彼は教養ある知識人にして魅力的な超イケメン、そして妻と子を愛した家庭人でもありました。数か国語を操り、画家としてだけでなく外交使節としても活躍したスーパースター、ルーベンス。日本では『フランダースの犬』のネロがその祭壇画を観ながら天に召されたエピソードでも知られています。

本誌では「超入門 ルーベンスってどんな人?」「絶対見逃せない作品BEST20」などの特集で、そんなルーベンスの人物の魅力と作品の見どころを、アート初心者にもわかりやすく徹底ガイド!
「ルーベンス展」の展覧会紹介特集、会場である国立西洋美術館の見どころ紹介、ルーベンスの故郷・アントウェルペンの観光ガイドなど、盛りだくさんの内容です。


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ペーテル・パウル・ルーベンス(1577−1640)は、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17 世紀ヨーロッパを代表する画家です。彼は大工房を構え時代に先駆ける作品を量産し、同時代以降の画家たちに大きな影響を与えました。さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣されて外交交渉をも行いました。

本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介します。イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年から断続的に8年間この地で生活し、そこに残る作品を研究することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。近年では最大規模のルーベンス展です。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

足し算の絵画のbaroqueな豊饒からか混雑してるからか途中で常設展を観たせいかいつまでも見飽きない見切れない尽きない魅惑の展覧会!
pinewood | 2019/01/19 8:34 PM
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