青い日記帳 

  
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「ヨルク・シュマイサー展」
町田市立国際版画美術館で開催中の
「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」展へ行って来ました。


http://hanga-museum.jp/

2012年に他界したヨルク・シュマイサー(1942-2012)の作品を生前からコレクションしていた、町田市立国際版画美術館で逝去後初となる本格的な回顧展が開催されています。

フェルメールがオランダのデルフトに生まれ生涯そこで暮らしたのとは対照的に、ヨルク・シュマイサーは母国ドイツ、版画を学んだ日本、そして終の棲家となったオーストラリアと生活の場所だけでも3か所、さらに世界各地を旅し南極まで足を延ばしたまさに「旅する版画家」でした。



同じ場所に留まり自分自身の内面を省み変化を遂げてたのがフェルメールだとすると、シュマイサーは積極的に旅に出かけ外からの変化により自分の作品を作り上げていくタイプの画家です。

一所に居続けたとしても高いレベルの作品を残せたことは間違いありません。しかし、より高みを目指すためにシュマイサーは「外」へ出て行ったのです。そしてまた様々な技法にもチャレンジしました。

外的要因、外的刺激を求めて。



食事場所でも同じ店に毎回のように通うより、井之頭五郎のように新規発見の店を開拓して歩くのが好きな方も多いはずです。

版画を作るために常に新しい土地を目指したシュマイサーの旅の記録をこの展覧会では、通して見ることが出来ます。

版画作品としては異常なほど長く見続けさせる作品が多いのは、彼が作品内に「文字」や様々なイメージを重層的に配置しているからです。時にそれは日記であったり、メモ書きであったりします。


ヨルク・シュマイサー「日記とエアーズ・ロック」 1979年 個人蔵

我々も知らず知らずのうちに景色や人物などを目にし、複数のイメージを重ねているものです。それをシュマイサーは版画という重ねて絵や文字を表現できる技法により、具現化しているのです。

だから、作品によっては絵というよりも詩に近い印象を抱くものさえあります。


ヨルク・シュマイサー「日記とホガーズ『放蕩者一代記』」1979年 個人蔵

試しにこちらの作品の一部分をクローズアップしてみましょう。



全体から受ける印象と部分部分ではかなり乖離しているのがお分かりになるはずです。一枚の版画の中に「物語」が複数潜んでいるかのようです。

初期から晩年までの代表作を網羅した約180点で構成された展覧会。観るのに時間がかかるのも当然ですね。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:変化へのまなざし / Beginnings: Seeds of Change
2:旅 / Journeys: Changes of Perspective
3:日記と「小さなもの」 / Diaries: The Record of Change
4:連作―変化を追う / Change and Metamorphoses
5:変化を創る / Creatiing Change



ヨルク・シュマイサー「京都清水寺」1979-1980年 個人蔵

ヨルク・シュマイサーが日本で版画を学んでいる時に結婚した奥さま(日本人)が、大切に彼のコレクションを保存・保管していたのでとても質の高い作品ぞろいです。乾燥したオーストラリアの大地は、版画作品の保存にはうってつけのようです。

また、今回の展覧会を企画担当した学芸員さん自ら現地へ足を運び作品をチョイスしてきただけあり、寄せ集め的な回顧展では全くなく、非常に筋の通った骨太な回顧展となっています。


展示作品全て写真撮影がOKなのも嬉しいポイントです。

「描くことで、僕はその場所にもっと近くなる……作品はすぐに色褪せてしまう経験をつかんで捉えようとする試みだ。」

「風景を描く時は、風景という自分がいる場所を描いていると思っている。客観的な記録に見えたとしても、そうではない。」

「見えるようになりなさい―見るだけではなく。そのためには、描く以上に優れた方法はありません。」


「ヨルク・シュマイサー展」は11月18日までです。町田市立国際版画美術館は駅からタクシーでワンメーターです。是非是非〜


Kenko 単眼鏡 ギャラリーEYE 4倍 12mm口径 最短合焦距離19cm 日本製 001400

単眼鏡は必携です!


「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」

会期:2018年9月15日(土)〜11月18日(日)
休館日:月曜休館、ただし9月17日(月)、24日(月)、10月8日は開館し、9月18日(火)、25日(火)、10月9日(火)休館
開館時間:平日10:00〜17:00(入場は16:30まで)、土日祝10:00〜17:30(入場は17:00まで)
会場:町田市立国際版画美術館 企画展示室1、2
http://hanga-museum.jp/
主催:町田市立国際版画美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
助成:オーストラリア政府、豪日交流基金、オーストラリアnowスポンサー
協力:日本航空、国立極地研究所
協賛:ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、日本テレビ放送網

会期中展覧会に行けないとい方に朗報です。求龍堂より図録兼画集が発売になっています。一時期Amazonで品切れ状態となっていましたが現在は在庫ありとなっています。


『ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅』
ヨルク・シュマイサー (著)

「旅する銅版画家」と称されたシュマイサーは中東・アジア・南極に至る世界各地を訪ね、そこで出会った風景や事物を銅版画に刻みました。
彼が描くすべての底流をなしていたテーマが「変化」です。
世界と彼自身に起こる全ての変化を版画の画面にとらえようとする試みは美しい作品を作り出しました。


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ヨルク・シュマイサー(1942-2012)は世界を舞台に活躍したアーティストです。ドイツに生まれ、日本に学び、オーストラリアを拠点に制作を行いました。「旅する版画家」と称されるように世界各地を訪ね、その経験を版に刻みました。その足跡は欧米、中東、アジア、そしてついには南極にまで及んでいます。

けれども、シュマイサーはただ旅先の風景を描いた画家ではありません。
大胆な造形に目を奪われるオーストラリアの岩山
漂流し崩壊しダイナミックに姿をかえる南極の氷山
季節がめぐるたびに芽吹く新芽
アトリエ前の海岸に流れ着いた貝殻
イメージの趣くまま姿を変えていく女性たち。

マクロからミクロまで、シュマイサーが描くすべての底流をなしていたテーマが「変化」です。
自分をとりまく世界に起こる変化を画面に捉えることに、シュマイサーは生涯をかけたのです。
日本とも深い縁のあったシュマイサー。2012年の逝去後、初の本格的な回顧展となる本展では、初期から晩年までの代表作を網羅した約180点により、その軌跡をたどります。
| 展覧会 | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) |









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