青い日記帳 

  
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「皇室ゆかりの美術」
山種美術館で開催中の
特別展「皇室ゆかりの美術―宮殿を彩った日本画家―」に行って来ました。


http://www.yamatane-museum.jp/

三の丸尚蔵館は行けても、皇居宮殿へはどう転んでも無理です。しかし、そこには近代日本画家が持てる力を全て出し切った渾身の一枚が飾られています。

東山魁夷「朝明けの潮」、山口蓬春「楓」、橋本明治「桜」などなど。(宮内庁のサイトで一部観られます。)

ところが、山種美術館にはそれらと似た作品があります。例えばこちらの東山魁夷の「満ち来る潮」(1970年)と題された横幅9メートル以上もある巨大な作品。


東山魁夷「満ち来る潮」1970年
山種美術館蔵

皇居宮殿「波の間」にある東山魁夷「朝明けの潮」と同じ日本海の荒波を描いた魁夷の力作です。波しぶきに白色(胡粉)を用いずに高価な金やプラチナで荒波を表現しています。

魁夷自らフットライトで下から照明をあてるようにと指示があったそうで、金やプラチナの輝きが一層増してただならぬ魅力を湛える一枚になっています。

山種美術館の創立者山種二氏は幸運にも皇居宮殿を彩る日本画の名品を目にする機会に恵まれたそうです。そしてそれらを広く来館者にも観てもらいたいとの思いから、画家に直接依頼し同じような作品を描いてもらったのが「昭和新宮殿の作品にちなんで制作された作品」たちです。

新宮殿完成から50年の節目の年にそれらをまとめて公開しています。皇居宮殿には伺うこと叶いませんが、その場にある絵を山種美術館「皇室ゆかりの美術展」で堪能できるのです!平成最後の年に相応しい展示です。


竹内栖鳳「皇居造営下絵 土筆に仔犬
東京国立博物館蔵

青山御所(離宮)の御寝殿の杉戸下絵。竹内栖鳳や川合玉堂ら計11名がご下命を受け手掛けたが、建物が消失してしまった今、この下絵は御所の室内装飾を知る上で大変貴重な作品といえるでしょう。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 皇室と美術―近世から現代まで
第2章 宮殿と日本画―皇居造営下絵と宮殿ゆかりの絵画
第3章 帝室技芸員―日本美術の奨励


近年、俄然注目を集めている帝室技芸員の作品を紹介する第3章は、この展覧会の一番の見どころかもしれません。


並河靖之「花鳥図花瓶」「菊に蝶図花瓶

明治の超絶技巧として並河靖之をはじめ多くの工芸作家たちの作品を目にする機会が増えました。しかし、帝室技芸員は日本画家もそして洋画家も任命され作品を残しているのです。

展覧会初お披露目となる前田青邨「豊公」や何度観ても安定した清らかな美しさを誇る上村松園「牡丹雪」など、帝室技芸員というフィルターを通して観ることで、新たな発見に出会えるはずです。


黒田清輝「湘南の海水浴」1908年
山種美術館蔵

今でこそ珍しくもなんともないですが、明治時代に西洋から「輸入」された海水浴は当時の人にとってとてもハイカラな遊びでした。だからこそ絵画の題材として成立するのです。

夏目漱石の『こころ』でわたしが先生と初めて出会うのも鎌倉の海水浴でのこと。まだ庶民の娯楽ではなかった時代の海水浴を黒田が選んだのも納得できます。

明治時代といっても今からもう100年も前のことであり、価値観も考え方もまるで違っています。ある意味で西洋の宗教画を観るよりも知識が必要かもしれません。

そうした意味からも、石原千秋先生の『百年前の私たち――雑書から見る男と女』は、是非読んでおきたい一冊です。



また、皇室と言えばボンボニエールです!

渡辺省亭が迎賓館の為に描いた作品なども出ており大変見応えのある展示内容となっています。

「皇室ゆかりの美術展」は2019年1月20日までです。これは是非観ておきたい展覧会です。


特別展「皇室ゆかりの美術―宮殿を彩った日本画家―」

会期:2018年11月17日(土)〜2019年1月20日(日)
※会期中、一部展示替えあり(前期:11/17-12/16、後期:12/18-1/20)
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日[但し、12/24(月) 1/14(月)は開館、12/25(火) 1/15(火)は休館、12/29(土)〜1/2(水)は年末年始休館]
会場:山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、日本経済新聞社
協賛:SMBC日興証券


下村観山「老松白藤」1921年
山種美術館蔵

今回の展覧会では、こちらの作品が写真撮影可能となっています。全体をカメラに収めるのもよし、藤の花をクローズアップして撮るのもよし。

よく画面全体を見渡してみると、翅をブーンといわせ威勢よく飛んでいる一匹のクマバチ(クマンバチ)が見つかるはずです!



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山種美術館 広尾開館10周年記念特別展 7展覧会セット前売り券 数量限定販売のお知らせ


色から読み解く日本画
三戸 信惠 (著), 山種美術館(特別協力)

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当館創立者の山種二(やまざきたねじ)は、1968(昭和43)年に完成された皇居宮殿を飾った美術品に感銘を受け、より多くの人々にこの優れた作品をご覧いただきたいという願いから、山口蓬春(やまぐちほうしゅん)、上村松篁(うえむらしょうこう)、橋本明治(はしもとめいじ)、東山魁夷(ひがしやまかいい)ら宮殿装飾を手掛けた日本画家たちに同趣向の作品制作を依頼しました。
 このたび、山種美術館では、これら当館所蔵の皇居宮殿にちなんだ作品を4年ぶりに一挙公開するとともに、皇室ゆかりの美術をご紹介する展覧会を開催いたします。
 加えて、天皇の手になる書・宸翰(しんかん)や宮家に伝来した絵巻、皇族から下賜された美術工芸品、野口小蘋(のぐちしょうひん)、下村観山(しもむらかんざん)、西村五雲(にしむらごうん)らによる宮家旧蔵の日本画など、皇室とゆかりの深い作品をご覧いただきます。
 さらに、1890(明治23)年に皇室による美術の保護奨励の目的で設置された帝室技芸員制度にも注目します。橋本雅邦(はしもとがほう)、竹内栖鳳(たけうちせいほう)、上村松園(うえむらしょうえん)らの日本画から、川之邊一朝(かわのべいっちょう)、並河靖之(なみかわやすゆき)、濤川惣助(なみかわそうすけ)、香川勝廣(かつがわかつひろ)らの工芸作品、そして黒田清輝(くろだせいき)や和田英作(わだえいさく)らの洋画まで、帝室技芸員に任命された作家たちの優品を通して、近代の美術家たちが皇室とどのように関わってきたかを振り返ります。
| 展覧会 | 23:20 | comments(1) | trackbacks(0) |
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| - | 2018/11/23 10:01 PM |










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