青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「フィリップス・コレクション展」ポストカード売れ筋ランクに異変が! | main | 『美術展完全ガイド2019』 >>

「東山魁夷展」

国立新美術館で開催中の
「生誕110年 東山魁夷展」に行って来ました。


http://kaii2018.exhn.jp/

東京国立近代美術館で10年前に開催された「東山魁夷展」と展示内容としては、大きな違いはなく魁夷の代表作や唐招提寺御影堂の障壁画も、そこで観たからもういいや。何て思っていたら大間違いです。

確かに展示されている作品は同じかもしれませんが、10年もの歳月が経っているのです。そう、鑑賞者は大きな大きな変化を遂げているはずです。

この10年間でどんなことがありましたか。学生だった方は社会人に。結婚されて親になった方もいるでしょう。大きな病や怪我に苦しみませんでしたか。健康第一です。

10年ひと昔とはよく言ったもので、心身ともに絵と向き合う姿勢も随分と変わっていることに気付かされます。



「東山魁夷展」を10年毎にこれからも是非開催してもらいたいものです。大家の回顧展は魁夷だけでなく定期的に開かれていますが、「東山魁夷展」が自分の成長ぶりを映すのに最も適していると思います。

人物が一切登場しない風景画がずらりと並びます。裸婦像や歴史的・宗教的な要素の強い作品が一枚もないのがその理由です。

小説でも風景描写は登場人物の心情描写とシンクロさせ表現します。それと同じように「今の自分」の心情と最も波長の合う風景作品が見つけられるのが「東山魁夷展」の魅力であり、幅広い層に支持される理由なのです。



10年前にはピンとこなかった作品に、今回はいたく心を揺さぶられ涙が出るのをぐっとこらえる。そんな経験が出来るのは魁夷展だけでしょう。

上手・下手とか国民的画家とか、ましてや小難しい解釈は一切不要。合わせ鏡のように心を開いて絵と向かい合うだけで幸せな気分となります。

展覧会の構成は以下の通りです。

1章:国民的風景画家
2章:北欧を描く
3章:古都を描く・京都
4章:古都を描く・ドイツ、オーストリア
5章:唐招提寺御影堂障壁画(間奏 白い馬の見える風景)
6章:心を写す風景画








唐招提寺御影堂障壁画再現展示も今回が初めてのことではありません。ただ観るだけだった10年前の自分と比べると、それなりに絵の中に入り込んで心を揺さぶられた感があります。

画像は内覧会で撮影してもらったもので、自分が観に行った時は大勢の人が列をなしている状態でした。

それでも壁際に置かれた椅子に座り、ぼんやりと作品と人の流れを観ていると、実に様々なことが思い浮かんでくるのです。

東山魁夷が高い人気を誇る理由は、観る者の心とのシンクロ率の異常なまでの高さにあります。それが若者であってもお年寄りであっても。



絵を描くことは祈りだと申し上げましたが、その祈りについてお話しますと、私は、はじめ、自分ひとりの救いを願う祈りでありました。(中略)が、しだいに肉親や親しい人びとへの祈りをも籠める気持ちが起こりまして、やがてそれがもっと広く、人間同志、人間全体への祈りでありたいと願う気持ちが強くなりました。

10年後にまた「東山魁夷展」を観られるために、明日からまた頑張って生こうと珍しく思いを新たにしました。こんな気持ちにさせる展覧会そうそうありません。

「生誕110年 東山魁夷展」は12月3日までです。


「生誕110年 東山魁夷展」

会期:2018年10月24日(水)〜12月3日(月)
毎週火曜日休館
開館時間:10:00〜18:00
※毎週金・土曜日は 20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
http://www.nact.jp/
主催:国立新美術館、日本経済新聞社、テレビ東京、BSテレビ東京
特別協賛:大和証券グループ
協賛:大和ハウス工業、凸版印刷、トヨタ自動車、パナソニック、三井物産
特別協力:唐招提寺
協力:長野県信濃美術館 東山魁夷館


もっと知りたい東山魁夷―生涯と作品


東山魁夷アートカレンダー2019年版 (大判) ([カレンダー])

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5311

JUGEMテーマ:アート・デザイン



注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
情感にみちた静謐な風景画により、戦後を代表する国民的日本画家と謳われてきた東山魁夷(1908−99年)。東山の生誕110周年を記念する本展覧会は、東京では10年ぶりとなる大規模な回顧展です。
横浜に生まれ、東京美術学校を卒業した東山は、昭和8年(1933年)にドイツ留学を果たし、後の画業につながる大きな一歩を踏み出しました。しかしその後、太平洋戦争に召集され、終戦前後に相次いで肉親を失うなど、苦難の時代を過ごしました。どん底にあった東山に活路を与えたのは、自然が発する生命の輝きでした。昭和22年(1947年)に日展で特選を受賞した《残照》の、日没の光に照らされて輝く山岳風景には、当時の東山の心情が色濃く反映しています。
東山の風景画の大きな特色は、初期の代表作《道》(1950年)が早くも示したように、平明な構図と澄んだ色彩にあります。日本のみならず、ヨーロッパを旅して研鑽を積んだ東山は、装飾性を帯びた構図においても自然らしさを失わず、青が印象的な清涼な色彩の力も駆使し、見る者の感情とも響きあう独自の心象風景を探求し続けました。
本展覧会では、完成までに10年の歳月を費やした、東山芸術の集大成とも言える唐招提寺御影堂の障壁画を特別に再現展示します。20世紀とともに生きた東山の創作の全貌を、壮大な障壁画を含む約70件の名品によってご堪能ください。
展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/5311
この記事に対するトラックバック