青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」最後の展覧会。 | main | 企画展「春を寿ぐ―徳川将軍家のみやび―」 >>

プロが選ぶ「2018年 ベスト展覧会」

平成30年も残すところあと5日となりました。何かと慌ただしい年の瀬ですが、今年も年末恒例の新聞各紙に掲載された専門家(プロ)が選んだ「今年のベスト展覧会」をご紹介したいと思います。



メジャーな人気を博した展覧会から、存在すら知らなかったマニアックな展覧会まで、様々な展覧会が今年も専門家により選ばれています。

掲載日の早い順に、朝日・讀賣・毎日の順でご紹介します。



朝日新聞
2018年(平成30)12月18日(火)夕刊

回顧2018 美術
消えた存在が照らし出す
 
・下がる実物への敬意
・国、時代を軸に「相対化」の試み

私の3点

☆北澤憲昭(美術評論家)
「縄文」(東京国立博物館)
「起点としての80年代」(金沢21世紀美術館)
「超えてゆく風景展 梅沢和木×TAKU OBATA」(ワタリウム美術館)

1は「美術」のかなたから造形の可能性を照らし出し、2は80年代美術の起爆力を見事に検証した。3は梅沢和木がネットから蒐集した画像のカオスが、鑑賞と批評の現在の試金石となっていた。

☆高階秀爾(美術史家)
「建築の日本展」(森美術館)
「縄文」(東京国立博物館)
「扇の国、日本」(サントリー美術館)

1は自然素材を生かした技術力が生み出した日本的空間構成、2は古代人の祈りの心に支えられた豊穣で多彩な美の世界、3は自然への畏敬親和の念と優雅な遊び心が一つになった美意識を通して見る日本文化論の好企画。

☆山下裕二(美術史家)
「縄文」(東京国立博物館)
「真明解 明治美術」(神奈川県立歴史博物館)
「吉村芳生」(東京ステーションギャラリー)

1は考古遺物としてではなく、「美」から縄文をとらえて画期的。展示も素晴らしい。2は学芸員の意欲があふれ、明治美術を新たな切り口でとらえ直した。3は地方で活動した作家を全国区にしようとする熱意を感じた。


カプセル 歴史ミュージアム 国宝土偶 全5種セット




讀賣新聞
2018年(平成30)12月20日(木)朝刊

回顧2018 アート
経済・社会との関係焦点に
 
複製品活用や少年像撤去…

3氏が選ぶ展覧会ベスト4

☆建畠晢(多摩美大学長、埼玉県立近代美術館館長)

「1968年 激動の時代の芸術」(千葉市美術館など)
「岡村桂三郎展ー異境へ」(神奈川・平塚市美術館)
「ゴードン・マッタ=クラーク展」(東京国立近代美術館)
「詩人 吉増剛造展」(東京・渋谷区立松濤美術館)

1968年展は、戦後前衛芸術の転換点をなした時期に焦点を当て、作品と大量の資料によって社会的背景も含めて整理し直してみせた。

☆椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)

「ルー・ヤン展 電磁能神教− Electromagnetic Brainology」(東京・スパイラルガーデン)
「会田誠展 GROUND NO PLAN」(東京・青山クリスタルビル)
「内藤礼―明るい地上には あなたの姿が見える」(水戸芸術館)
「現代山形考 修復は可能か?ー地域・地方・日本ー」(山形県・東北芸術工科大学)

ルー・ヤン展は中国の新世代パワー爆発、会田展は新五輪都市への批評的回答、内藤展は精緻と変移の極限的共存、山形展は保存と修復の是非・北からの声。

☆蔦谷典子(島根県立美術館主席学芸員)

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」(東京・国立新美術館など)
「モネ それからの100年」(名古屋市美術館など)
「阿部展也ーあくなき越境者」(広島市現代美術館)
「没後50年 藤田嗣治展」(東京都美術館など)

コレクターの眼の確かさ、長年の研究に裏打ちされた豊かさ、新鮮な視点、ひとちの作家を世代を重ね追求した成果。展覧会は多様でおもしろい。


旅する画家 藤田嗣治 (とんぼの本)




毎日新聞
2018年(平成30)12月20日(木)夕刊

この1年 美術
「節目」意識する出来事相次ぐ
 

今年の展覧会3選

☆高階秀爾(美術評論家・大原美術館館長)

「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」(東京・国立西洋美術館、兵庫県立美術館)
「没後50年 藤田嗣治展」(東京都美術館、京都国立近代美術館)
「ピエール・ボナール展」(東京・国立新美術館)

1プラド美術館の代表的名画群、特にベラスケスが圧巻。2「素晴らしい乳白色の地」の裸婦像でフランス美術界を驚かせた画家の生涯の軌跡。3晴郎な光輝を放つ独自の世界を確立した画家の回顧展。

☆島敦彦(美術評論家・金沢21世紀美術館館長)

「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」(大阪・国立国際美術館)
「猪・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉」(熊本市現代美術館)
「内藤礼―明るい地上には あなたの姿が見える」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)

1パフォーマンスを軸に大胆な全館展示による開館40周年企画。2映像を使って演劇の可能性を広げる岡田利規の挑戦的展示。3変化する自然光のみで、作品空間に向き合うひそやかな場を創出。


あえかなる部屋 内藤礼と、光たち




展覧会のベスト3などは掲載されていませんが、日経や産経でも今年のアートシーンを振り返る記事がそれぞれ掲載されました。

日本経済新聞
2018年(平成30)11月29日(木)

回顧2018 美術
展示施設の存在意義問う
 

改修などで休館中の美術館の収蔵品を各地に巡回させる試みが目についた年だった。各地の美術館による着実な収集活動の成果が明らかになった。

長年の調査・研究が集約された「没後50年 藤田嗣治展」、視点の新しさで画家の魅力を再発見した「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展、館独自のテーマを深化させた「池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展などに研究の厚みを感じた。近代美術のスター的存在となった藤田のほかにも、再評価されるべき美術家は眠っていることだろう。それらも日本の重要な「文化財」だ。(一部掲載)




産経新聞
2018年(平成30)12月23日(日)

【回顧2018】美術 
リアルとバーチャルの間で


人気の展覧会を前に、辛抱強く列をつくり、会場では静かに作品を熟視する−。長く当たり前のように行われてきた鑑賞の“作法”が変わりつつある。ソーシャルメディアが普及し、VR(仮想現実)など新しい技術が進化する中、美術館はどこまで観客に「開いて」いくのか。本物を見るとはどういうことか。鑑賞体験の変化について考えさせられた1年だった。(続きはこちらから。)






プロが選ぶ「2018年 ベスト展覧会」如何でしたでしょか。

こう見てみると、いくつか忙しさにかまけて見逃してしまった展覧会があることに気が付かされます。椹木氏に勧められた展覧会も結局行けず…

それにしても「縄文展」は強いですね。確かに会場内からただならぬパワーが発せられ通常の平成館とは雰囲気が全然違いました。ひとつひとつのモノの力がとにかく強い展覧会でした。

今年も皆さま自身の選ぶベスト展覧会をブログに書かれましたらお手数ですがTB頂けると嬉しく思います。TwitterやFBページへコメントとして書いて頂いても結構です。何卒、宜しくお願い申し上げます。

【バックナンバー】
プロが選ぶ「2017年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2016年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2015年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2014年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2013年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2012年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2011年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2010年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2009年 ベスト展覧会」
プロが選ぶ「2008年 ベスト展覧会」


美術の窓 2019年 1月号

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5339

JUGEMテーマ:アート・デザイン



展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/5339
この記事に対するトラックバック