青い日記帳 

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2018年 展覧会ベスト10

時間を見つけては今年も日本全国の美術館・博物館に足を運び数多くのアート作品と出逢うことが出来ました。体調を少し崩した時期もありましたが、今年も何とか大晦日を迎えられそうです。

このブログを書きはじめて14年と172日になりました。これもひとえに支えてくれた家族と駄文を読んで下さる皆さんあってのこと。いつもいつも感謝の気持ちでいっぱいです。

更に今年は筑摩書房より『いちばんやさしい美術鑑賞』(ちくま新書)を上梓するなど、大きな節目となる一年でもありました。



前置きが長くなりましたが、私が選ぶベスト展覧会2018を僭越ながら発表させて頂きます。「プロが選ぶ展覧会」「かみさんが選ぶ展覧会」と合わせてお楽しみ下さい。

個人的に関わりを大きく持った「ミラクル・エッシャー展」と「フェルメール展」はベスト10から外しました。「フェルメール展」は執筆した本や雑誌だけでもこれだけの数があります。

王冠22018年 私が観た展覧会ベスト10王冠2

1位:「糸のみほとけ」

「糸のみほとけ―国宝 綴織當麻曼荼羅と繡仏―」
会期:2018年(平成30年)7月14日(土)〜8月26日(日)
会場:奈良国立博物館
https://www.narahaku.go.jp/

絵画でも運慶・快慶の仏像でもなく、刺繍仏を一堂に集めた展覧会が今年観た中で最も心に残っています。絵画や一般的な仏像よりも何倍も作った人の想いが感じられるのが刺繍仏。木や石を削り落として形にしていく一般的な仏像と違い、刺繍仏は一本一本縫い合わせていくことを思うとそこに託された祈りが直接伝わってきます。一歩間違えば「執念」「怨念」に繋がる刺繍仏たち。とにかく心に深く刺さった展覧会でした。

2位:「ルーベンス展」

「ルーベンス展―バロックの誕生」
会期:2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)
会場:国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/

ルーベンス絵画がこれだけまとめて日本国内で観られるのはこれが最初で最後と言っても過言ではありません。そもそもルーベンスが描いた油彩画は、日本人には縁遠い物語画(宗教画)が主題。しかもどれもこってりとした脂っこく進んで箸をのばすことを躊躇してしまいます。しかしそんなことを吹っ飛ばしてくれるダイナミックで魅力的な名画たちが上野駅から徒歩数分の場所にあるのです。これほど満足度(お得感)の高い展覧会は中々ありません。

美術展初心者も怖くない! 絵画に潜むサイドストーリーから読み解くアートの楽しみ方

これはもう“事件”!?「ルーベンス展」開催で、あの名作アニメ「フランダースの犬」放送決定!

3位:「扇の国、日本」

「扇の国、日本」
2018年11月28日(水)〜2019年1月20日(日)
会場:サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/

日本で生まれ発展した扇を扱う展覧会。あまりにも内容が濃くて未だにブログに感想を書けていません。扇をテーマにこれほど豊かな展示が可能なのかとただひたすら感心してしまうばかり。道具としての扇だけでな勿論なく、美術・工芸作品にも多く用いられた扇を多様な視点で紹介しています。それも名品を各地から集めてきています。年明けにもう一度拝見して整理出来たら記事書きます。良かったわ〜しかし。因みにリニューアルのため、サントリー美術館休館します(2019年11月11日〜2020年5月中旬予定)。

4位:「縄文展」

特別展「縄文−1万年の美の鼓動」
会期:2018年7月3日(火) 〜9月2日(日)
会場:東京国立博物館
https://www.tnm.jp/

日本で初めて縄文時代だけに光を当てた今回の記念すべき「縄文展」。テーマを設定し見るべきポイントを示していました。ただ並べるだけに終わってしまわずに、いかに魅力を伝えるかに注力を注いだ展示でした。10000年以上も続いた縄文時代について、実は断片的にしか知らずにいたことを痛感させられました。ひとつひとつのカタチや文様に込められた作り手の思いが伝わってくるものばかりで、その多くがビックリするようなデザインセンスの持ち主なのです。期待以上のものを感じられた展覧会でした。

5位:「ルドンー秘密の花園」

「ルドンー秘密の花園」
会期:2018年2月8日(木)〜5月20日(日)
会場:三菱一号館美術館 
http://mimt.jp/

三菱一号館所蔵の名品「グラン・ブーケ」は元々はフランス・ブルゴーニュ地方の美術愛好家のドムシー男爵が、自宅(お城)の食堂を飾る壁画として描かせたものでした。壁画は大小計16点。残りの15点(オルセー美術館所蔵)がこの展覧会で再会を果たしました。それが一番の目玉かと思いきやそうではなく、「花」をテーマに作風の変化したルドン作品を上手いことまとめて見せていました。簡単そうに思えてとても手間暇時間をかけ練られた展覧会でした。

6位:「ピエール・ボナール展」

「ピエール・ボナール展」
会期:2018年9月26日(水)〜 12月17日(月)
会場:国立新美術館
http://www.nact.jp/

ボナールほど不思議で自由な画家はいないのではないでしょうか。それがどこから来るものなのかよく分からなかったのですが、今回初めてまとめてボナール作品を観られたことでその謎が解けたような気がします。ボナールの作品を観ていると羨ましくなってしまいます。それは彼の生き方が今の我々とは真逆だからです。周り(時代)に流されず、好きなように生き好きな作品を二つの世界大戦を通しながらも描き続けることが出来たボナール。多幸感あふれる展覧会でした。

7位:「暁斎・暁翠伝」

「暁斎・暁翠伝 ─先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄─」
会期:2018年4月1日 (日)〜6月24日 (日)
会場:東京富士美術館
http://www.fujibi.or.jp/

河鍋暁斎(1831〜89)の展覧会はここ数年で幾つか開催されてきていますが、これほど展示構成が優れた展覧会は観たことがありませんでした。ただ漫然と暁斎作品に触れるのではなく、事細かに分類されたジャンルごとに見せてくれました。中でも「暁斎のデザイン」や「暁斎の本の仕事」といったこれまでにないセクションまで。そして20代の頃から仕事を引き継いだ娘・暁翠の作品も同等に展示に組み込まれていたのもポイント高し。西川口の河鍋暁斎記念美術館へも今年は足を運びました。

8位:「エミール・ガレ 自然の蒐集」

「エミール・ガレ 自然の蒐集」
会期:2018年3月17日(土)〜7月16日(月・祝)
会場:ポーラ美術館
http://www.polamuseum.or.jp/

エミール・ガレ(1846年〜1904年)の展覧会は毎年どこかの美術館で開催されていますが、「エミール・ガレ 自然の蒐集」では、関連する絵画や標本などをガレ作品と積極的に同時に展示することがなされていました。また自然光でガレ作品が観られるように工夫されたりと、とても意欲的な見せ方を行いそれが全てプラスの方向に作用していました。作品数の少ないガレが晩年になって手掛けた海シリーズが観られたた点も高い満足度に繋がりました。

実は正真正銘の「××」だった!?ガレのガラス器でアール・ヌーヴォーなお花見を

9位:「高麗青磁―ヒスイのきらめき」

「高麗青磁―ヒスイのきらめき」
会期:2018年9月1日(土)〜11月25日(日)
会場:大阪市立東洋陶磁美術館
http://www.moco.or.jp/

現在のコリア(Korea)の語源とも考えられている高麗。高麗王朝時に作られた高麗青磁だけを集めた展覧会。研ぎ澄まされた鉄壁の美しさを誇る中国の宋の時代の青磁とは、違った趣のある高麗青磁の魅力は想像以上のものでした。まとめて観るからこそわかる良さというものがあります。他の焼物の中に数点高麗青磁があってもそこまで惹かれないでしょう。「幻のやきもの」とされ、多くの人を熱狂させた高麗青磁の世界に没入出来た展覧会でした。

10位:「ヨルク・シュマイサー展」

「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」
会期:2018年9月15日(土)〜11月18日(日)
会場:町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/

2012年に他界したヨルク・シュマイサー(1942-2012)の作品を生前からコレクションしていた、町田市立国際版画美術館で逝去後初となる本格的な回顧展。版画作品としては異常なほど長く見続けさせる作品が多いのは、彼が作品内に「文字」や様々なイメージを重層的に配置しているからです。時にそれは日記であったり、メモ書きであったりします。一枚の版画の中に「物語」が複数潜んでいるかのようでした。



以上、独断と偏った嗜好により選んだベスト10です。ギャラリーでの個展やイベント系の展覧会はランキングから除外しました。観に行ったのにブログに書けていない展覧会の多い一年でもありました。

来年(2019年)も元気に美術館・博物館へ足を運べるよう努めます。身体あっての展覧会巡りですからね。

《お時間ありましたら下記のトークイベントにお越しくださいませ》

【トークイベント】銀座美術夜話会―第15話
「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」開催×『いちばんやさしい美術鑑賞』刊行記念
ムンク展でひらく美術館のとびら! −美術館で絵画と共鳴する。


新春☆横浜美術館貸切!1月20日18:00〜☆『イサム・ノグチと長谷川三郎』展☆学芸員解説&Tak氏+パトロンプロジェクト菊池トーク&交流

アートエバンジェリスト協会カンファレンス
2019年度テーマ 〜アートを伝え続けること〜


展覧会に行きたくなる!青い日記帳流 美術鑑賞術

2月24日(日)14時〜TADアート・アートレクチャー「わからないから始まる美術鑑賞」(富山県美術館)
https://tad-toyama.jp/

【バックナンバー】
2004年 展覧会ベスト10
2005年 展覧会ベスト10
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2008年 展覧会ベスト10

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2016年 展覧会ベスト10
2017年 展覧会ベスト10

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かみさんが選ぶ「2007年 展覧会ベスト10」
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