青い日記帳 

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「THE STEAMPUNK―螺子巻奇譚―」

郵政博物館で開催中の
明治改元150年記念 企画展「THE STEAMPUNK―螺子巻奇譚―」に行って来ました。


https://www.postalmuseum.jp/

まず初めに辞書で「電信」の意味を確認しておきます。

でんしん【電信 telegraph】
広義では電気を利用した通信のことで,有線,無線を含めた電気通信全体を指すが,狭義では初期の電気通信であったモールス電信にその後の印刷電信および模写電信などを含めたものをいう。最近ではおもに狭義で使われており,英語のテレグラフtelegraphの意味も狭義である。(中略)電信の歴史は,1837年にS.F.B.モースが発明したモールス電信と,37年にC.ホイートストンらが発明し印刷電信の発端となった指示電信機に始まる。
(平凡社『世界大百科事典』)

小さい子供からお年寄りまで携帯電話を持つ時代となった今では、電信という言葉にどこか懐かしさを感じてしまいます。でも遠く離れた場所にいる人と連絡が瞬時に取れるようになったのはまだまだ「最近」のことなのです。


重要文化財〈ペリー将来 エンボッシング・モールス電信機(送受信機)〉
アメリカ 1851年

日本に初めて遠く離れた場所にいる人と話が出来る「電話機」がやって来たのは、1877年(明治10)のこと。翌年には国産1号機が開発されました。

では、電話機がいつ出来たのかというと…驚くことなかれ、日本に渡来する前年(1876年)、アメリカのアレキサンダー・グラハム・ベルによって発明されました。

明治という時代がいかに貪欲に西洋の文化・技術を取り入れていたのかを象徴する逸話でもあります。



発明された当時の様々な形の電話機が展示されています。電信が目的であってもその形(デザイン)を存外にどれも扱っておらず、それぞれ見応えがあります。中には超カッコイイ姿の電話機も。

展覧会タイトルを「電信の歴史展」とか「電話機の誕生展」などとせず、何の展覧会だかその字面からは見当もつかない「THE STEAMPUNK―螺子巻奇譚―」としたのは、勇気が要ったことでしょう。郵政博物館だからこそ出来るマッドなタイトルです。


STEAMPUNKイメージ

ところが、この「STEAMPUNK」(スチームパンク)という言葉をAmazonで探してみてください。数多の商品が表示されます。そう世の中的にはとてもキャッチーなのです。
スチームパンク(Steampunk)とはSFのジャンルのひとつ。 意味合いとしては「産業革命の原動力となった蒸気機関が、現実の歴史における絶頂期のありようを超越して発展した技術体系や社会を前提としたSF作品」などと形容することができる。
【ピクシブ百科事典】
つまり、この展覧会では重要文化財〈ブレゲ指字電信機(送信機)〉や〈ディニエ印字電信機(受信機)〉といった、モネが20代の頃にヨーロッパで発明された貴重なお宝をただ並べて紹介するだけでなく、スチームパンク的な視点で捉えんとする冒険的な試みがなされています。





また、子供さんでも簡単に参加できる「飛行船に潜む謎を解き明かせ!」と題されたワークシートも用意されており、黒電話すら知らない現代っ子でも楽しく展示作品と接せられるよう工夫がなされています。

この展覧会に展示されている物はとても価値のあるものですが、普通に博物館的に陳列・紹介したのでは、その魅力や歴史的意義を伝えられるか疑問です。

スチームパンクという切り口は、中々うまく功を奏しているように思えました。

有名なあのタイタニック号にまつわる展示もあります。



1912年(明治45)4月14日の深夜に巨大氷山に衝突し沈没したタイタニック号。無線通信士は2時間も救難信号「CQD」と「SOS」を発信し続けたそうです。

この事故の教訓を生かし、救難信号の統一が図られ国際基準化が進んだそうです。


歌川広重(三代)「東海道名所改正道中記『境木の立場 程か谷 戸塚迄二り九丁」1975年(明治8)

個人的にはこれがツボでした。

三代広重が描いた明治期の東海道の様子ですが、右側の浮世絵をよく見て下さい。松の木に電線が取りつけられています。

東海道筋に整備された創業期の電信線の中には、このように街道の松の木を利用したものもあったそうです。めっちゃパンクですね〜

「THE STEAMPUNK―螺子巻奇譚―」展は4月7日までです。会場内にはスチームパンクなコスプレ衣装も用意されています。写真撮影OKです!


明治改元150年記念 企画展
「THE STEAMPUNK―螺子巻奇譚(ねじまききたん)―」


会期:2019年1月1日(火・祝)〜4月7日(日)
*会期中、展示替えあり
休館日:1月4日(金)、2月20日(水)、3月6日(水)
開館時間:10:00〜17:30(入館は17:00まで)
*1月1日は、13:00から17:30まで
*3月16日(土)ナイトミュージアム「蒸気夜会」18:00~21:00(入館は20:30まで)
会場:郵政博物館(東京スカイツリータウン・ソラマチ9F)
https://www.postalmuseum.jp/
主催:郵政博物館
協力:株式会社横須賀テレコムリサーチパーク無線歴史展示室、横須賀市自然・人文博物館、公益財団法人 三笠保存会、墨田区立東駒形コミュニティ会館図書室
illustration:Naffy


常設展示にはこんな懐かしいものも!


スチームパンク・ストーリー レトロフューチャーを創造するアーティスト25人
ドゥプレス・ブックス (著), 今井 悟朗 (翻訳)

大人気! スチームパンク・アートを牽引するアーティスト25人の作品コレクション集!! ドローイング+CG、立体造形+玩具、ファッション+装飾品の3カテゴリーからアプローチ! 各作家が語るスチームパンクの魅力と奥義も必見!!

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“電信”それは 魔術か 科学か?!
狼煙(のろし)、郵便、電信――。古代から人は“より遠くのだれか”とつながる術を探求し続け、19世紀に世界中の人々と瞬時につながることができる「電信(telegraph)」が誕生しました。その魔術のような新技術は、人々を驚かせ、情報網を広げ、モールス符号などが次々に発明されました。それは、ジュール・ヴェルヌやH.G. ウェルズの作品に代表されるような、19世紀の科学ロマン=スチームパンクな世界といえるでしょう。
本展では、19世紀末から20世紀初頭にかけて製作された「スチームパンク的」な電信機や電話機をご紹介します。
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