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フェルメール「真珠の首飾りの女」と「ワイングラス」の意外な共通点

上野の森美術館で開催中の「フェルメール展」もいよいよ、2月3日(日)となりました。10月5日に開幕したのがつい昨日のように思えてしまいます。


https://www.vermeer.jp/

2月3日の最終日まで休館日無し。開館時間も毎日、9時〜20時30分と通常の展覧会よりも行きやすいよう諸々設定されています。

1月9日からは日本初公開となる取り持ち女」(ドレスデン国立古典絵画館)が加わり、華やかさが一層増しているフェルメール・ルーム。

さて、今回来日を果たしている「真珠の首飾りの女」と「ワイングラス」には意外な共通点があります。ミニ知識として頭に入れておきましょう。


ヨハネス・フェルメール「ワイングラス」1661-1662年頃 油彩・カンヴァス 67.7×79.6cm
ベルリン国立美術館 
© Staatliche Museen zu Berlin, Gemäldegalerie / Jörg P. Anders


ヨハネス・フェルメール「真珠の首飾りの女」1662-1665年頃 油彩・カンヴァス 56.1×47.4cm
ベルリン国立美術館 
© Staatliche Museen zu Berlin, Gemäldegalerie / Christoph Schmidt

この2点のフェルメール作品に共通する事柄、何だかお分かりになりますか?描かれている人物や絵が持つ意味ではありません。所蔵している美術館に注目してみましょう。

そう、ドイツのベルリン国立博物館に共に所蔵されている作品です。

第二次世界大戦時にナチス・ドイツによって美術品が強奪されたことは誰もが良く知るところです。ヒトラーもフェルメールは大のお気に入りだったようで、現在ウィーン美術史美術館にある「絵画芸術」やルーヴル美術館「天文学者」も戦時中はドイツにありました。

最も多い時で、なんと8点ものフェルメール作品がドイツに存在したというのですから驚きです。そういえば今回の「フェルメール展」の触れ込みも8枚来日!でしたね。


ベルリン国立美術館での展示風景。
植本一子 (著)『フェルメール』より。

フェルメール「真珠の首飾りの女」と「ワイングラス」(日本初公開)は、ヒトラーが他国から奪い取って来たものではなく、戦前よりドイツ国内にあった作品です。

敗戦が濃くなってきたドイツは絵を戦禍から逃すために「疎開」させました。この2点は、チェーリンゲンのメルカース岩塩抗に運び込まれました。

戦争が終わり、連合国軍がドイツが集めた絵画を元の国に戻す作業に入りましたが、アメリカ軍やソ連軍はちゃっかり元々ドイツにあった作品も「安全確保」を名目に自国へ持ち帰ってしまったのです。

現在「フェルメール展」で観られる「真珠の首飾りの女」と「ワイングラス」は、共にアメリカ軍により、ワシントンへ持ち去られてしまったのです。


ヨハネス・フェルメール「取り持ち女
ドレスデン国立古典絵画館


ヨハネス・フェルメール「窓辺で手紙を読む女
ドレスデン国立古典絵画館

因みに上記の2枚はソ連によってモスクワへ「連行」されてしまった同じような過去があります。

さながら美術品争奪戦のようです。ナチス・ドイツだけが常に悪者にされていますが、アメリカやソ連も戦後のどさくさに紛れて貴重な美術品をこっそりかすめていたのです。

尚、「真珠の首飾りの女」と「ワイングラス」がアメリカからドイツへ返還されたのが1928年のこと。数年ではありますが、この2点はヨーロッパを離れアメリカの地を一度踏んだことのある作品なのです。

そんな小ネタを少し頭に入れておくと、展覧会場で絵の前に立った時の感想の幅がぐんと広がるものです。


ベルリン国立美術館での展示風景。
植本一子 (著)『フェルメール』より。

そして、いつかはドイツのベルリンやドレスデンに行き現地の美術館で再びこれらの作品と向かい合いたいものですね。

「フェルメール展」鑑賞は平日夕方以降がおすすめ!


「フェルメール展」(東京展)

会期:平成31年2月3日(日)まで ※会期中無休
会場:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1−2)
http://www.ueno-mori.org/
開館時間:9時〜20時30分 ※入館は閉館30分前まで、開館・閉館時間が異なる日もあります
日時指定入場制:入場時間を6つの時間帯に分けた日時指定券を販売
主催:産経新聞社、フジテレビジョン、博報堂DYメディアパートナーズ、上野の森美術館
特別協賛:大和ハウス工業株式会社、ノーリツ鋼機株式会社
協賛:第一生命グループ、株式会社リコー
特別協力:NISSHA株式会社
https://www.vermeer.jp/

2月16日から5月12日まで大阪展(大阪市立美術館)


「フェルメール展」 (大阪展)

会期:2019年2月16日(土)〜5月12日(日)、休館日は月曜日(祝休日の場合は開館、翌平日休館)。4月30日(火)、5月7日(火)は開館。
開館時間:9時30分〜17時(入場は閉館の30分前まで)
大阪展は、東京展で実施の日時指定入場制ではありません。
会場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82)
主催:大阪市立美術館、産経新聞社、関西テレビ放送、博報堂DYメディアパートナーズ
後援: オランダ王国大使館/石川テレビ放送/福井テレビジョン放送/東海テレビ放送/山陰中央テレビジョン放送/ 岡山放送/ テレビ新広島/ テレビ愛媛/高知さんさんテレビ/テレビ西日本
企画:財団ハタステフティング
特別協賛:大和ハウス工業株式会社、ノーリツ鋼機株式会社
協賛:第一生命グループ、株式会社リコー
特別協力:NISSHA株式会社
協力:ANA、KLMオランダ航空、日本貨物航空、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン
大阪展公式サイト:https://vermeer.osaka.jp/

そうそう、丁度良いタイミングで、今回のネタを映画化した「ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ」が、2019年4月19日より公開となります。


http://hitlervspicasso-movie.com/

ポスターにはちゃんとフェルメール作品も使われていますね!これは楽しみです。そうそう、字幕監修は、大ベストセラー「怖い絵」シリーズ著者で、68万人を動員した「怖い絵展」監修も務めた作家・独文学者の中野京子氏が担当します!


中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない

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1928年?
タムラヨシカズ | 2019/01/22 10:27 PM
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