青い日記帳 

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『新版 奇想の系譜』

小学館から刊行となった『新版 奇想の系譜』を読んでみました。


新版 奇想の系譜
辻惟雄(著)

辻惟雄先生の名著『奇想の系譜』について、あらためて説明するまでもないでしょう。

初版は1970年のこと。1968年の雑誌『美術手帖』7月号から12月号にかけて連載された「奇想の系譜ー江戸のアヴァンギャルド」の原稿に加筆し、美術出版社より『奇想の系譜』が刊行されました。

それから18年後の1988年に、版元をぺりかん社に変え『奇想の系譜』が再販され、2004年に筑摩書房より文庫本として世に三度送りだされ、広く人々の手に取られることに。



因みに1970年(昭和45年)に初めて世に『奇想の系譜』を送り出した時の辻惟雄先生は、弱冠37歳でした。今でこそ空前の江戸絵画ブームですので、この本に取り上げられている絵師たちが「奇想」だなんて考えられないことです。

伊藤若冲を(いとう・わかおき)と誤読しなくなったのも平成に入ってしばらく経ってからのことです。


新版 奇想の系譜

さて、1970年以降版元や版型を変えながら刊行され続けてきた『奇想の系譜』の最新版が、2019年2月に小学館より刊行となりました。

新版 奇想の系譜』(小学館)は、これまでで一番大きなサイズで、江戸絵画130点あまりをオールカラーで掲載しているのが特徴でありウリです。

それだけではありません。テキストもかなり新しく追加となっています。

岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳の6名の奇想の絵師たちについて、彼らを取り巻く状況が50年前とどのように変わったのかを、それぞれ書かれています。


「その後の岩佐又兵衛」

例えば「その後の伊藤若冲」では15ページに渡り、当時から現在までの若冲の立ち位置の変化や、新たに発見された作品についてなど、具に述べられています。

「その後の〜」だけを読むだけでも『新版 奇想の系譜』(小学館)を入手する価値はあります。



ひとりの美術史家の孤独な戦いから始まった『奇想の系譜』が50年経った今、日本美術史のど真ん中、超主流になっているのです。こんなある意味短期間で価値観が大きく変わることそう滅多にありません。

そして、あらためて『奇想の系譜』を読み直してみると、まさに驚きの連続です。この発想・着目まさに慧眼としか言いようがありません。

辻惟雄先生は「あの時は若かったから〜」と謙遜されますが、逆に37歳で又兵衛や山雪、国芳らについてこんな文章書けませんって。


https://kisou2019.jp/

東京都美術館で開催される待望の展覧会「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」へ行かれる前に是非読んでおきたい一冊です。日本中の全ての家庭に一冊あってもおかしくありません。

新版 奇想の系譜』の装丁はデザイナーの、おおうちおさむ氏が手掛けています。帯や表紙を取ると違ったデザインが現れます!


新版 奇想の系譜
辻惟雄(著)

江戸絵画ブームを興した名著オールカラー版
半世紀前に刊行された『奇想の系譜』が、新たに図版を加え、さらに4色で大きく見せられるレイアウトに生まれ変わりました。また、若冲をはじめ江戸の絵師たちに起こった絵画をとりまく状況変化を各章最後に新原稿として追記しています。

岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我簫白、長沢芦雪、歌川国芳。アバンギャルドな絵師たちの江戸絵画を約130点も掲載。

江戸絵画ブームの原点となる名著がオールカラー完全版として新登場!



未来の国宝・MY国宝
山下裕二(著)

「未来の国宝」-遠くない将来、国宝に指定されるに違いない作品、「MY国宝」-山下先生にとって思い入れが強く、22世紀には国宝になってほしいと願う作品、そして、海外に流失した作品のなかから、国内に留まっていたら間違いなく国宝に指定されていたと思われる作品を厳選し、時代順に掲載しています。

約5000年前の縄文土器から会田誠など現代美術まで、山下先生独自の視点で、作品に対する熱い思いを込めて紹介します。


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この記事に対するコメント

お世話になります。いつも参考になる情報をありがとうございます。「その後の伊藤若冲」のくだりについては、「〜新たに発見された作品についてなど、具体(的)に述べられています」の誤記でしょうか…。
ミミちゃん | 2019/02/10 4:03 PM
「具に」(つぶさに)と書きました。
Tak | 2019/02/11 8:28 PM
管理者の承認待ちコメントです。
- | 2019/02/11 9:42 PM
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