青い日記帳 

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『美人画づくし 弐』出版記念展

ギャッリーアートもりもとで開催中の
「『美人画づくし 弐』出版記念展」に行って来ました。


http://www.artmorimoto.com/

16名の日本画家による美人画新作展が銀座松屋裏手にあるギャラリーアートもりもとで開催されています。

現在の美人画人気の火付け役であり“フィクサー”でもある池永康晟さんを筆頭とする主に若手日本画家によるグループ展です。

1960年頃を境に美人画の地位は急激に低下し、グラビア、漫画、アニメなどが席巻する時代となりました。

今はそれが素人さんまで巻き込んでいます。たとえばInstagramで「#美人」「#ポートレート女子」「#綺麗なお姉さん」なとハッシュタグ検索すれは、それこそ何万、何十万という数の似たような写真が画面に表示されます。



そんな「便利な時代」に、日本画で時間と手間をかけ描かれた美人画の居場所は果たして存在するのでしょうか。

それがあるのです。時計の振り子のように大きくどちらかに振れるとその反動で逆方向へ戻る動きが自然と起こります。

経済でも政治でも教育の場でも皆そうです。今、ようやく長い時を経て振り子が日本画サイドに揺り戻って来たのです。機は熟しています、まさに。


池永康晟「梅を待ちても・まりあ
池永作品の女性たちは、今この日本のどこかにいる名前を持ったリアルな存在です。もしかしたら個展会場で居合わせたかもしれませんし、街ですれ違っているかもしれません。

これが肖像画と決定的に違う点であり、池永作品の大きな魅力のひとつと言えます。モデルの個性を単に表すだけなら肖像画や写実画に委ねておけばよいわけで、美人画であるためにはその絵を観てそこに描かれている女性に心ときめかねばなりません。

つまり絵を観て恋に落ちる感覚です。池永作品は写実絵画のように見えて実は決して写実的ではないのです。この点は他の現代の美人画家の作品を観る際にもとても重要です。
池永作品の魅力や秘密については拙著『いちばんやさしい美術鑑賞』で書いたので、是非ご一読頂けると嬉しいです。池永さんにも喜んで頂いたお墨付きです。

それにしても、会場内の美人画の作家さんの女性率が高いこと高いこと。16人中13人が女性です。女性が描くからこそ美しく細やかな部分まで描けるのかもしれません。


宮崎優「陽春
丁子紅子「約束。

お二人とも以前から大好きな作家さんです。是非近くに寄って実物をご覧になって下さい。日本画ならではの繊細な描写にハッとさせられるはずです。

例えば…



永田優美さんなど、まだ現役の美大生でありながら、早くも独自のスタイルで美人画の一角を担う予感がする作家さんから、中堀慎治さんのような「美人画暗黒時代」を生き抜いてきた大ベテランまで、個性豊かな美人画がずらり勢揃いしています。

〈出品作家〉
池永康晟、大竹彩奈、黒木美都子、島田沙菜美、田口由花、丁子紅子、中堀慎治、長尾美輝、永田優美、新家未来、早川実希、平田望、宝居智子、三谷拓也、宮優、山本真澄


三谷拓也「僕にとって君は

個人的には、三谷拓也さんを応援したいです。彼の美人画がこれからどのような成長を遂げるのかを何年か見守っていこうかと思います。

尚この展覧会は、タイトルにあるように、芸術新聞社から1月に出たばかりの『美人画づくし 弐』で取り上げられた16名の作家さんを紹介しています。


美人画づくし 弐

池永康晟さん本人としては「理想の女性」「同時代の女性を描く」ということはごく普通のことであったわけです。

たまたまそれが半世紀ぶりであったがゆえに「美人画の復活」とされるだけのように捉えられがちですが、歴史の偶然は得てして必然であること私たちは様々な事例からよく知っています。

グラビア写真や萌え絵に傾いた振り子が再び「美人画」に戻ってきたのです。


「『美人画づくし 弐』出版記念展」

開催期間:2019年3月4日(月)〜10日(日)
開廊時間:10:30〜18:30 
会期中無休
会場:ギャッリーアートもりもと
(東京都中央区銀座3−7−20)
http://www.artmorimoto.com/




美人画づくし


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2017年に大きな話題を呼んだ『美人画づくし』の続編、『美人画づくし 弐』(芸術新聞社)が発売されました。
出版を記念し、16名の掲載作家による新作展を開催いたします。
ぜひご高覧ください。
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