青い日記帳 

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「歌仙の饗宴展」

出光美術館で昨日まで開催の
「古今和歌集1100年記念祭 歌仙の饗宴」展に行って来ました。



随分前に行って記事にupするの忘れていました。
三十六歌仙には申し訳ない。たらーっ

藤原公任が「万葉集」「古今和歌集」から36人の
優れた歌詠みを厳選に厳選を重ねて?選んだのが「三十六人撰

公任によって撰ばれたのはこの36名!!
柿本人麿 紀貫之 凡河内躬恒 伊勢 大伴家持 山辺赤人 在原業平 
僧正遍昭 素性法師 紀友則 猿丸大夫 小野小町 藤原兼輔 藤原朝忠
藤原敦忠 藤原高光 源公忠 壬生忠岑 斎宮女御 大中臣頼基 藤原敏行
源重之 源宗于 源信明 藤原清正 源順 藤原興風 清原元輔 坂上是則
藤原元真 小大君 藤原仲文 大中臣能宣 壬生忠見 平兼盛 中務

こういうの、全部暗記してすらすら言えちゃう人いますよね〜
私には絶対無理。「六歌仙」が限界・・・

東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング
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このソフトで28個の単語を2分間で出来るだけ早く覚える
トレーニングがあるのですが、それなんて大の苦手です。

話を戻して。。。
何でもこの展覧会「佐竹本三十六歌仙絵」の公開が目玉とか。
かつて秋田藩佐竹候の所持したものであることからそう呼ばれているそうです。

元々は二巻仕立ての絵巻物だったそうですが、大正時代に切断され
今日のように分割所蔵されることになってしまったそうです。
海外の流出を食い止めるべくやむなく分割して
国内にとどまらせた経緯があるそうです。

詳しい経緯はこちを是非。
国宝になれなかった絵巻 文化財保護法制定のきっかけとなった事件


佐竹本三十六歌仙絵「柿本人麿」(重要文化財)

前期と後期では展示が若干違っていたようですが
私が行った後期には7人の「佐竹本三十六歌仙絵」を観られました。
(柿本人麿、斎宮女御、紀友則、僧正遍昭、大中臣頼基、藤原元真、壬生忠見)

「佐竹本三十六歌仙絵」が展示してあるは正面反対側に
「ヒトマロの影ー歌聖像の伝播」として10幅ほどの
柿本人麿を描いた作品がずらりと並べて展示してありました。

鎌倉、室町、江戸時代にかけて変遷していた歌聖と呼ばれた
柿本人麻呂像が「本物はどれだ?」と言わんばかりに展示してありました。

似ています。それぞれ。

同じ柿本人麿を描いた絵なのだから似ていて当然と思うのですが、変です。

持統・文武両天皇に仕えた宮廷歌人として万葉時代に多くの歌を残した人麻呂。
でも、このヒトマロ像は一体いつ作られたものなのでしょう??

↑の画像は鎌倉時代のものですし、このコーナーの一番古いものもまた鎌倉。
万葉の時代からどのようにしてイメージは継承されてきたのでしょう。
一番古いものはいつごろまでさかのぼれるのか知りたいです。

そしてそれを含めてもっと「あれ?」っと思ったのは
そのヒトマロ像というイメージの共有がどのようにして
時代を経ながら伝わっていったのか、人に知られていったかです。

水底の歌―柿本人麿論 (下)
「水底の歌―柿本人麿論」 梅原 猛
この本は最高にお勧め!!人麻呂のイメージがこれで変わりました。

今、現在の我々の感覚では「絵」や「イメージ」は様々な媒体を通じて
他人と共有していくことが可能です。とても簡単に。

ところが、インターネットは当然、印刷物でさえなかった時代に
「絵」や「イメージ」の共有はどうやって行われたのでしょうか。

展覧会会場に並べて展示された10幅のヒトマロ像を目の前にして
「そっくりだね〜」とか「上手く似せてあるね〜」と感想述べ合っている方
いらっしゃいましたが、鎌倉から江戸までどうやってそれが伝播していったのか
私はそっちの方に興味がわきました。似ていることはある意味怖いことだと。


石山切『伊勢集』断簡」伝・藤原公任筆

最後に面白いものが手元にある資料に載っていたのでご紹介。
紀貫之が『古今集』仮名序に六歌仙を評しています。

・僧正遍昭…歌の体裁は特色があるが、感動が欠ける。絵に書いてある女を見て、その美しさに心を動かすようなものだ。

・在原業平…感動は余る程だが言葉足らず。しぼんだ花が美しさは失せ、匂いが残っている感じ。

・文屋康秀…言葉の技巧は優れるが、それだけが目立ち、調和していない。商人が良い着物を着ているようなもの。

・喜撰法師…表現の仕方が奥深く、一首全体の意味が不明瞭。清らかな秋の月を見ているとき、月が暁方の雲におおわれているようなものだ。

・小野小町…優美で身にしみる趣をもっているが、力強さがない。美しい女の悩ましい病気の姿。

・大伴黒主…歌風が卑俗である。

結構(かなり)辛辣ですね・・・


出光美術館は今年で開館40周年だそうで、2カ年計画で館内リニューアルを予定しているそうです。一気にやらずに三期間に分けるそうです。その第一期工事として2月13日(月)から3月3日(金)まで休館し、次回開館は3月4日(土)「風俗画にみる日本の暮らし」展を開催予定しているそうです。

で、その後が凄くて・・・
4月29日から「開館40周年記念 出光美術館名品展機
7月22日から「やきものに親しむ后\勅Г糧−秘色の探求−」
9月9日から
「国宝 風神雷神図屏風 −宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造−」
10月7日から「国宝 伴大納言絵巻展 −新たな発見、深まる謎−」
11月11日から「開館40周年記念 出光美術館名品展供
(競い合う個性 等伯・琳派・浮世絵・文人画と日本陶磁)

年間パスポート販売希望します!!出光さん!!
今なお私たちに受け継がれた和の世界―― それを代表するひとつに、和歌の世界があります。千年もの昔から、私たちは少ない言葉のなかに遊び、自然の豊かさを、また人々の情感あふれる営みを詠じてきました。時は平安王朝の御代、多くの名だたる歌人が輩出され、歌仙と呼ばれる達人が選ばれます。いつしか彼らの秀歌は人々の間に広がり、和歌は書に託され、肖像は絵に託されるようになりました。本展では、鎌倉時代の歌仙絵では最も著名な佐竹本三十六歌仙絵をはじめ、江戸時代の琳派作品にいたるまで、歌仙にまつわる華やかな書画の名品を展示します。
展覧会 | permalink | comments(7) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

こんばんは。

おお、これぞ歌仙の競艶、という感じですね。
コメントをいただき、早速わたしのをTBさせていただきました。どうかわたしのほうにもTBをお願いしたいと思います。

<鎌倉から江戸までどうやってそれが伝播していったのか

前回の『発見日本美術』の会田誠のところでも思っていたのですが、今風に言えば『萌えの循環』とでも言うべきことが起こったのではないかとわたしは予測しています。
要は『本歌取り』ですよね。

そして時代を超えての伝播は、ある意味とても『日本独特』の現象だと思うのです。
『決まりごと』=約束を外さないようにしたがる民族性がそれを可能にしたのではないか、というのがわたしの勝手な解釈です。

『ぐったりポーズ』『顔隠し』『オトコマエ』これだけで描かれたキャラを特定するのが、美学・・・というよりも、民族の固有の記憶であり、常識だったのでしょうね。
それがご維新で放棄してしまうことになった。
更に第二次大戦後に壊滅状態になった。
そして現代には、欠片だけが残されているのではないでしょうか。

今回の展覧会は色々な意味で有意義なものだと思いました。

佐竹本も既に二十人近く見てきましたが、世に隠れたままの歌仙もいますので、何とかこれを機会に出てきてほしいですね。
遊行七恵 | 2006/02/13 11:44 PM
紀貫之の六歌仙評。
私は、詳しくないのであまりその表にうなずいたり、同意しなかったりという事は出来ませんが、でも中々辛らつで、藁ってしまいました。比喩がおかしい。(笑)
seedsbook | 2006/02/14 3:49 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

最近、このblog上手く
TBを送ってくれません。
特にライブドアのblogには
送れません。。。
遊行七恵さんのところへは
朝再度チャレンジしたらOKでした。
時間帯もあるのでしょうね。

「本歌取り」ときましたか〜
なるほどね。

決まりごとをきちんと守っているのは
キリスト教社会の絵画だけかなと
思っていた私が浅はかでした。
そうですよね、日本人こそ約束事大好きですものね!

明治以降は「日本」では無くなってしまいました。
近代化が夏目漱石曰く「外圧」によってなされたわけで
それはそれまでの日本との決別も意味していたはずです。

それが近年「日本画」が見直されているのは
とても良い兆候だと思います。ある一面では。

佐竹本を20人も!ご覧になられたのですか!!
それは凄い!!
所蔵がはっきりしていない作品もあるので
全部見るのは難しいかもしれませんが
フェルメールよりかは・・・

@seedsbookさん
こんばんは。

これ面白いですよね!
歌詠みは他の歌詠みさんに厳しいです。
明治になってから紀貫之も
正岡子規にコテンパンに罵られていましすね!
Tak管理人 | 2006/02/14 10:34 PM
Takさま、お邪魔します。

私も出光年間パスポート、作って欲しい〜〜!!
鑑賞したあと、日比谷の森を眺めながらの、
一服のお茶が至福の時です。
色んな情報、本当にありがたいです。

かっこいいものは、真似される運命。
華があるって、しびれます。
日本人(私)が、日本人の書いた文字が理解できないなんて、
あぁ〜〜〜バタン・・・
あべまつ | 2006/02/15 10:23 AM
@あべまつさん
こんばんは。

お茶を私も必ずいただきながら
ぼーーと外を眺めてくるのが好きです。
「一服のお茶が至福の時です。」
お気持ちとてもよく分かります。

本当に出光さん年間パス作ってくれないかなー

古典をもっともっと分かれば
こういった展覧会も何倍も楽しめるのでしょうね。
Tak管理人 | 2006/02/15 9:32 PM
Takさん、こんばんは。
万葉集にしか出てこない人麻呂が最初にどのように図像化され、そのイメージが後世にまでどう伝わったのか確かに気になりますね。ある程度、画家たちの間でフォーマット化されていたのかもしれませんね。
私はもう一つ、業平が人麿の生まれ変わり伝説がどうのようにうまれたのか気になります。(義経=ジンギス・ハンと同じ論理なのでしょうか?)

私も出光のの年間スケジュールを見ましたが、本当にパスポートを作ってもらいたいですね。特に宗達の「風神雷神図」は本当に楽しみです。
アイレ | 2006/02/16 2:34 AM
@アイレさん
こんばんは。

人麻呂は梅原猛氏の「水底の歌」を読んで以来
その印象が頭に強く残って離れません。
とんでもない説とされましたが、今では
それなりに認められている?ように思えるのは
贔屓目でしょうかね。

「業平が人麿の生まれ変わり伝説」
私もとても興味あります。
英雄を求める心。生まれ変わりを信じる心。

出光に直接交渉してみようかな〜
それくらいの価値ありますよね。
(株でも買ってから・・・)
Tak管理人 | 2006/02/16 10:22 PM
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