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「トルコ至宝展」

東京国立新美術館で開催中の
トルコ文化年2019「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」に行って来ました。


https://turkey2019.exhn.jp/

世界史を正しく学ぶ上で必ず押さえておかなくてはならないのが、オスマン帝国です。鎌倉時代から20世紀まで(1299年頃〜1922年)現在のトルコを中心に、全盛期は地中海からヨーロッパアフリカまでをその支配下に治めていました。


オスマン帝国勢力図(Wikiより

政治的にゴタゴタしEUにも結局入れてもらえていない現在のトルコのイメージとは大きく違います。

オスマン帝国(1299年頃〜1922年)の象徴でもあるトプカプ宮殿(1453年)は今なおその威厳ある姿を残しています。現在はトルコ共和国の博物館となり、歴代の王(スルタン)の至宝をはじめとする多くの美術品を有しています。



天井高のある国立新美術館のホワイトキューブに、トプカプ宮殿のお宝をどう上手く見せるのかに注目していました。

作品自体は絶対観ておいて損のない、普段目にすることの少ない文化圏の歴史あるお宝ですが、やはり展示会場にただずらずらと並べただけでは魅力が半減してしまいかねません。



トプカプ宮殿を体感できるようにかなり内装に手をかけているのが分かります。空間作りってとても大事です。

リニューアル前の薄暗い東京都美術館の展示室で10年以上前に観た「トプカプ宮殿の至宝展」とは、かなり雰囲気が違います。

如何にしてスルタンたちのお宝をより良く見せんとする意欲が感じられる会場でした。



展覧会の構成は以下の通りです。

第1章:トプカプ宮殿とスルタン
第2章:オスマン帝国の宮殿とチューリップ
第3章:トルコと日本の交流




これだけ、展示会場をトプカプ宮殿風に作り込んだのであれば、このエリアだけでも写真撮影可能にしてもらえると、より多くの人に「トルコ至宝展」の魅力が伝わったのではないでしょうか。

さてさて、副題に「チューリップの宮殿 トプカプの美」とあるように、作品の至るところにチューリップの意匠が取り入れられています。

今では、チューリップというとオランダを思い浮かべますが、元々はオスマン帝国(現トルコ)が原産地。日本でいうなら桜の花と同じほど、多くの国民に愛される花がチューリップなのです。


スルタン・スレイマン1世のもとのされる儀式用カフタン
オスマン帝国 16世紀 イタリア製ベルベット

これなどは、とっても分かりやすくチューリップ模様が入っています。「第2章:オスマン帝国の宮殿とチューリップ」は展示作品数も多いので、一体幾つのチューリップを見つけられるかお友達と競い合っても楽しいかもしれません。

オランダで品種改良される前の原種のチューリップなので細長く少し曲がっているので、意匠として用いるのに適していたのでしょう。


アブドゥッラー・ブハーリー「ピンク色の燕尾型チューリップ
オスマン帝国 18世紀中期

因みに、チューリップはトルコ語で「ラーレ(lâle)」と言うそうです。ここに大切なポイントです。
オスマン・トルコ語の表記に使用されていたアラビア文字で、ラ一レの綴りの文字配列を変えると、イスラム教の神のアッラーという言葉になり、さらにはアラビア文字で表記されたラ一レを語末から読むとトルコ国旗のシンボルでもある三日月(ヒラール)という言葉に変わるのです。
だからこそ、多くのモノにチューリップの意匠が取り入れられているのです。

展示の後半はトルコと日本との関わりを紹介するセクションです。日本からトルコに送られた品々が初里帰りを果たしています。



ただし、トルコと日本との深い関係やエルトゥールル号遭難事件などの知識が無いと楽しめないので、3章は疲れていても必ず解説を読みましょう。

事前に、ネットで絶対に調べておくべき人物が「山田寅次郎」です。彼なくして今のトルコとの友好関係はあり得ませんし、この展覧会が開催出来たのも彼のおかげと言っても過言ではありません。



ヨーロッパ人から見るとオスマントルコ帝国は「残虐な征服者」となりますが、当時はヨーロッパをはるかにこえる文化・技術あらゆる面で先進国でした。

如何に普段自分が、一元的にしかヨーロッパ文化を捉えていないかを痛感する展覧会でもあります。何かを変えたい季節にピッタリではないでしょうか。

「トルコ至宝展」は5月20日までです。木村文乃さんの音声ガイドもよかったです!


トルコ文化年2019
「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」


会期:2019年3月20日(水)〜5月20日(月)
休館日:毎週火曜日
※ただし4/30(火)は開館
開館時間:10:00 〜 18:00 
※毎週金曜日・土曜日は 20:00まで
※2019年4月26日(金)〜5月5日(日)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
http://www.nact.jp/
主催:国立新美術館、トルコ共和国大使館、日本経済新聞社、TBS、BS-TBS
後援:トルコ共和国大統領府
協賛:伊藤忠商事、損保ジャパン日本興亜、大日本印刷、東レ、トヨタ自動車、日本製粉、BIGLOBE
特別協力:ターキッシュ エアラインズ
協力:トルコ共和国文化観光省、トプカプ宮殿博物館、日本・トルコ協会
https://turkey2019.exhn.jp/


夢の雫、黄金の鳥籠(1) (フラワーコミックスα)

オスマン帝国のスレイマン1世とその寵姫ヒュッレムの生涯を描いた人気漫画『夢の雫 黄金の鳥籠(きんのとりかご)』(小学館「姉系プチコミック」連載中)の作者・篠原千絵さんと、木村文乃さんの対談が公式サイトに掲載されています。

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@taktwi

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この記事のURL
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2019年、トルコの多様な芸術や文化を紹介する「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」を開催いたします。
アジアとヨーロッパにまたがる交易の要地・トルコは、多様な文化を受容・融合し、比類ない美を育んできました。本展では、イスタンブルのトプカプ宮殿博物館が所蔵する貴重な宝飾品、美術工芸品をとおして、花々、とりわけチューリップを愛でた宮殿の生活、オスマン帝国の美意識や文化、芸術観を紹介します。
オスマン帝国のスルタンと日本の皇室の交流を示す品々のほか、明治期の日本美術品を里帰りさせるなど、両国の友好関係にも光をあてます。
アジアの東と西の端に位置する両国民が時代の節目となる年に交流のすそ野を広げ、友好を未来につなげることを願って開催するのが今回の展覧会です。
約170点の作品を通して、トルコの歴史、文化、美を愛でる国民性をより深く理解する機会となれば幸いです。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

最終日に行きました。確かに展示に工夫がされていてトルコ美術に浸れる珠玉の展覧会でしたね。チューリップに込められた意匠等興味深い!トルコ・ブルーなタイルやエスニック絵画もチャーミングです。
pinewood | 2019/05/20 7:05 PM
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