青い日記帳 

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「ピエール セルネ & 春画」

シャネル・ネクサス・ホールで開催中の
「ピエール セルネ & 春画」展に行って来ました。


https://chanelnexushall.jp/program/2019/shunga/

永青文庫で「SHUNGA 春画展」が開催されたのが2015年のこと。あれから早4年も経ったのですね。その時からシャネルで春画の展示を是非行おうと約束がなされていたそうです。

その場の勢いで「是非!やりましょう!!」とは言ったものの、社交辞令的な口約束でいつの間にかお互い忘れてしまうこと多々ありますが、浦上満氏とリシャールコラス会長は違いました。

準備期間を含め4年で実現させてしまったのは、共にやる気満々であった証です。


喜多川歌麿「歌まくら」(部分)天明8年(1788)
浦上満氏蔵

永青文庫に次いでシャネルで開催されている「春画展」に出ている作品はどれもとても保存状態が良く発色もよいものばかり。

会場のレイアウトやデザインそれに照明もこの展覧会の為にあつらえたものなので、鑑賞環境も申し分ありません。


Kaitlin & John, 2015 © SP2X

フランス人パフォーマンスアーティストであり写真家のピエール セルネ(Pierre Sernet)の写真作品「Synonyms (類似表現) 」と春画がバランスよく配置されています。

春画がもろに男女のいとなみを表現しているのに対し、ピエール セルネの写真はぱっと見たところ何がそこに写されているのか理解に苦しみます。

間接的にそしてだまし絵的なセルネの写真は、見れば見るほど想像力をかき立てられ、深い森へ誘われるかのような魅力をたたえています。





絵師とセルネ作品ごとに壁の色を変え、感覚的なセグメントを生み、全てを貫く穴から覗く対比と編集によって来場者に独自の視点を提供することがデザインコンセプトです。

会場デザインを担当された、おおうちおさむ氏の言葉です。見事なまでにはまっています。展示会場作りがいかに大事であるかということを実感させられる展覧会でもあります。

そして繰り返しになりますが、展示されている作品がとにかくピカイチの一級品揃い。「春画なんて…」とまだちょっと距離を置いている方にこそシャネルの「春画展」はご覧になって頂きたい!


<肉筆> 鳥文斎栄之「源氏物語春画巻」(部分)
寛政(1789〜1801)頃
浦上満氏蔵

鳥文斎栄之「源氏物語春画巻」これには心底感心してしまいました。この作品を芸術と呼ばずして何をか芸術と況やです。

初めて春画を欲しいと思いました。とにかく美しい!鳥文斎栄之の春画はあまり見た記憶がありませんでしたが、こんなにも素晴らしい肉筆画を残していたとは。まだまだ奥が深いです。春画の世界。


葛飾北斎「喜能会之故真通」(部分)
文化11年(1814)
浦上満氏蔵

今回は、喜多川歌麿、鈴木春信、鳥居清長、鳥文斎栄之、葛飾北斎が手掛けた春画がセクションごとに分けて展示されています。

面白いのは慣れてくると誰の春画かすぐに分かるほど、それぞれの絵師により特徴があります。因みに北斎は絵の周りにびっしりと文字を書き込んでいます。女性と蛸の滑稽なやり取りが記されているとか…

鳥居清長は、背景など余計なものは一切描かず交わる男女の姿だけをクローズアップし表現しています。指先や目じりまでよくぞここまで観察したものだと感心してしまうほどリアルです。


Yumiko & Ana, 2017 © SP2X

個性が発揮されている浮世絵師の合間合間にピエール セルネ作品が登場。これがまた会場全体のバランスを見事保つことに大きく貢献しているのです。

一人の絵師の春画にがっぷり四つで向かい合った後は、セルネの謎解きのような写真作品で頭と心をリセット。それにしても意味深な写真を撮りますね〜セルネさん。

会場を3周ほどしましたが、一度はセルネの写真だけを観てまわりました。合点がいくものもあれば、結局何なのか分からないものも。いや〜実に楽しいです。

そして何度も言いますが、春画との相性抜群です。単なる江戸時代の浮世絵と現代の写真の時を超えたコラボではありません。巡り合うべくして巡り合った二人といったところです。

「ピエール セルネ & 春画」展は4月7日までです。入場無料。3月29日からは後期展示となるので前期行かれた方も再訪です!


ピエール セルネ & 春画
Pierre Sernet & SHUNGA

会期:2019年3月13日(水)〜4月7日(日)
前期:2019年3月13日(水)〜3月27日(水)
後期:2019年3月29日(金)〜4月7日(日)
※3月28日(木)は展示替えのため休館
入場無料
開館時間:12:00〜19:30
会場:シャネル・ネクサス・ホール
(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
https://chanelnexushall.jp/


Kaitlin & John, 2016 © SP2X

ピエール セルネ Pierre Sernet
フランスで生まれ育ち、パリのルーブル宮にあるレ・ザトリエ・デュ・カルーゼル(Les Ateliers du Carrousel)でアートを学ぶ。20 代前半に写真の世界で働いた後、アメリカに渡りビジネス界で成功をおさめた。世界最大規模を誇るファインアートのデータベースartnet.comの設立は、彼の数ある功績の一つ。
再びアートの世界に戻り精力的に作家活動に取り組み、アメリカ国内および世界各国の有名ギャラリーや美術館でパフォーマンスや個展を開催している。


喜多川歌麿「歌まくら」 天明8年(1788)
浦上満氏蔵

浦上蒼穹堂 浦上満
浦上蒼穹堂代表である浦上満は学生時代より「北斎漫画」の魅力にとりつかれ、以来45年にわたり約1500冊の「北斎漫画」を蒐集し、質・量ともに世界一のコレクションとして知られる。東京・日本橋で東洋古陶磁を扱う「浦上蒼穹堂」を経営、今年で開業40周年となる。
2013年に大英博物館で開催された「Shunga: sex and pleasure in Japanese art (春画: 日本美術における性とたのしみ)」展に出品者そしてスポンサーの一人として協力。 2015年に永青文庫で開催された「春画展」では春画展日本開催実行委員を務め、中心的な役割を果たした。


ARTBOX 豆判春画 和気満堂コレクション
浅野 秀剛 (著), 浦上 満 (著)

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シャネル・ネクサス・ホールでは、この度、フランス人パフォーマンスアーティストであり写真家のピエール セルネの写真作品「Synonyms (類似表現) 」と、近年ますます世界的に注目が集まる春画を紹介いたします。

セルネはこれまで作品を通して、世界の人々のあいだに存在する類似点を探求してきました。今回展示される「Synonyms (類似表現) 」シリーズでは、文化的、民族的に異なる背景を持つ、個人あるいはカップルのヌードを被写体としています。それは生々しい肉体ではなく、モノクロのシルエットによる抽象的な形態です。何を認識するかは、鑑賞者に委ねられています。各作品のタイトルには被写体の名前がつけられており、それを通してのみ、彼/彼女の性別や国籍、文化的背景を推測することができるのです。しかしそれら様々な肉体のかたちは、その多様性にもかかわらず、性あるいは性行為という人類共通のテーマを表現しています。「私たちはそれぞれ他人とは異なる唯一無二な存在である一方で、普遍的な共通点を持っています。だからこそ、違う文化やライフスタイル、様々な人々をもっと受け入れるべき」と、セルネは言います。

世紀を越えて、セルネの写真作品に邂逅するのは、浦上蒼穹堂・浦上満コレクションの珠玉の春画の数々です。展示されるのは鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎らの作品です。江戸時代に浮世絵のジャンルとして人気を博し、多くの絵師が筆をとり、数千点を超える春画が制作され、様々な絵画的実験が試みられました。その大胆な構図や色彩は印象派の画家たちやパブロ・ピカソにも大きな影響を与えました。近年では、2013年に大英博物館で「Shunga: sex and pleasure in Japanese art (春画: 日本美術における性のたのしみ)」展、つづいて2015年に永青文庫で「春画展」が開催され、世界的な評価を得ています。

江戸時代、人間の性愛がユーモアたっぷりに描かれた春画は「笑い絵」とも呼ばれていて、男女の区別なく多くの人に愛されました。それは人間の普遍的な生が描かれていたからでしょう。

本展はフランスと日本、現代と江戸という、国や時代を越えたセルネの写真と春画とのユニークなコントラストをご覧いただく貴重な機会となるでしょう。
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